中学英語・ちょっと復習-to V (to不定詞) の用法 その4-名詞的用法

中学英語・ちょっと復習-to V (to不定詞) の用法 全9回



to V (to不定詞)の名詞的用法

[意味]Vすること

Ving (動名詞)-Vすること」と同じ意味になりますね。

両者の違いは、

「to V (to不定詞) の名詞的用法」と「Ving (動名詞)」のページを参考にしてください。



● 主語に用いられる ●

1. a. To drive this car is easy.
1. a. この車を運転することは簡単だ。
1. b. To drive this car is easy for me.
1. b. この車を運転することは私に(とって)は]簡単だ。

2. a. To study hard every day is natural.
2. a. natural [チュラル] : 当然だ
2. a. 毎日一生懸命勉強するのは当然だ。
2. b. For students to study hard every day is natural.
2. b. 学生が毎日一生懸命勉強するのは当然だ。

2. b. の文頭の for students は「to V (to不定詞) の意味上の主語」と呼ばれます。

学生が」と、まるで「to V の主語」のように訳します。

(「to V (to不定詞) の意味上の主語」は、後で高校生用のページで詳説します。)

to 不定詞 [to + V] の意味上の主語



「to V (to不定詞)の名詞的用法」を主語に使うのは文語で、あまり使われていません

中学校の教科書でもめったに出てきません。

仮主語[形式主語]It を使って真主語の to V文尾にまわすのが普通の英語です。

It is ~ to V
Vすることは~だ
It is ~ for A to V
VすることはAに(とって)は~だ
AがVすることは~だ

3. a. It is easy to drive this car.
3. a. この車を運転することは簡単だ。
3. b. It is easy for me to drive this car.
3. b. この車を運転することは私に(とって)は簡単だ。
4. a. It is natural to study hard every day.
4. a. 毎日一生懸命勉強するのは当然だ。
4. b. It is natural for students to study hard every day.
4. b. 学生が毎日一生懸命勉強するのは当然だ。



《質問》

3. b.4. b. について質問します。

for A はどのような場合に「Aに(とって)は」と訳し、どのような場合に「Aが」と訳すのですか?教えてください!

《答え》

もっともな質問ですね。

1. b. for me は、 easy を限定していて「私に(とって)は」という意味です。
2. b. for students は、to V (to不定詞)の意味上の主語で「学生がVすること」という意味になります。

1. b. for meeasy直後2. b.for studentsto study直前にあるため、上記の解釈しかできません。

3. b. 4. b.for mefor studentsどこで休止する[ポーズを入れる]かによって解釈が変わります

3. b. It is easy for me / to drive this car. (easy を限定)
3. b. この車を運転することは私に(とって)は簡単だ。
3. b. It is easy / for me to drive this car. (to V の意味上の主語)
3. b. 私がこの車を運転することは簡単だ。

4. b) It is natural for students / to study hard every day. (natural を限定)
4. b) 毎日一生懸命勉強するのは学生に(とって)は当然だ。
4. b) It is natural / for students to study hard every day. (to V の意味上の主語)
4. b) 学生が毎日一生懸命勉強するのは当然だ。

意味が通じれば、どちらに解釈しても構いません

中学生には「Aに(とって)は」と訳すほうが理解しやすいみたいですね。

でも、to V の意味上の主語に解釈して「Aが」と訳す場合がこれから多くなりますから、この際覚えてしまいましょう。

ちなみに、 3. b. は、It is easy that I drive this car.(X) のように、that 節=that+文 に書き換えできませんから、easy を限定すると解釈するのが自然です。

4. b. は、It is natural that students study hard every day. (○) のように、that 節 に書きかえできますから、to V の意味上の主語に解釈するほうが自然だと思います。



仮主語[形式主語]の It を使った文型多用されますから、もう少し類例を追加します。

5. It will be fun to go shopping.
5. 買い物に行くのは楽しいでしょう。
6. It is difficult to speak three languages.
6. 3ヶ国語を話すのは難しい。
7. It is necessary for you to see him.
7.It is necessray that you see him.
7. 君が彼に会うことが必要だ。
7. → 君は彼に会う必要がある。
8. It is interesting for Ken to study math
8. 数学を勉強することはケンにとって興味深い。
9. It is impossible for me to become a professional baseball player.
9. プロの野球選手になるのは私には不可能だ。
10. It is wrong for you to say so.
10.It is wrong that you say so.
10. 君がそんなことを言うのは間違っている。



● be動詞の補語に用いられる ●

11. Your job is to sell cars.
11. 君の仕事は車を売ることです。
12. My dream is to become a doctor.
12. 私の夢は医者になることです。
13. All you have to do is (to) go there.
14. 君がしなければならない全てはそこに行くことだ。
14. → 君はそこに行きさえすればよい。
14. All I can do is (to) give you some advice.
15. 私ができる全ては君にアドバイスをすることだ。
15. → 私は君にアドバイスをすることしかできない。

13. 14. のように be動詞の直前に do がある場合は、to は省略されるのが普通です。



● 他動詞の目的語に用いられる ●

15. Ken began to study hard.
16. ケンは一生懸命勉強することを始めた。 → 勉強し始めた。
16. I like to play the guitar.
17. 私はギターを演奏するのが好きだ。

to V が他動詞の目的語になっている場合は、「他動詞+to V」の文型として丸暗記するほうが実戦的です。

用法などわからなくても、結果的に英語が分かればOKなのですから。

中学程度の常識的なものを列挙しておきますので、とりあえず次のリストを暗記してしまいましょう。

日本語訳が結構難しいので、必ず先に訳せるようにしてから、その後英語を覚えてください

01. like to V
01. Vすることが好きだ
02. love to V
02. Vすることが大好きだ
03. begin to V
03. Vすることを始める → Vし始める
04. start to V
04. Vすることを始める → Vし始める
05. continue to V
05. Vすることを続ける → Vし続ける
06. want to V
06. Vすることを望む → Vしたい、Vしたがっている
07. would like to V
07. Vすることを望む → Vしたいと思っている
07. (want to V の丁寧形)
08. decide to V
08. Vすることを決意する、Vしようと決心する
09. try to V
09. Vすることを努力する → Vしようと(努力)する、Vするよう(に)努める
10. need to V
10. Vすることを必要とする → Vする必要がある
11. hope to V
11. Vすることを望む → Vしたいと望む
12. learn to V
12. Vすることを習得する → Vできるようになる
13. promise to V
13. Vすることを約束する → Vすると約束する

実は、1. 2. 3. 4. 5. 9. は、Ving[動名詞] も目的語に取れるのですが、今回は素直に上記のまとめを丸暗記してください

to VVing[動名詞] の違いは、次回に解説します

例文はその時に挙げますから、今回は上記のリストのみ暗記してください。



では、かなりの数になりましたが、例文暗唱です
最低これぐらいは覚えていないと実際の役に立ちません。

01. a) この車を運転することは簡単だ。
01. b) この車を運転することは私には[私にとっては]簡単だ。
02. a) 毎日一生懸命勉強するのは当然だ。
02. b) 学生が日一生懸命勉強するのは当然だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

01. a) To drive this car is easy.
01. b) To drive this car is easy for me.
02. a) To study hard every day is natural.
02. b) For students to study hard every day is natural.



03. a) この車を運転することは簡単だ。(仮主語で)
03. b) この車を運転することは私には[私にとっては]簡単だ。(仮主語で)
04. a) 毎日一生懸命勉強するのは当然だ。(仮主語で)
04. b) 学生が毎日一生懸命勉強するのは当然だ。(仮主語で2種類)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

03. a) It is easy to drive this car.
03. b) It is easy for me to drive this car.
04. a) It is natural to study hard every day.
04. b) It is natural for students to study hard every day.
04. b)It is natural that students study hard every day.




05. 買い物に行くのは楽しいでしょう。(仮主語で)
06. 3ヶ国語を話すのは難しい。(仮主語で)
07. 君が彼に会うことが必要だ。
07. → 君は彼に会う必要がある。(仮主語で2種類)
08. 数学を勉強することはケンにとって興味深い。(仮主語で)
09. プロの野球選手になるのは私には不可能だ。(仮主語で)
10. 君がそんなことを言うのは間違っている。(仮主語で2種類)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

05. It will be fun to go shopping.
06. It is difficult to speak three languages.
07. It is necessary for you to see him.
07.It is necessray that you see him.
08. It is interesting for Ken to study math.
09. It is impossible for me to become a professional baseball player.
10. It is wrong for you to say so.
10.It is wrong that you say so.



11. 君の仕事は車を売ることです。
12. 私の夢は医者になることです。
13. → 百聞は一見に如(し)かず。 (ことわざ)
13. 君がしなければならない全てはそこに行くことだ。
14. → 君はそこに行きさえすればよい。
14. 私ができる全ては君にアドバイスをすることだ。
15. → 私は君にアドバイスをすることしかできない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11. Your job is to sell cars.
12. My dream is to become a doctor.
13. All you have to do is (to) go there.
14. All I can do is (to) give you some advice.



15. ケンは一生懸命勉強することを始めた。 → 勉強し始めた。
16. 私はギターを演奏するのが好きだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

15. Ken began to study hard.
16. I like to play the guitar.



[他動詞+to V の文型リスト]

01. Vすることが好きだ
02. Vすることが大好きだ
03. Vし始める
04. Vし始める
05. Vし続ける
06. Vしたい、Vしたがっている
07. Vしたいと思っている (6. の丁寧形)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

01. like to V
02. love to V
03. begin to V
04. start to V
05. continue to V
06. want to V
07. would like to V



08. Vることを決意する、Vしようと決心する
09. Vしようと(努力)する、Vするよう努める
10. Vする必要がある
11. Vすることを望む、Vしたいと望む
12. Vすることを習得する、Vできるようになる
13. Vする(こ)とを約束する

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

08. decide to V
09. try to V
10. need to V
11. hope to V
12. learn to V
13. promise to V



《ちょっとプラス》

try to V について

上記の解説では、try to Vto V他動詞の目的語として扱いました。

参考書や辞書がそのような扱いをしている場合が多いので、それに合わせた次第です。

しかし、私は try to V は、自動詞+to V の副詞的用法-目的 だと考えます。

try to V
Vするために努力する
Vしようと(努力)する
Vするよう(に)努力する

次の例文のように、tryto V の間に、副詞の hard が入るのは、try が自動詞だからでしょう。

I tried very hard to solve the problem.
私はその問題を解決するためにとても一生懸命努力した。
→ 私はその問題を解決しようと[するよう]一生懸命努力した。

もっとも、 try to V の文型として丸暗記してしまえば、try が他動詞か自動詞か悩む必要など、全くありません



お疲れ様でした。 m(__)m


次回-「to V (to不定詞)の名詞的用法」と「Ving (動名詞)」

to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次 (中・上級者向け-高校英語)

2016/08/13 11:08 [edit]

category: 中学英語・ちょっと復習

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