to V (to 不定詞) の形容詞的[名詞限定]用法(中学英語・ちょっと復習の続編)
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次 (中上級者向け)
このページは「中学英語・ちょっと復習-to V [to不定詞] の形容詞的用法-名詞限定用法」の続編です。
基本用法は上記のページで詳細に解説しています。
まず先に復習し来てください。
⇒ 中学英語・ちょっと復習-to V [to不定詞] の形容詞的用法-名詞限定用法を復習して来る
今回は、「中学英語・ちょっと復習」では説明不足だった次の3点を詳説します。
● 修飾する名詞が to V に含まれる前置詞の意味上の目的語の場合
● to V が、修飾する名詞の内容を説明している場合 (同格)
● 「名詞限定用法」に見えて実は「形容詞限定用法」の場合
● 修飾する名詞が、to V (to 不定詞)内の前置詞の目的語の場合
この学習項目は「中学英語・ちょっと復習」ですでに軽く解説しました。
まず、中学英語・ちょっと復習の該当ページをもう一度復習して来てください。
上のページでこの用法の概略は理解できると思います。
今回は高校・一般向けに別のアプローチで詳説します。
まず、準備運動をします。
[問題] 次の文の( )内に適当な前置詞を入れてください。
01. a) Please write ( ) a pen. ペンでかいてください。
01. b) Please write ( ) this paper. この紙に書いてください。
01. c) I wrote ( ) my school trip. 修学旅行について書いた。
02. a) He lives ( ) a big house. 大きな家に住んでいる。
02. b) He lives ( ) his children. 子供のために生きている。
03. a) I talked ( ) him. 彼と話をした。
03. b) We talked ( ) music. 音楽について話した。
04. Don’t worry ( ) that. そんなこと心配しなくていいよ。
05. My son is excited ( ) his school trip. 私の息子は修学旅行のことで興奮している。
06. I depend ( ) a lot of people. 私は多くの人に頼っている。
07. I carried the apples ( ) a plastic bag. ビニール袋に入れてリンゴを運んだ。
08. What do you want to buy ( ) this money? このお金で何を買いたいですか。
09. What do you do ( ) your free time. 自由な時間に何をしますか。
10. I parked my car ( ) the park. 公園に車を駐車した。
11. We solved the problem ( ) this way. この方法でその問題を解決した。
[解答]
01. a) Please write (with) a pen.
01. b) Please write (on) this paper.
01. c) I wrote (about) my school trip.
02. a) He lives (in) a big house.
02. b) He lives (for) his children.
03. a) I talked (with/to) him.
03. b) We talked (about) music.
04. Don’t worry (about) that.
05. My son is excited (about) his school trip.
06. I depend (on/upon) a lot of people.
07. I carried the apples (in) a plastic bag.
08. What do you want to buy (with) this money?
09. What do you do (in) your free time.
10. I parked my car (in) the park.
11. We solved the problem (in) this way.
どうでしたか?
すべて正解しましたか? (^.^)
では本番の例文です。
前置詞と前置詞の目的語(=前置詞の後の名詞)が分離していますね。
前置詞が後に取り残されている点に注意してください。
01. Do you have anything to write with?
01. 何か書く物[ペンなどの筆記用具]を持っていますか。
02. Please give me something to write on.
02. 私に何か書く物[紙・ノートなど]をください。
03. I have nothing to write about.
03. 私は書くこと[書く話題]が何もなかった。
04. I don’t have a house to live in.
04. 私は住む家がありません。
05. I have nothing to live for.
05. 私には生きる目標[生きがい]が何もない。
06. I have only a few friends to talk with.
06. 私は話す友達[話し相手をしてくれる友達]がほんの少ししかいない。
07. There are a lot of things to talk about today.
07. 今日は話すこと[話題]がたくさんある。
08. There is nothing to worry about.
08. 心配することは何もない。
09. That’s nothing to be excited about.
09. それは何も興奮するようなことではない。
10. I have a lot of friends to depend on.
10. depend on ~ : ~に頼る
10. 私は頼れる[頼りになる]友達がたくさんいる。
11. She had no bag to carry the apples in.
11. 彼女はリンゴを入れて運ぶ袋が何もなかった。
time と money と place と way は前置詞 (with, in など)は通例省略されます。
12. Do you have any money to buy a computer?
12. あなたはコンピューターを買うお金がありますか。
13. I have no time to watch TV.
13. 私はテレビを見る時間が全然ありません。
14. There was no place to park my car.
14. 私の車を駐車する場所がなかった。
15. This is the only way to solve the problem.
15. これはその問題を解決する唯一の方法です。
この場合の to V は、「目的=Vする(ための)名詞」と解釈することもできます。
しかし和訳は単に「Vする金・時(間)・(場)所・方法」で十分。「ための」は不要です。
⇒ こちらのページも参考にしてください。
文語ですが、次のような表現もあります。
6. I have only a few friends to talk with.
6. = I have only a few friends with whom to talk.
6. 私は話す友達[話し相手をしてくれる友達]がほんの少ししかいない。
7. There are a lot of things to talk about today.
7. = There are a lot of things about which to talk.
7. 今日は話すこと[話題]がたくさんある。
なぜ関係代名詞の whom や which が出て来るかというと、以前にも解説したとおり、「to V (to 不定詞) の形容詞的[名詞限定]用法」には「be to V の用法」が隠れているからです。
⇒ 隠れた be to V 参考ページ
be to V と関係代名詞をつかった完全な英文にすると、
6. I have only a few friends (whom) I am to talk with.
6. 私には(一緒に)話すことができる友達が少ししかいない。(可能)
7. There are a lot of things (which) we are to talk about today.
7. 私達が今日話すべきことがたくさんある。(義務)
それぞれ、後ろの前置詞を関係代名詞の前に移動させて、
6. I have only a few friends with whom I am to talk.
7. There are a lot of things about which we are to talk today.
主語とbe動詞を省略して、
6. I have only a few friends with whom to talk.
7. There are a lot of things about which to talk today.
前置詞を関係代名詞の前に移動させたので、関係詞は省略されずに残ることになるわけです。
ただし、この表現は文語に限られます。
● to V が、修飾する名詞の内容を説明している場合 (同格)
この用法も、中学英語・ちょっと復習ですでに学習しました。
⇒ 中学英語・ちょっと復習-to V [to不定詞] の形容詞的用法-名詞限定用法を復習して来る
今回は、修飾する名詞が「動詞や形容詞の名詞形」の場合を取り扱います。
動詞や形容詞の名詞形 + to V の場合
まず、準備運動。
16. He refused to come, and I didn’t expect it.
16. refuse to V : Vすることを拒む[断る]
16. expect O : Oを予期する
16. 彼は来るのを断った[拒んだ]、そして私はそれを予期していなかった。
17. She decided to marry him, and it surprised me.
17. decide to V : Vすることを[しようと]決心する
16. surprise 人 : 人を驚かせる。
17. 彼女は彼と結婚することを決心した、そしてそれは私を驚かせた。
18. You are willing to help others, and it is important.
18. be willing to V : 進んで[喜んで]...する
18. あなたは進んで[喜んで]他人を助ける、そしてそれは大切なことだ。
19. Jane was eager to go, and Jane expressed it.
19. be eager to V : Vすることを熱望している
16. express O : Oを述べ る[表明する]
19. ジェーンは行くことを熱望していた、そしてジェーンはそのことを表明した。
次に、左側の文を名詞に圧縮し、右側の文の it に代入してみましょう。
16. を例に取ってみます。。
16. He refused to come and I didn’t expect it.
16. 彼は来ることを断った[拒んだ]そして 私はそれを予期していなかった。
動詞 refuse (リフューズ) の名詞形 refusal (リフューザル)を使って、左側の文を名詞に圧縮します。
his refusal to come
彼が来るのを断った[拒んだ]こと
元の動詞が to V 従えているので、名詞になっても同じ to V を従えていることに注意しましょう。
それを右側の it に代入。
16. I didn’t expect his refusal to come.
16. 私は彼が来るのを断る[拒む]ことを予期していなかった。
17 ~ 18 の動詞・形容詞の名詞形は
decide →decision (ディスィジョン)
willing → willingness (ウィリングニス)
eager → eagerness (イーガーニス)
では、it に代入してみましょう。
17. Her decision to marry him surprised me.
17. 彼女が彼と結婚することを決意したこと[彼女の彼と結婚しようという決意]は私を驚かせた。
18. Your willingness to help others is important.
18. あなたが進んで[喜んで]他人を助けようとすること[気持ち]は大切だ。
19. Jane expressed her eagerness to go.
19. ジェーンは行くことを熱望していること[行きたいという熱意]を表明した。
19. のように、「願望を表す形容詞や動詞の名詞形 + to V」 の場合は、 「Vしたいという名詞」と訳すとうまくいきます。
[例] my wish to study abroad (留学したいという私の願い)
辞書で refusal decision willingness eagerness を引いてみましょう。
後ろに to V を従える場合の意味がしっかり書かれています。
例えば weblio で willingness を引くと
快く[進んで]〈…する〉こと 〈to do〉.
[用例] I expressed my willingness to support the cause.
[用例] 私はその運動を進んで支持したいという意向を表明した.
と書かれています。
辞書は大いに活用しましょう。
● 「名詞限定用法」に見えて実は「形容詞限定用法」の場合
次の英語はどう意味でしょう?
20. This is an easy book to understand.
「これは理解するのが簡単な[→ 理解し易い]本です」という意味ですね。
一見、to understand が book を修飾しているように見えますが、実は違います。
This book is easy to read.
これは理解するのが簡単な[→ 理解し易い]本です。
「この本は簡単だ → (どういう意味で簡単かと言えば)理解するのが簡単だ」
この文の to read は 形容詞の easy の意味の範囲を限定していますね。
This is an easy book to read.
= This is a book that is easy to read.
これは理解するのが簡単な[→ 理解し易い]本です。
ですから、to read は 形容詞 easy を限定する働きをしているのです。
⇒ 中学英語・ちょっと復習-to V [to 不定詞]の副詞的用法-形容詞限定 を見に行く
類例です。
21. It was a difficult question to answer.
21. それは答えるのが難しい質問だった。
22. I want a comfortable chair to sit on.
23. 私は座るのに快適な[→ 座り心地のいい]椅子が欲しい。
ただし、名詞限定用法にも形容詞限定用法にもどちらにも解釈できる場合もあります。
23. This is a good way to learn English.
22. これは英語を学ぶ(のに)よい方法です。
では、例文を暗記しましょう。
01. 何か書く物[ペンなどの筆記用具]を持っていますか。
02. 私に何か書く物[紙・ノートなど]をください。
03. 私は書くこと[書く話題]が何もなかった。
04. 私は住む家がありません。
05. 私には生きる目標[い生きがい]が何もない。
06. 私は話す友達[話し相手をしてくれる友達]がほんの少ししかいない。
07. 今日は話すこと[話題]がたくさんある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
01. Do you have anything to write with?
02. Please give me something to write on.
03. I have nothing to write about.
04. I don’t have a house to live in.
05. I have nothing to live for.
06. I have only a few friends to talk with.
07. There are a lot of things to talk about today.
08. 心配することは何もない。
09. それは何も興奮するようなことではない。
10. 私は頼れる[頼りになる]友達がたくさんいる。
11. 彼女はリンゴを入れて運ぶ袋が何もなかった。
12. あなたはコンピューターを買うお金がありますか。
13. 私はテレビを見る時間が全然ありません。
14. 私の車を駐車する場所がなかった。
15. これはその問題を解決する唯一の方法です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
08. There is nothing to worry about.
09. That’s nothing to be excited about.
10. I have a lot of friends to depend on.
11. She had no bag to carry the apples in.
12. Do you have any money to buy a computer?
13. I have no time to watch TV.
14. There was no place to park my car.
15. This is the only way to solve the problem.
16. 私は彼が来るのを断る[拒む]ことを予期していなかった。
17. 彼女が彼と結婚することを決意したこと[彼女の彼と結婚しようという決意]は私を驚かせた。
18. あなたが進んで[喜んで]他人を助けようとすること[気持ち]は大切だ。
19. ジェーンは行くことを熱望していること[行きたいという熱意]を表明した。
20. これは理解するのが簡単な[→ 理解し易い]本です。
21. それは答えるのが難しい質問だった。
23. 私は座るのに快適な[→ 座り心地のいい]椅子が欲しい。
22. これは英語を学ぶ(のに)いい方法です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16. I didn’t expect his refusal to come.
17. Her decision to marry him surprised me.
18. Your willingness to help others is important.
19. Jane expressed her eagerness to go.
20. This is an easy book to understand.
21. It was a difficult question to answer.
22. I want a comfortable chair to sit on.
23. This is a good way to learn English.
お疲れ様 m(__)m
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次 (中上級者向け)
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