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It is ~ Ving (仮[形式]主語と動名詞) (中・上級向け)  
It is ~ Ving (仮[形式]主語と動名詞) (中・上級向け)
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
最初に、次のページのを読んで来てください。
⇒ 中学英語・ちょっと復習-to V (to不定詞) の用法 その5-to V [to不定詞]の名詞的用法 と Ving [動名詞]
上記の解説を読めばわかるように、仮[形式主語]を使う場合は、 It is ~ to V のほうが圧倒的にメジャーな表現で、It is ~ Ving はかなり特殊でマイナーな表現です。
こちらから英語を発信する場合は、It is ~ to V を使っておけば無難ですが、受信英語にも備えて、 It is ~ Ving も少し学習しておきましょう。
さて、どういう場合に、このマイナーな It is ~ Ving の形式が使われるでしょうか?
どうも、~ と Ving の間に相性があって、特定の ~ の場合に Ving が出現するような気がします。
その特定の ~ の中でも、次に紹介するものは定番中の定番です。
あなたが高校生・大学受験生ならば覚えておいて損はない 定番中の定番の It is ~ Ving の例文をまず最初に挙げます。
1. It is a lot of fun talking to you.
1. fun : 名詞なので very fun は不可
1. あなたとお話しするのはとても楽しいです。
2. It is no use talking to you.
2. = It is no good talking to you.
2. no use [ユース] = no good = useless [ユースレス] : 役に立たない、無駄だ
2. 君と話をしても無駄だ。
3. (It has been) Nice talking to you.
3. = (It was) Nice talking to you.
3. (別れ際に) お話できてよかったです。
次の例文も、覚えておくと便利です。
(It has been [was]) Nice meeting you.
(初めて出会って別れ際に) お会いできてよかったです。
⇒ この2つの例文に関しては、このページにも説明があります。
4. It is worthwhile talking to you.
4. = It is worth while talking to you.
4. = It is worth talking to you.
4. worthwhile = worth while [ワース(ホ)ワイル] = worth : 価値がある
4. 君と話をすることは価値がある。
4. → 君とは話のし甲斐がある。
※ wotthwhile[worth while] は、「 while (時間) をかけるだけの価値がある」 というのが本来の意味です。
上記の4つの例文は、本当によく使われています。
覚えやすいように、わざと同じ単語で例文を作りましたから、ぜひ覚えておいてください。
ちなみに、It is ~ to V を使って、
1. It is a lot of fun to talk to you.
2. It is no use to talk to you.
2. = It is no good to talk to you.
3. (It has been) Nice to talk to you.
3. = (It was) Nice to talk to you.
4. It is worthwhile to talk to you.
4. = It is worth while to talk to you.
とも言えます。
worthwhile と worth while は、to V と Ving の両方が使えますが、worth だけだと Ving しか使えません。
It is worth to talk to you. (×) は不可なので、
It is worth Ving
Vすることは価値がある
は慣用表現として覚えておく必要があります。
まとめると、
It is fun Ving.
= It is fun to V.
Vすることは楽しい。
It is no use [no good] Ving.
= It is no use [no good] to V.
Vすることは無駄だ[役に立たない]。
→ Vしても無駄だ[役に立たない]。
It has been [was] nice Ving.
= It has been [was] nice to V.
Vすることはよかった。
→ Vできてよかった。
It is worthwhile [worthwhile] Ving.
= It is worthwhile [worth while] to V.
= It is worth Ving. (to V は不可)
Vすることは価値がある。
上記の例は、特別相性が良い場合でした。
ところで、~ がどういう語句の時に Ving がよく使われるのでしょう?
Ving と相性がいい語句のリストと、例文を少し挙げておきますから参考にしてください。
[It is ~ Ving でよく使われる ~]
nice すてきな / good よい / wonderful すばらしい / great すごい / fun 楽しみ、喜び / a pleasure [プレジャ] 楽しみ、喜び / interesting 興味深い、面白い / no use = no good = useless 無駄な、無益な / convenient [コンヴィーニアント] 便利な / inconvenient [インコンヴィーニアント] 不便な / tough [タフ] つらい、大変だ / hard つらい、大変だ / foolish [フーリシュ] ばかげた / crazy [クレイズィ] ばかげた / annoying [アノイイング] 迷惑な / embarrassing [イムバラスィング] 恥ずかしい、気まずい / a nuisance [ニュースンス] 迷惑、面倒 / unthinkable [アンシンカブル] 考えられない / hard work つらい[大変な]仕事 / worthwhile = worth while = worth 価値がある / comfortable [カムファタブル] 快適な / uncomfortable [アンカムファタブル] 不快な / pleasant [プレザント] 楽しい、愉快な / unpleasant [アンプレザント] 不愉快な / enjoyable [エンジョイアブル] 楽しい / dangerous [デインジャラス] 危険な / 等
[例文]
It was a pleasure seeing you again.
また君に会えてうれしかった。
It is hard work going uphill.
坂を上るのは大変(な労力)だ。
It is convenient living dontown.
町中に住んでいるのは便利だ。
It's a nuisance having to wait.
待たなければけないのは面倒だ。
※ uphill と downtown は、場所を表す副詞で、前置詞の to や in は不要です。
もちろん、これらの語句が使われたら必ず動名詞というわけではありませんから、誤解しないようにしてください。
最初に述べたように、仮[形式主語]を使う場合は、 It is ~ to V のほうが圧倒的にメジャーな表現です。
当然、上記の例文はすべて to V を使っても言えます。
It was a pleasure to see you again.
It is hard work to go uphill.
It is convenient to live dontown.
It's a nuisance to have to wait.
では、 to V を使う場合と Ving を使う場合とでは、何か違いがあるのでしょうか?
ジーニアス英和辞典第5版になかなか大胆な(?)かなり詳しい解説が載せられていたので、ここで紹介します。
[ジーニアス英和辞典第5版から引用]
[語法]
(1) [doing は過去か進行中のこと]
doing は過去または進行中のことを指す。
It's no use [no good] worring about it.
そのことを悩んでも仕方がない。
It's been nice having you here.
来てくれてとてもよかったです。
It was embarrassing(,) not remembering her name.
彼女の名前を覚えていなくてバツの悪い思いをした。
(2) [to do か doing か]
to do と doing は交換可能なことが多いが、doing では後から思いついたことを分詞構文のように付け足すことがある。
It's nice, sitting around and talking.
楽しいですね、輪になっておしゃべりするのは。
通例コンマが前に置かれる。
また、コンマがない場合、to do と doing には次のような違いがある。
It's nice to be [being] young.
若いというのは素晴らしいことだ。
前者は想定・仮定して「若いことは」、後者は(自分たちのように)「(現実に)若いこと」ということを表す。
このままでは何を言っているのか理解し難い人もいらっしゃるでしょうから、もう少しわかりやすく説明してみましょう。
to V (to不定詞の名詞的用法) と Ving (動名詞) は、両方とも「Vすること」と和訳できます。
しかし、和訳は同じでも、イメージが違います。
to V
Vすることに向かってというイメージ
→ 未来志向が強い
Ving
実際に何かをやっているイメージ
→ 現実志向が強い
動名詞(Vすること) と 現在分詞(Vしている) は、Ving という同じ形ですから、和訳が違っても元のイメージは同じです。
It is ~ to V
(未来に)Vするとしたら(それは)~だ
It is ~ Ving
(現実に)Vしている[していた][した]のは~だ
例えば、今から上る急坂を下から見上げて、「坂を上るのは大変だ。」と言いたい時は、 It is ~ to V を使い、
It is hard work to go uphill.
急坂を上っている最中に、 「坂を上るのは大変だ。」と言いたい時は、It is ~ Ving を使って、
It is hard work going uphill.
と言います。
和訳は同じでも、イメージが随分と違うのがわかりますね。
もう1例追加します。
今現実に町中に住んでいる人なら、
It is convenient living dontown.
町中に住む[住んでいる]のは便利だよ。
と、 It is ~ Ving を使うほうが適切で、
田舎に住んでいる友人にアドバイスする場合は、
It would be more convenient to live dontown.
町中に住む[住んだ]方が便利だよ。
と、It is ~ to V を使うのが適切です。
念のために言っておきますが、一般のネイティブスピーカー[英語が母語の一般の人]が、どこまで厳密に上記のような区別をしているかは、私には調べようもありません。
日本人の私達としては、英文を書く場合は上記のように区別できることを目標にして、話す場合はどちらでもよいから思い切って素早く発信することを目標にして、練習すればよいと思います。
口語英語では動名詞の直前にポーズを入れて、
It is ~, Ving.
(ほら)~ですね、Vすることは。
という言い方をよくします。
ジーニアス英和辞典は、「後から思いついたことを分詞構文のように付け足すことがある」と解説していますね。
先ほども述べたように、「動名詞」と「現在分詞」のイメージは共通していますから、 It is ~, Ving の Ving を、動名詞ではなく現在分詞だと解釈することも可能だと思います。
分詞構文に解釈するのではなくて次のような解釈も可能です。
She is so cute, your daughter is.
とてもかわいいですね、あなたの娘さんは。
のような英文と同じで、元は、
It is nice, sitting around and talking (is).
楽しいですね、輪になっておしゃべりするのは。
の、文末の is が省略されたと考えることも可能です。
動名詞の前にコンマを入れると、動名詞とは比較的相性が悪い語句とも一緒に使うことができます。
実際にカメラの使い方を見せながら、
It's easy, using this digital camera.
ほら、簡単だよ、このデジタルカメラを使うのは。
英語を話す時は、証拠が残りません (;´・ω・) から、思い切って、 It is ~, Ving を使ってみるのもいいかもしれません。
では最後に、最初に挙げた「定番中の定番」の例文だけでも覚えてしまいましょう。
1. あなたとお話しするのはとても楽しいです。
2. 君と話をしても無駄だ。
3. (別れ際に) お話できてよかったです。
4. 君と話をすることは価値がある。
4. → 君とは話のし甲斐がある。
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1. It is a lot of fun talking to you.
2. It is no use talking to you.
2. = It is no good talking to you.
3. (It has been) Nice talking to you.
3. = (It was) Nice talking to you.
4. It is worthwhile talking to you.
4. = It is worth while talking to you.
4. = It is worth talking to you.
お疲れ様でした。 m(__)m
次回-動詞 + to V / 動詞 + Ving の文型-序文
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