to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その9-to have Vpp [完了不定詞]
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前々々々々々々々回から、全用法の to 不定詞 [to + V] の表す「時」を点検しています。
こんなに説明が長くなるとは私も予想していませんでした。 ((+_+))
初志貫徹、最後まで全部点検を続けます。
復習のつもりで最後まで気長にお付き合いください。 (^-^)
前回は、seem to have Vpp[過去分詞] で、「完了不定詞」 を説明しました。
be thought [believed] [said] to V
Vする[している]と思われている [信じられている] [言われている]
という受身の文型でも、よく to have Vpp が使われます。
詳しい説明は、下記のリンクを参考にしてください。
⇒ be thought[believed][said] to V 型の文型-その1
⇒ be thought[believed][said] to V 型の文型-その2
⇒ be thought[believed][said] to V 型の文型-その3
ここでは、簡略に説明しておきます。
まず最初に、be thought [believed] [said] to V 型の文型は、前回説明した seem to V と同様に、to V は 「同時志向」 で 「未来志向」 ではありません。
したがって通例、to V の V には、未来の動作を表す動詞は使えません。
He is said to be a genius.
= It is said that he is a genius.
= genius [ジーニアス] : 天才
彼は天才だと言われている。
(現在天才だと現在言われている)
He was said to be a genius.
= It was said that he was a genius.
彼は天才だと言われていた。
(過去に天才だと過去に言われていた)
(was は is の時制の一致なので、和訳は現在のまま)
He is thought to like Junko.
= It is thought that he likes Junko.
彼はジュンコが好きだと思われている。
(現在ジュンコが好きだと現在思われている)
He was thought to like Junko.
= It was thought he liked Junko.
彼はジュンコが好きだと思われていた。
(過去にジュンコが好きだと過去に思われていた)
(liked は like の時制の一致なので、和訳は現在のまま)
He is believed to go there every day.
= It is believed that he goes there every day.
彼は毎日そこに行っていると信じられている。
(現在毎日そこに行っていると現在信じられている)
He was believed to go there every day.
= It was believed that he went there every day.
彼は毎日そこに行っていると信じられていた。
(過去に毎日そこに行っていると過去に信じられていた)
(went は go の時制の一致なので、和訳は現在のまま)
次に、to have Vpp は、前回説明したように、「現在完了(完了・継続・経験)」 と、「過去」 の両方の意味を表すことができます。
どちらになるかは、文脈によります。
He is said to have been a genius since he was a child.
= It is said that he has been a genius since he was a child.
彼は子供の頃から(ずっと)天才だと言われている。
(過去から現在までずっと天才であると現在言われている)
He is said to have been a genius when he was a child.
= It is said that he was a genius when he was a child.
彼は子供の頃天才だったと言われている。
(過去に天才だったと現在言われている)
He is believed to have been there before.
= It is believed that he has been there before.
= have[has] been to ~ : ~へ行ったことがある
= have [has] been there : そこへ行ったことがある (there は副詞なので to は不要)
彼は以前そこに行ったことがあると信じられている。
(現在までにそこに行った経験があると現在信じられている)
He is believed to have gone there on that day.
= It is believed that he went there on that day.
彼はその日そこに行ったと信じられている。
(過去にそこに行ったと現在信じられている)
過去に英文をスライドさせて was[were] thought[said][believed] 思われて[言われて][信じられて]いた のようにしても、to have Vpp は自動的にそのままで 「過去完了」「大過去 = 過去の過去」 にスライドします。
一方、形式主語の it を使った It was thought[said][believed] that … の場合は、時制の一致をしなければいけません。
その際、
現在完了 = have[has] Vpp → had Vpp (過去完了)
過去 → had Vpp (大過去)
のように、「現在完了」 も 「過去」 も、時制の一致をすると同じ had Vpp になってしまうことに注意しましょう。
さらに、日本語には時制の一致のルールがありませんから、和訳は元の 「現在完了」「過去」 のままです。
He was said to have been a genius since he was a child.
= It was said that he had been a genius since he was a child.
彼は子供の頃から(ずっと)天才だと言われていた。
(大過去から過去までずっと天才であると過去に言われていた)
(had been は has been の時制の一致なので、和訳は 「現在完了 = 継続」 のまま)
He was said to have been a genius when he was a child.
= It was said that he had been a genius when he was a child.
彼は子供の頃天才だったと言われていた。
(大過去に天才だったと過去に言われていた)
(had been は was の時制の一致なので、和訳は 「過去」 のまま)
He was believed to have been there before.
= It was believed that he had been there before.
彼は以前そこに行ったことがあると信じられていた。
(過去のある時までにそこに行った経験があると過去に信じられていた)
(had been は has been の時制の一致なので、和訳は 「現在完了 = 経験」 のまま)
He was believed to have gone there on that day.
= It was believed that he had gone there on that day.
彼はその日そこに行ったと信じられていた。
(大過去のその日にそこに行ったと過去に信じられていた)
(had gone は went の時制の一致なので、和訳は 「過去」 のまま)
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