Sat.
if を使った未来の条件文-その3 (文法的補足説明-マニア向け) 
if を使った未来の条件文-その3 (文法的補足説明-マニア向け)
⇒ if を使った条件文 - 導入 - 目次
では、前回の続きです。
今回の記事は 「文法マニア」 向けです。 (^-^;
入門・初級者は、適当に読み飛ばして一番最後の 「応用練習」 の部分だけやってもらっても結構です。
文法的補足説明をいくつかして、その中から覚えておいたほうがよいものをピックアップして応用練習をします。
最初に公約した通り、手抜きなしで全力投球で解説します。
説明がくどくなるかもしれませんが、我慢してくださいね。m(__)m
《文法的補足説明 (1)-未来志向の文とは?》
主節 = 帰結節 の 「未来志向の文」 とは、未来形の文ではありません。
そもそも英語には 「未来形」 というものは存在しません。
次の一連の英文を検証してみましょう。
1. If it rains tomorrow, he may not come.
2. If it rains tomorrow, he will not come.
3. If it rains tomorrow, I will not go.
4. If it rains tomorrow, don't go.
5. If it rains tomorrow, I don't want to go.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. もし明日雨が降ったら彼は来ないかもしれない。(と今推量している)
2. もし明日雨が降ったら彼は(きっと)来ないだろう。(と今推量している)
3. もし明日雨が降ったら私は行きませんよ。(と今意思表示をしている)
4. もし明日雨が降ったら行ったらダメだよ。(と明日の行動を今指示している)
5. もし明日雨が降ったら私は行きたくないな。(と今願望を述べている)
条件節 = if 節内の rains と、主節 = 帰結節内の come / go / to go は、未来の行為を表していますが、may は現時点での推量、will は現時点での推量または意思、命令文は未来の行動に対する現時点での指示、want は現時点での願望を表しています。
要するに、話の内容は未来のことでも、文全体の 「時」 は 「現在」 ということになります。
《文法的補足説明 (2)-代用仮定(叙想)法現在形》
古い英語では、現在・未来の可能性の高い行為を仮定する場合は、「仮定法(叙想法)現在形」 = 「皆さんが知っている原形と同じ形」 を使っていました。
(現在と未来の両方です。今回は未来だけを扱っています。)
それが時代の流れと共に、「直説法(叙実法)現在形」 = 「皆さんが使っている普通の現在形」 に取って代わられました。
if it be clear tomorrow → if it is clear tomorow
if he come tomorrow → if he comes tomorrow
ですから、可能性の高い現在・未来の行為を仮定する場合に使う 「現在形」 は、いわば 「代用仮定法(叙想法)現在形」 と言ってもいいものなのです。
(今回は、未来の可能性の高い仮定に使う場合を練習しましたが、現在の可能性の高い仮定も後で練習します。)
この 「仮定法(叙想法)現在形」 = 「皆さんが知っている原形と同じ形」 は、if と共にに使う用法は廃れてしまいました。
現在でもこの 「仮定法(叙想法)現在形」 が if と共に使われている慣用表現が一部生き残っています。
If that be the case = if that is the case
もしそれが事実なら、もしそういうことであれば
if need be = if (it is) necessary
もし必要なら
などがそうです。
一般動詞ではなく、be 動詞しか生き残っていないようです。
余裕があれば、覚えておきましょう。
この 「仮定法(叙想法)現在形」 = 「皆さんが知っている原形と同じ形」 は、if と一緒に使うことは廃れてしまいましたが、現代英語でも、ある特定の文型では、ごく普通に使われています。(大学入試で頻出)
それについては後で説明 + 練習します。
《文法的補足説明 (3)-if 節中で will は使えるか?》
私が教えているある高校生が持っている学校の副教材には、
when や if などに導かれた 「時」 や 「条件」 を表す副詞節中では、未来のことでも現在形を用いる (未来完了のことでも現在完了を用いる)
と書かれており、例題として、
You can come and see me anytime if you ( ) free tomorrow.
もし明日暇なら、いつでも私に会いに来ていいよ。
1. will 2. are 3. were 4. will be
が載せられていて、正解は 2. are となっています。
このルール自体は間違っていませんが、まるで 「時」 や 「条件」 を表す副詞節中では will は使ってはいけないような錯覚を与えてしまいます。
別の生徒が使っている参考書には、上記のルールに加えて、「意思を表す will は if 節中でも使える。」 と但し書きがしてありました。
これも、まるで 「時」 や 「条件」 を表す副詞節中では、推測を表す will は使ってはいけないような錯覚を与えてしまいます。
「もし未来に~すれば = もし未来の時点である行為をすれば」 という意味を表したい場合は、代用仮定法(叙想法)現在形 = 普通の現在形 を使います。
しかし、will に含まれている次のような意味を条件節 = if 節 に加味したければ、
1. もし未来に~するようなら = 未来の時点である行為をすると推測されるのなら、
2. もし未来に~する気があるなら = もし未来の時点である行為をする意思があるのなら、
3. もしどうしても~するというのなら = もし未来の時点である行為をすると固く決意しているのなら、
if + will は十分可能です。
私は、普段は、できるだけ覚えやすいように、オリジナルの例文を作っているのですが(ネイティブではないので間違いがあるかもしれません ^_^;)、「本当かいな?嘘くさいな」 と思われてはいやなので、今回は信用できる辞書や参考書の例文を拝借して証拠を示すことにします。
[未来の予測・推測]
1. a. If you will be alone at Christmas, let us know. (ジーニアス第5版)
1. a. = If you can predict [know] that you will be alone at Christmas, ….
1. a. predict that … [プリディクト] : … だと予測する
1. a. もしクリスマスにひとりぼっちになりそうなら、私達にそのことを知らせてください。
1. a. もしクリスマスにひとりぼっちになると予測できるならその時点で私達に知らせてください。
1. b. I'll do it if it will save Risa. (ウィズダム第3版)
1. b. = I'll do it if it will lead to saving Lisa.
1. b. lead to ~ [リード] : ~(という結果)へとつながる
1. b. もしそれがリサを救うということになるのなら、私はやります。
1. b. もし私がそれをすることが結果的にリサを救うことにつながると予測されるのなら、私はそれをします。
この場合、a. の用法は、まれなので、あまりお勧めしません。be going to V (V しそうだ) と find out (わかる、知る) を使って、
If you find out (that) you'll [you're gong to] be alone at Christmas, let us know.
もしクリスマスに一人になりそうなら[なりそうだとわかったら]私達に連絡してください。
の方が、意味が明瞭でいいと思います。
b. の用法は重要なので、最後に練習します。
[未来の意思・依頼]
2. a. If he will help me, I'll be able to finish it. (ウィズダム第3版)
2. a. 彼が手伝ってくれるのなら、それを仕上げることができるでしょう。
2. a. もし彼が私を手伝ってくれる意思があるのなら、私はそれを仕上げることができるでしょう。
2. b. If you'll excuse me, I have to get back to work. (ジーニアス第5版)
2. b. 申し訳ありませんが仕事にもどらないといけないのですが。
2. b. (もしあなたが退出[中座]する私を許してくださる意思があるのなら(失礼させていただきます)、仕事に戻らないといけないので。
If you'll exuse me. に関しては、過去に書いた記事があるので、それも参考にしてください。
⇒ If you'll excuse me.
この用法も重要なので、最後に練習します。
[強固な意志]
3. a. If you will eat so much, you can't complain if you get fat. (英文法解説-江川泰一郎著)
3. a. complain [カムプレイン] : 文句・不平を言う
3. a. どうしてもそんなに食べるのなら、太っても文句は言えないよ。
3. b. If he won't cooperate, we'll have to take more drastic measures. (同上)
3. b. cooperate [コゥアパレイト] : 協力する
3. b. take a measure [メジャ] : 手段を講ずる、対策を取る
3. b. drastic [ドラスティク] : 思い切った、徹底的な
3. b. 彼がどうしても協力しないのなら、もっと思い切った手を打つ必要がある。
さて、最初の文法問題に戻ります。
この問題の和訳、「もし明日暇なら、いつでも私に会いに来ていいよ。」 では、正解は 2. are しかありませんが、もし和訳が付いていなければ、
Call me if you ( ) free tomorrow.
1. will 2. are 3. were 4. will be
は、正解は文脈によって、2. are と 4. will be が選べます。
「もし明日暇なら電話してね。= 明日暇になって時点で電話してね。」
と解釈すれば、正解は 2. are
「もし明日暇になるようなら電話してね。= 明日暇になると予測した時点で電話してね。」
と解釈すれば、正解は 4. will be
になります。
もっとも、先ほどもお薦めしたように、この用法の will は避けて、
Call me if you find out (that) you'll [you're going to] be free tomorow.
明日暇になりそうなら[そうだと分かったら]電話してね。
と言うほうがいいと思います。
まだまだ書きたいことがたくさんありますので、この続きは次回にします。(^-^)
次回-if を使った未来の条件文-その4 (if 節中での will V / be going to V / be Ving-マニア向け)
⇒ if を使った条件文 - 導入 - 目次
tb: -- cm: 1
« if を使った未来の条件文-その4 (if 節中での will V / be going to V / be Ving-マニア向け)
if を使った未来の条件文-その2 (If + S + 現在形-練習) »
Comments
Only the administrator may view.
Only the administrator may read this comment.
| # | 2021/11/05 15:42 | edit
Post a comment
| h o m e |