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to 不定詞 [to V] の用法-too ~ to V  
to 不定詞 [to V] の用法-too ~ to V
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
too ~ to V
この構文は、中学の学習範囲ですから、「中学英語・ちょっと復習」でもうすでに解説しました。
中学英語が抜けてしまっている人でもわかるように解説したつもりです。
初めての方は、必ず次のページの解説を読んでください。
⇒ 中学英語・ちょっと復習-「too ~ to V」 の構文
少し手直しをしましたので、一度読まれた方も復習も兼ねて再読をお願いします。
では、中・上級者向けに、例文をもう少し増やして、もっと詳しく説明しましょう。
too ~ (for A) to V
[直訳] (Aが)Vするにはあまりにも~すぎる
[意訳] あまりにも~すぎて(Aは)Vできない
[意訳] とても~なので(Aは)Vできない
~には、形容詞・副詞が入ります。
too の品詞は副詞です。
to V は too の程度=どれくらい~すぎるかを表す副詞的用法の不定詞ですが、慣用的な構文として覚えておくほうがよいでしょう。
to V の動作主=to V の意味上の主語が、文の主語と違う場合は、for A が to V の前に置かれていることもあります。
中学英語・ちょっと復習で紹介した例文に、もう少し例文を追加します。
1. I am too old to climb Mt. Fuji.
2. She is too young to get married.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 私は富士山に登るには(あまりにも)年を取りすぎている。
1. → 私は(あまりにも)年を取りすぎていて富士山には昇れない。
1. → 私はとても年を取っているので富士山には登れない。
2. 彼女は結婚するには(あまりにも)若すぎる。
1. → 彼女は(あまりにも)若すぎて結婚することはできない。
1. → 彼女はとても若いので結婚することはできない。
1. と 2. の文は、to V の動作主=to V の意味上の主語が、文の主語と一致していますね。
to climb Mt. Fuji (富士山に登る) は I (私) ですし、to get married (結婚する) は She (彼女) です。
3. a. It is too cold to go out for a walk.
3. b. It is too cold for my grandfather to go out for a walk.
3. b go out for a walk : 散歩に出かける
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. a. 散歩に出かけるには(あまりにも)寒すぎる。
3. a. → (あまりにも)寒すぎて散歩に出かけることができない。
3. a. → とでも寒いので散歩に出かけることができない。
3. b. 祖父が散歩に出かけるには(あまりにも)寒すぎる。
3. b. → (あまりにも)寒すぎて祖父は散歩に出かけることができない。
3. b. → とても寒いので祖父は散歩に出かけることができない。
3. a. の文は、to V の動作主=to V の意味上の主語が、文の主語と一致していませんね。
文の主語は気温をあらわす It = The temperature [テムパラチャー] で、to V の動作主=to V の意味上の主語は、伏せれれて=省略されています。
3. b. も、、to V の動作主=to V の意味上の主語が、文の主語と一致していないのは同じですが、 to V の動作主=to V の意味上の主語が for my grandfather で明示されています。
4. a. This room is too small to live in .
4. b. This room is too small for us to live in (it).
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4. a. この部屋は住むには(あまりにも)小さ[狭]すぎる。
4. a. → この部屋は(あまりにも)小さ[狭]すぎて住めない。
4. a. → この部屋はとても小さ[狭]いので住めない。
4. b. この部屋は私達が住むには(あまりにも)小さ[狭]すぎる。
4. b. → この部屋は(あまりにも)小さ[狭]すぎて私達は住めない。
4. b. → この部屋はとても小さ[狭]いので私達は住めない。
4. a. の文も、to V の動作主=to V の意味上の主語が、文の主語と一致していませんね。
文の主語は、 This room (この部屋) で、to live in (住む) の意味上の主語は、伏せれれて=省略されています。
さらに、 live in this house (この部屋に住む) の this house が分離して主語になっています。
This house is too small to live in it. のように、in の後に、分離した主語の代名詞 it を置いては絶対にいけません。
一方、4. b. のように、to V の前に意味上の主語が置かれている場合は、in の後に 分離した主語の代名詞の it が置かれていることも時々あります。
5. a. Ken ran too fast to keep up with.
5. b. Ken ran too fast for me to keep up with (him).
5. b. keep up with ~ : ~に付いていく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.a. ケンは付いて行くには(あまりにも)速く歩きすぎた。
5. a → ケンは(あまりにも)速く歩きすぎて付いて行くことができなかった。
5. a → ケンはとても速く歩いたので付いて行くことができなかった。
5. b. ケンは私が付いて行くには(あまりに)も速く歩きすぎた。
5. b. → ケンは(あまりにも)速く歩きすぎて私は付いて行くことができなかった。
5. b. → ケンはとても速く歩いたので私は付いて行くことができなかった。
5. a. の文も、to V の動作主=to V の意味上の主語が、文の主語と一致していませんね。
文の主語は、 Ken (ケン) で、to keep up with (付いて行く) の意味上の主語は、伏せれれて=省略されています。
さらに、 keep up with Ken (ケンに付いて行く) の Ken が分離して主語になっています。
この場合も、先ほどと同じように、 Ken ran too fast to keep up with him. のように、with の後に、分離した主語の代名詞 him を置いては絶対にいけません。
一方、5. b. のように、to V の前に意味上の主語が置かれている場合は、with の後に 分離した主語の代名詞の him が置かれている場合もよくあります。
※ この例文のように ~ が副詞の場合は、4. b. や 6. b. の形容詞の場合より、主語の代名詞が置かれている場合が多いようです。
6. a. This book is too difficult to understand.
6. b. This book is too difficult for me to understand (it).
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6. a. この本は理解するには(あまりにも)難しすぎます。
6. a. → この本は(あまりにも)難しすぎて理解できない。
6. a. → この本はとても難しいので理解できない。
6. b. この本は私が理解するには(あまりにも)難しすぎます。
6. b. → この本は(あまりにも)難しすぎて私には理解できない。
6. b. → この本はとても難しいので私は理解できない。
6. a. の文も、to V の動作主=to V の意味上の主語が、文の主語と一致していませんね。
文の主語は、 This book (この本) で、to understand (理解する) の意味上の主語は、伏せれれて=省略されています。
さらに、 read this book (この本を読む) の this book が分離して主語になっています。
この場合も、先ほどと同じように、 This book is too difficult to read it. のように、read の後に、分離した主語の代名詞 it を置いては絶対にいけません。
一方、6. b. のように、to V の前に意味上の主語が置かれている場合は、read の後に 分離した主語の代名詞の it が置かれている場合も時々あります。
最後に、否定文の例です。
7. I am not too old to climb Mt Fuji.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7. 私は富士山に登るにはあまりにも年を取りすぎている、ということはない。
7. → 私はあまりにも年を取りすぎて富士山に登れない、ということはない。
7. → 私は富士山に登れないほど年はとっていない。
7. → 私はとても年を取っているので富士山に登れないということはない。
7. → 私はそれほど年を取っていないので富士山に登れる。
上記の例文を、
so ~ (that) …文…
とても~なので……だ
の構文で書き換えておきます。
1. I am so old (that) I can't climb Mt. Fuji.
2. She is so young (that) she can't get married.
3. b. It is so cold (that) my grandfather can't go out for a walk.
4. b. This room is so small (that) we can't live in it.
5. b. Ken ran so fast (that) I couldn't catch up with him.
6. b. This book is so difficult (that) I can't understand it.
7. I am not so old (that) I can't climb Mt Fuji.
《補講》
上記の例文の too を取り除いてみましょう。
1. I am old to climb Mt. Fuji. (×)
2. She is young to get married. (×)
3. a. It is cold to go out for a walk. (×)
3. b. It is cold for my grandfather to go out for a walk. (×)
4. a. This room is small to live in . (×)
4. b. This room is small for us to live in (it). (×)
5. a. Ken ran fast to keep up with. (×)
5. b Ken ran fast for me to keep up with (him). (×)
6. a. This book is difficult to understand. (○)
6. b. This book is difficult for me to understand. (○)
7. I am not old to climb Mt Fuji. (×)
1. ~ 5. と 7. は非文になりましたが、6. だけはまだ英文として成立しています。
ということは、1. ~ 5. と 7. は、純粋な too ~ to V の構文で、too が消えると英文として成立しなくなるのに対して、6. は単なる too ~ to V の構文ではないということになります。
6. a. This book is difficult to understand.
6. b. This book is difficult for me to understand.
これらの英文は、すでに学習した「副詞的用法-形容詞限定」です。
⇒ 中学英語・ちょっと復習-副詞的用法-形容詞限定
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-形容詞限定 その1
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-形容詞限定 その2
形容詞限定用法の重要ルールは、
to V [to 不定詞] 中の、本来は目的語が必要な他動詞が、目的語を持たない。
→ to V [to 不定詞] 中の他動詞の目的語が分離して主語になる。
to V [to 不定詞] 中の、本来は目的語が必要な前置詞が、目的語を持たない。
→ to V [to 不定詞] 中の前置詞の目的語が分離して主語になる。
ということでした。
上記の例文も含めて、3つ例文を抜粋します。
1. This book is difficult to understand.
2. This river is dangerous to swim in.
3. This box is heavy to carry.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. この本は理解するのが難しい。
2. この川は泳ぐと危険だ。
3. この箱は運ぶには重い。
read this book の this book が
swim in this river の this river が
carry this box の this box が
分離して主語になっているのがわかりますね。
この英文に too (あまりに~すぎる) を加えます。
1. This book is too difficult to understand.
2. This river is too dangerous to swim in.
3. This box is too heavy to carry.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. この本は理解するには(あまりにも)難しすぎる。
1. → この本は(あまりにも)難しすぎて理解できない。
2. この川は泳ぐには(あまりにも)危険すぎる。
2. → この川は(あまりにも)危険すぎて泳ぐことができない。
3. この箱は運ぶには(あまりにも)重すぎる。
3. → この箱は(あまりにも)重すぎて運ぶことができない。
形容詞限定用法の英文が、too ~ to V の構文と合体しましたね。
これにさらに for A を to V の前に加えます。
1. This book is too difficult for me to understand.
2. This river is too dangerous for children to swim in.
3. This box is too heavy for you to carry.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. この本は私が理解するには(あまりにも)難しすぎる。
1. この本は理解するには私にとって(あまりにも)難しすぎる。
1. → この本は(あまりにも)難しすぎて私は理解できない。
2. この川は子供が泳ぐには(あまりにも)危険すぎる。
2. この川は泳ぐには子供にとって(あまりにも)危険すぎる。
2. → この川は(あまりにも)危険すぎて子供は泳ぐことができない。
3. この箱は君が運ぶには(あまりにも)重すぎる。
3. この箱は運ぶには君にとって(あまりにも)重すぎる。
3. → この箱は(あまりにも)重すぎて君には運ぶことができない。
so ~ (that) … (とても~なので…だ) の構文で書き換えると
1. This book is so difficult (that) I can't understand it.
2. This river is so dangerous (that) children cannot swim in it.
3. This box is so heavy (that) you can't carry it.
(that) … は完全な文でなければいけないので、他動詞・前置詞の目的語が必要=主語を代名詞にして目的語の位置に入れます。
ところで、形容詞限定用法の重要ルールに反して、「他動詞や前置詞の目的語=主語を代名詞化したもの」が文末の他動詞や前置詞の後に付いている場合があります。
1. This book is too difficult for me to understand (it).
2. This river is too dangerous for children to swim in (it).
3. This box is too heavy for you to carry (it).
for A がない場合は、形容詞限定用法のルールを守って、
1. This book is too difficult to understand.
2. This river is too dangerous to swim in.
3. This box is too heavy to carry.
のように、必ず文末の他動詞や前置詞の目的語が消えます。
なぜ for A が加わった場合に、文末に他動詞や前置詞の目的語が無い場合とある場合があるのでしょうか?
これは、次のように考えるとわかりやすいかと思われます。
for me / for children / for you がそれぞれ too difficult / too dangerours / too heavy を修飾していると考えてみましょう。
1. This book is too difficult for me / to understand.
2. This river is too dangerous for children / to swim in.
3. This box is too heavy for you / to carry.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. この本は理解するには私にとって難しすぎる。
2. この川は泳ぐには子供にとって危険すぎる。
3. この箱は運ぶには君にとって重すぎる。
これらの文は、次のように書き換えることができます。
1. For me, this book is too difficult to understand.
2. For children, this river is too dangerous to swim in.
3. For you, this box is too heavy to carry.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 私にとって、この本は理解するには難しすぎる。
2. 子供にとって、この川は泳ぐには危険すぎる。
3. 君には、この箱は運ぶには重すぎる。
この場合は、形容詞限定用法のルールに従って、必ず他動詞・前置詞の目的語が消えます。
次に、for A が、 to V の方に付いていると考えてみましょう。
すると、for A to V が文相当語句になり、他動詞や前置詞の目的語がないと不自然に感じられ、主語を代名詞にして他動詞や前置詞の後に置くことがあります。
1. This book is too difficult / for me to understand (it).
2. This river is too dangerous / for children to swim in (it).
3. This box is too heavy / for you to carry (it).
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. この本は私が(それを)読むには難しすぎる。
2. この川は子供が(そこで)泳ぐには危険すぎる。
3. この箱は君が(それを)運ぶには重すぎる。
元は形容詞限定用法の英文でも、too ~ for A to V の構文と合体すると、to V 内の他動詞や前置詞の後に、主語を代名詞にしたものが置かれている場合もある。ということも覚えておきましょう。
そしてこのルールは、too ~ for A to V の、4. b. や 5. b. のような文にも適用できるということも覚えておきましょう。
4. b. This room is too small for us to live in (it).
5. b. Ken ran too fast for me to keep up with (him).
もちろん、この2例は形容詞限定用法ではありませんから、too がなければ非文になります。
お疲れ様でした。 (^-^)
暗誦例文は、別ページにアップします。
⇒ too ~ to V の暗誦例文
次回-to 不定詞 [to V] の用法-~ enough to V その1
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