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to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その1  
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その1
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
皆さん、to 不定詞 = to V[動詞の原形] が、「いつの時を表しているか?」意識したことはありますか。
「Vするために」(副詞的用法) とか 「Vするための」(形容詞的用法) とか 「Vすること」(名詞的用法) という、訳語や用法は覚えたけれど、「to V がいつの時を表しているか?」という疑問はついぞ浮かばなかった、という人が大半ではないかと思います。
今回は、「to V がどんな時を表しているか?」 という疑問を追求してみようと思います。
その際、もうすでに別のページで紹介していますが、完了不定詞 = to have Vpp[過去分詞] についても説明します。
これまで、to 不定詞 [to + V] の基本的な用法を順番に詳しく説明してきました。
もう少し続きがありますが、基本的な用法はほぼ終了しましたから、それらの用法の復習も兼ねて、目次の順に 「to + V が表す時」 を総点検していきましょう。
目次の順に、手抜きなくすべて点検していきます。
少し長い説明になるかもしれませんが、復習だと思って最後までお付き合いください。 m(__)m
⇒ to 不定詞 [to + V(動詞の原形)] の用法-導入
上記のページで、次のような基本イメージを紹介しました。
to V の基本イメージ
→ Vすることに向かって
→ Vすることに到達して
読者の中には、英語を専門に研究された方もいらっしゃるかと思うので、念のために付け加えておきます。
「Vすることに向かって」 という基本イメージは、他のサイトや参考書類にも書かれている通り、誰もが認める基本イメージだと思います。
でも、少し勉強すれば誰でも気付くことですが、「Vすることに向かって」 だけでは、to 不定詞 = to V[動詞の原形] の用法をすべて説明することはできません。
「Vすることに向かい合って」 という基本イメージですべてを説明しようという試みもあるようですから、それも検討しました。
結局、1つのイメージですべて説明するのは断念して、最終的に、2つイメージで説明することにしました。
「Vすることに到達して」 という基本イメージは、生徒に説明するために便宜上私が勝手に作成したものなので、何の学術的裏付けもありませんから、「証拠の文献を示せ」 などというコメントは控えるようにお願いします。
本題に戻ります。
to V の基本イメージ の表す「時」は、次のように考えると分かりやすいと思います。
Vすることに向かって
Vするか[したか]どうか不明 → 「述語動詞の時」 より 「未来」
Vする[した]ことを暗示 → 「述語動詞の時」 より 「未来」
Vすることに到達して
直前にVした → 「述語動詞の時」 と 「(ほぼ)同時」
今Vしている → 「述語動詞の時」 と 「同時」
結果的にVする[した] → 「述語動詞の時」 と 「(ほぼ)同時」
結果的に後でVする[した] → 「述語動詞の時」 より 「後」 = 「未来」
では、全用法を順番に点検していきましょう。
Let's get started ! (^-^)
[be to V]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-be to V の用法 その1
1. a. The President is to visit Japan next year. (予定)
1. a. 大統領は来年日本を訪問することになっている[訪問する予定だ]。
1. b. You are to come by 9 o’clock. (義務)
1. b. あなたは9時までにここに来なければならない(ことになっている)。
1. c. My car was not to be found anywhere. (可能)
1. c. 私の車はどこにも見つけられることができなかった → 見つからなかった。
1. d. He was never to see his homeland again. (運命)
1. d. 彼は二度と再び故郷を見ない運命だった。
1. e. If you are to succeed, you must try harder. (意図)
1. e. もし成功するつもりなら[成功したければ]、もっと一生懸命努力しなければいけない。
a. (予定) b. (義務) d. (運命) e. (意図) の to V は明らかに 「未来志向」 で、「述語動詞の時」 よりも 「未来」 のことを表しています。
しかし、c. (可能) の to V だけは 「未来志向」 ではありません。
「見つけられることに到達しなかった」 → 「見つからなかった」 というわけですから、「述語動詞の時」 と 「同時」 です。
[形容詞的用法]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-形容詞的(名詞限定)用法
「形容詞的用法」 の to V は、 「未来」 を表す場合が多いですが、 「同時」 を表す場合もかなりあります。
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-be to V の用法 その2
上記のリンクのページで説明したように、「形容詞的用法」 の to V には、 be to V の 「義務」 「予定」 「可能」 の意味が隠れていることがあります。
「義務」 「予定」 の意味が含まれている場合は、「未来」
「可能」 の意味が含まれている場合は、「同時」
を表していると考えられます。
例文で検証してみましょう。
2.
a. We have nothihg to eat.
a. 私達には食べるものが全くない。。
= We have nothing (that) we can eat.
と言い換えることができますから、to eat の時は 「同時」 です。
b. Do you have anything to do tonight?
b. 今晩何かすることありますか?
= Do you have anything (that) you should [have to] do tonight?
= 今晩何かすべき[しなければならない]ことがありますか。
= Do you have anything (that) you are going [planning] to do tonight?
= あなたは今晩何かする予定のことはありますか。
と言い換えることができますから、to do の時は 「未来」 です。
c. I have a lot of books to read this week.
c. 今週は読まなければならない本がたくさんあります。
= I have a lot of books (that) I should [have to] read this week.
と言い換えることができますから、to read の時は 「未来」 です。
d. There are a lot of books to read in this room.
d. この部屋には読む本がたくさんある。
= There are a lot of books in tihis room (that) you can read.
と書き換えることができますから、to read の時は c. とは違い、「同時」 です。
e. I have only a few friends to talk with.
e. 私は話す友達[話し相手をしてくれる友達]がほんの少ししかいない。
= I have only a few friends (who) I can talk with.
と書き換えることができますから、to talk with の時は 「同時」 です。
f. I have no friends to help me.
f. 私は、私を助けてくれる友達が全くいません。
= I have no friends who help me.
と書き換えることができますから、to help me の時は 「同時」 です。
g. He was the first (man) to fly in the air.
g. 彼は空を飛んだ初めての(男の)人だった。
= He was the first (man) who flew in the air.
と書き換えることができますから、to fly in the air の時は 「同時」 です。
h. Ken broke his promise to give me his bike.
h. ケンは私に彼の自転車をくれるという約束を破った。
= Ken broke his promise that he would give me his bike.
と書き換えることができますから、to give me a bike の時は 「未来」 です。
i. I had a chance to speak to her yesterday.
i. 私は昨日彼女に話しかける機会があった。
この例文は、適切な言い換え表現が見当たりませんが、明らかに 「同時」 です。
どうやら、「形容詞的用法」 は、文脈に応じて 「未来」 を表す場合と 「同時」 を表す場合の両方があるようです。
[疑問詞 + to V]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-疑問詞 to V / whether to V の用法-導入
「形容詞的用法」 と同様に、「疑問詞 + to V」 にも、 be to V の 「義務」 (時々 「予定」 「可能」) の意味が隠れていることがあります。
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-be to V の用法 その2
3.
a. I didn't know what to do.
a. 私は何をすべきか[どうしたらいいか]わからなかった。(未来)
b. I don't know who to ask.
b. 私は誰に頼むべきか「尋ねるべきか]わからない。(未来)
c. Tell me where to put this box.
c. この箱をどこに置いたらいいか教えて。(未来)
d. Ken didn't know when to start.
d. ケンはいつ出発したらいいか[いつ始めたらいいか]わからなかった。(未来)
e. Ken showed me how to eat soba.
e. ケンは私にどうやって蕎麦(そば)を食べたらいいのか見せて[教えて]くれた。
e. → ケンは私に蕎麦の食べ方を見せて[教えて]くれた。(同時)
f. The question is which car to buy.
f. 問題はどの[どちらの]車を買うか[買うべきか][買えばいいか]だ。(未来)
「未来」 を表す場合が圧倒的に多いですね。
e. だけが 「同時」 を表していると考えられますが、同じ how to V でも、次の例文は 「未来」 を表しています。
g. The problem is how to stop thier fight.
g. 問題は彼らの喧嘩をどうやって止める(べき)かだ。 (未来)
[whether to V]
⇒ whether to V
whether to V にも、be to V の 「義務」 の意味が隠れています。
4.
a. I can't decide whether to go or (to) stay.
a. 私は行くべきかとどまるべきか決めることができない。(未来)
b. I can't decide whether to go (or not).
b. = I can't decide whether (or not) to go.
b. 私は行くべきかどうか決めることができない。(未来)
c. The question was whether to receive the money (or not).
c. = The question was whether (or not) to receive the money.
c. 問題はそのお金を受け取るべきかどうかであった。 (未来)
whether to V の to V は、「未来」 を表すと考えて間違いないでしょう。
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⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
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