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to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-結果 
to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-結果
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次の文を見てみましょう。
I stopped my car to make a phone call.
make a phone call [フォゥン] : 電話をする、電話をかける
to V の基本イメージから考えると、
私は電話をかけることに向かって車を止めた。
となりますから、通常は、副詞的用法の目的に解釈して次のように和訳します。
「私は電話をかけるために車を止めた。」
この和訳だと、車を止めた後に実際に電話をかけたかどうかわかりません。
ところが、実際に電話をかけたことが分かっている場合、次のように和訳することがあります。
「私は車を止めて電話をかけた。」
これは、
私は電話をかけるという結果に向かって車を止めた。
→ 私は車を止めて(その結果)電話をかけるという行為に到達した。
→ 私は車を止めて(その結果)電話をかけた。
と解釈しているのです。
この用法を、副詞的用法の結果と呼びます。
この用法は文語なので、通常は次のように言うほうがいいと思います。
I stopped a car and made a phone call.
では、次の文を見てみましょう。
He grew up to be a great scientist.
grow up : 成長する、大きくなる
to be = to become
scientist [サイエンティスト] : 科学者
この場合も、to V の基本イメージは
彼は偉大な科学者になることに向かって成長した。
です。
けれども、目的に解釈して、
「彼は偉大な科学者になるために成長した。」
と訳すと、ちょっと変な和訳になりますね。
ここは素直に
彼は偉大な科学者になるという結果に向かって成長した
→ 彼は成長して(その結果)偉大な科学者になることに到達した。
→ 彼は成長して(その結果)偉大な科学者になった。
と、結果に解釈して、
「彼は成長して偉大な科学者になった。」
と訳すのが正解でしょう。
または、もっと意訳して、
「彼は偉大な科学者に成長した。」
と訳しても構わないと思います。
もっともこれも文語なので、口語では
He grew up and became a great scientist.
彼は成長して偉大な科学者になった。
または、
He grew up into a great scientist.
grow up into ~ : ~に成長する、成長して~になる
彼は偉大な科学者に成長した。
と言うほうがいいでしょう。
それでは、目的・結果の両方ではなく、結果にしか解釈できない例文をいくつか紹介しておきます。
1. I woke up one morning to find myself famous.
1. wake up : 目を覚ます wake ウェイク woke ウォゥク woken ウォゥクン
2. He lived to be 100 years old.
3. I ran to the station(,) only to miss the last train.
3. miss a train : 電車に乗り遅れる
4. She disappeared one day(,) never to come back again.
4. disappear [ディサピアー] : 姿を消す、消える
これらの例文も、to V の基本イメージで解釈すると、それぞれ
1. 私は自分が有名になっているのを発見することに向かってある朝目を覚ました。
2. 彼は100才になることに向かって生きた。
3. 私は最終電車に乗り遅れることだけに向かって駅まで走って行った。
4. 彼女は決して二度と帰って来ないことに向かって姿を消した。
になります。
すべて未来志向であることは間違いないのですが、どう考えても目的には解釈できませんね。
Vするという結果に向かって~する
→ ~して(その結果)Vすることに到達する
→ ~して(その結果)Vする
と、結果に解釈して、次のように訳すのが妥当です。
1. I woke up one morning to find myself famous.
1. 私はある朝目を覚ますと(その結果)自分が有名になっているのがわかった。
1. → 私はある朝目を覚ますと有名になっていた。
2. He lived to be 100 years old.
2. 彼は生きて(その結果)100才になった。
2. → 彼は100才まで生きた。
3. I ran to the station(,) only to miss the last train.
3. 私は駅まで走って行ったが(その結果)最終電車に乗り遅れただけだった。
3. → 私は駅まで走って行ったが結局最終電車に乗り遅れた。
4. She disappeared one day(,) never to come back again.
4. 彼女はある日姿を消して(その結果)決して二度と帰って来なかった。
※ only to V と never to V は、コンマで区切られていることがあります。
結果用法は文語です。
上記の例文を口語英語で書き換えておきますから、参考にしてください。
1. I woke up one morning to find myself famous.
1. = I woke up one morning and found myself famous.
1. = When I woke up one morning, I found myself famous.
2. He lived to be 100 years old.
2. = He lived until[till] (he was) 100 years old.
2. = He lived to[until][till] the age of 100 (years old).
3. I ran to the station(,) only to miss the last train.
3. = I ran to the station, but (I) only missed the last train.
3. = I ran to the station, but (I) missed the last train after all.
3. after all : (予想に反して)結局は
4. She disappeared one day(,) never to come back again.
4. = She disappeared one day and never came back again.
たとえ文語でも、例文を覚えていなければ、実戦では役に立ちません。
というわけで、いつも通り、例文を暗誦しましょう。
1. 彼は成長して偉大な科学者になった。
2. 私はある朝目を覚ますと有名になっていた。
2. → 自分が有名になっているのがわかった
3. 彼は100才まで生きた。
3. → 生きて100才になった。
4. 私は駅まで走って行ったが結局最終電車に乗り遅れた。
4. → 最終電車に乗り遅れただけだった。
5. 彼女はある日姿を消して決して二度と帰って来なかった。
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1. He grew up to be a great scientist.
2. I woke up one morning to find myself famous.
3. He lived to be 100 years old.
4. I ran to the station(,) only to miss the last train.
5. She disappeared one day(,) never to come back again.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[口語英語で書き換え]
1. He grew up and became a great scientist.
1. He grew up into a great scientist.
2. I woke up one morning and found myself famous.
2. When I woke up one morning, I found myself famous.
3. He lived until[till] (he was) 100 years old.
3. He lived to[until][till] the age of 100 (years old).
4. I ran to the station, but (I) only missed the last train.
4. I ran to the station, but (I) missed the last train after all.
5. She disappeared one day and never came back again.
《補講》
only to V は時々「ただVするためだけに」という意味で、目的用法にも使われるので注意しましょう。
Mr. Gold lives only to make money.
ゴールド氏はただ金を儲けるためだけに生きている。
一番最初に挙げた例文と同じように、目的と結果のどちらにも解釈できる文もあります。
I went to Tokyo only to do some shopping in Akihabara.
私は秋葉原で買い物をするためだけに東京へ行った。(目的)
私は東京へ行ったが、結局、秋葉原で買い物をしただけだった。(結果)
I went to Tokyo, only to …
のように、コンマがあれば通常は結果に解釈します。
never to V が目的用法で使われるのは、be careful や take care の後ぐらいでしょう。
⇒ 消極的目的(否定の目的)
Be careful never to break it.
Take care never to break it.
決して[絶対]それを割らない[壊さない]ように注意しなさい。
お疲れ様。 (^-^)
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