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高校英語・基礎 - as well as の用法 - その3(発展用法) 
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その3(発展用法)
お知らせ-前回の A as well as B を主語に使う場合の説明を少し補充しました。
前回は、A as well as B の基本用法を解説しました。
おそらく、高校の英語の授業では、この基本用法しか教えてもらえないでしょう。
でも、最近の英語には、これから紹介する発展用法も非常によく使われています。
検定教科書、英検、センターテスト、私大入試、新聞、雑誌、論文、等々の英語に、この発展用法が多数出てきます。
だから、現代英語を読むためには、この発展用法は是非とも覚えておかなければいけません。
A as well as B の発展用法に関しては、過去に書いた記事があるので、まずそれに目を通して下さい。
⇒ 英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1 (A as well as B)
上記の記事のまとめをもう一度ここに書きます。
A(,) as well as B
1. 基本用法
1. BだけでなくAも、BはもちろんAも
1. (意味上の重点は A にあり、後ろから訳し上げる。)
2. 発展用法
2. AもBも、AそれにBも、A および B
2. (意味上の重点は A B 同等で、前から後ろに順送りに訳す。)
3. 発展用法
3. AだけでなくBも、AはもちろんBも
3. (意味の重点は B にあり、前から後ろに順送りに訳す。)
どの意味になるかは、文脈で決まる。
次の記事で、A と B が完全に逆転した 3. の発展用法の実例を2つ紹介しました。
⇒ 英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その2 (A as well as B)
文脈がわかるように全文を引用したので長い記事になっていますが、参考にしてください。
では、どうしてこのような A と B の逆転現象が起こったのでしょうか (・・?
私見で (;・∀・) 仮説を立ててみます。
まず、基本用法の A(,) as well as B (B だけでなく A も) の A as well が分離して B(,) and A as well (B、それに A も) と変形されます。
それが誤用で B(,) as well as A (B も A も、B それに A も) = 2. の発展用法のように使われるようになったのではないか?、と私は思っています。
I invited Tom as well as Jerry.
私はジェリーだけでなくトムも招待した。。
↓
I invited Jerry and Tom as well.
私はジェリーとそれにトムも招待した。
↓
I invited Jerry as well as Tom.
私はジェリーもトムも[ジェリーそれにトムも]招待した。
特に、A, B, C(,) and D as well (A と B と C それに D も) のように、and の手前に複数の要素が並んでいる場合に、A, B, C(,) as well as D (A と B と C それに D も) のように使われる傾向性が高いように思われます。
I invited Tom, Jerry, Peter(,) and Sally as well
私トムとジェリーとピーターとそれにサリーも招待した。
↓
I invited Tom, Jerry, Peter(,) as well as Sally.
私トムとジェリーとピーターとそれにサリーも招待した。
さらに、A1 and A2, B, C(,) and D as well. (A1 と A2、B、C、それに D も) のように and が多重構造になっている場合は、 後方の and の代わりに as well as を使う傾向性がさらに高くなるように思われます。。
I invited Tom and his sister, Jerry and his brother, Peter(,) and Sally as well.
私はトムと彼の妹、ジェリーと彼の弟、ピーター、それにサリーも招待した。
↓
I invited Tom and his sister, Jerry and his brother, Peter(,) as well as Sally.
私はトムと彼の妹、ジェリーと彼の弟、ピーター、それにサリーも招待した。
この 2. の発展用法は、私見では、多分 1. の基本用法より多く使われているような気がします。
(あくまで、私個人の感想です。統計を取ったわけではありません。)
英語には、「文末焦点の原則」 という重要な原則があります。
簡単に言えば、「相手に伝えたい重要な情報を文末に置く」 という原則です。
[例] 太線部分が重要な情報
I'll give you my bike.
君に僕の自転車をあげよう。
I gave it to Tom, not you.
私は君じゃなくてトムにそれをあげたんだ。
A as well as B (B だけでなく Aも) のように A に重点を置く基本用法は、この 「文末焦点の原則」 に反しています。
だから、自然と 「文末焦点の原則」 に合わせる形でて A と B が逆転した 2. 3. の発展用法が生まれたのではないかと推測します。
How's your new secretary?
secretary [セクラテーリ] : 秘書
君の新しい秘書はどうだね?
Well, she's beautiful(,) as well as intelligent.
intelligent [インテラジェント] : 頭がいい
そうだね、頭がいいだけでなく美人だよ。 (基本用法)
(秘書だから頭がいいのは当然だが、それに加えて美人だよ。)
↓
(文末焦点の原則に従って、重点が置かれた beautiful が文末に移動する。)
Well, she's intelligent(,) as well as beautiful.
そうだね、頭もいいし美人だよ。(2. の発展用法)
そうだね、頭がいいだけでなく美人だよ。(3. の発展用法)
どの用法に解釈したらいいか迷いますね!
私なりのヒントを紹介しておきます。
[用法判定のヒント]
[要素が単数の場合]
A as well as B
まず最初に、2. の発展用法 の 「A も B も、A そして B も、AおよびB」 に解釈します。
both A and B とほぼ同意ですね。
ひどい場合は、both A as well as B となっている場合も見受けられますが、これはやりすぎでしょう。(-_-;)
この2. の発展用法 でほとんどの場合意味が通ります。
B に関連した話題が先に出て、 A に関連した話題が後に出てきている場合は、1. の基本用法の 「B だけでなく A も」 に解釈します。
A に関連した話題が先に出て、 B に関連した話題が後に出てきている場合は、3. の発展用法の 「A だけでなく B も」 に解釈します。
[複数の要素が前に並んでいる場合]
A, B, C(,) as well as D
A, B(,) and C(,) as well as D = {A, B(,) and C(,)} as well as D
A1 and A2, B, C(,) as well as D = (A1 and A2), B, C(,) as well as D
2. の発展用法 に解釈して、それぞれ、
「A、B、C、そして D も」
「A、B、と C、そして D も」
「A1 と A2、B、C、そして D も」
という意味になる場合が圧倒的に多いです。
as well as = and の意味になっているのです。
明らかに D に関連した話題が先に出て来ている場合は、1. の基本用法の に解釈して、「D だけでなく …も」 と後ろから訳します。
それとは反対に、A, B, C に関連した話題が先行していて、D に関する話題が後に続いている場合は、3. の発展用法 の 「… だけでなく D も」 と解釈します。
頭が混乱してきましたか?
最後の最後に、必殺 (;'∀') のまとめを作っておきます。
A as well as B
1. A も B も、A そして B も、A および B (上記の 2. の発展用法)
1. = (both) A and B
2. B だけでなく A も (上記の 1. の基本用法)
2. = not only B but also A
3. A だけでなく B も (上記の 3. の発展用法)
3. = not only A but also B
1. の意味で解釈してうまくいかない場合のみ 2. か 3. に解釈する。
as well as は意味があいまいなので、発信用の英語としては、意味がはっきりしている言い換え表現の (both) A and B not only B but also A not only A but also B を使うほうが良いと思います。
[例]
She is beautiful(,) as well as intelligent.
彼女は美しいし頭もいい。
これでだめなら ↓
彼女は頭がいいだけでなく美しい。
これでだめなら ↓
彼女は美しいだけでなく頭もよい。
As well as ~ [Ving], … . (1. の基本用法の変型)
= In addition to ~ [Ving], ….
~ [Vする] だけでなく、… である [… する]
文頭に置かれた as well as ~(名詞) / as well as Ving (動名詞) は、意味がはっきりしているので発信用英語として使えます。
[例]
As well as being intelligent, she is beautiful.
頭がいいだけでなく、彼女は美しい。
ただし、In addition to ~ [Ving] のほうが一般的な表現ですが …。
~ as well (1. の基本用法の変型)
= ~(,) too
また~も
これも、意味もはっきりしていて、しかも広く使われているので、発信用英語として是非とも覚えておきましょう。
[例]
She is intelligent(,) and beautiful as well.
彼女は頭がいいしそれにまた美しい。
She is intelligent. She is beautiful as well.
彼女は頭がいい。 彼女はまた美しい。
She is not only intelligent but beautiful as well.
彼女は頭がいいだけでなくまた美しい。
お疲れ様でした。 (^-^)
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その1(導入)
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その2(基本用法)
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