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分詞の副詞的用法[分詞構文]-その9-慣用表現(1) 
分詞の副詞的用法[分詞構文]-その9-慣用表現(1)
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まずは復習しましょう。
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その1 (入門・初級向け)
⇒ (口語英語で使われる用法だけの解説)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その2
⇒ (基本用法-意味別による解説)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その3
⇒ (基本用法-分詞の位置別による解説)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その4
⇒ (基本用法-暗誦例文のまとめ)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その5
⇒ (基本用法-練習問題)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その6
⇒ (完了分詞)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その7
⇒ (否定)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その8
⇒ (意味上の主語が付いている場合=独立分詞構文)
以前、「分詞の副詞的用法[分詞構文]-その2-基本用法・意味別解説」で、
「条件(~すれば)」「譲歩(~だけれども)」は、決まり切った慣用句以外はきわめてまれなので割愛します。
と解説したのを覚えていますか?
慣用表現になると、なぜか「条件(~すれば)」が数多く登場します。
でも、「譲歩(~だけれども)」の慣用表現は、やはりまれですね。
前回の意味上の主語が付いている分詞の副詞的用法=独立分詞構文で4つ慣用句を紹介しました。
1. all things considered-あらゆることを考慮すると[← が考慮されると]
2. weather permitting-天気が許せば[よければ]
3. other things being equal-他の事柄[条件]が同じなら
4. such[that][this] being the case-そういう[こういう]事情[訳]だから
分詞の副詞的用法[分詞構文]は、接続詞があるわけではないのであいまいですが、一応、1. は「先行動作的条件」、2. と 3. は明らかに「条件」、4. は「理由・動機」になります。
今回は、意味上の主語の付いていない普通の分詞の副詞的用法[分詞構文]の慣用表現を紹介します。
この場合も、あいまいではありますが、「条件」っぽい(?)表現がかなり多く登場します。 (^.^)
[1] ~ly speaking
[1] ~的に言えば
この慣用句は、たくさんありますが、よく使われているものを挙げると、
generally speaking - 一般的に言えば
strictly speaking - 厳密に言えば
roughly speaking - おおざっぱに言えば [ラフリー]
simply speaking - 簡単に言えば
frankly speaking - 率直に言えば
historically speaking - 歴史的に言えば
Generally speaking, women live longer than men.
一般的に言えば、女性の方が男性より長生きする。
Frankly speaking, I don't like him.
率直に言えば、私は彼が好きでない。
speaking を省略して、
Generally, women live longer than men.
Frankly, I don't like him.
とも言えます。
[2] ~ly put
[2] ~的に言えば[← ~的に言われれば]
この put は「言う、述べる」という意味で、過去分詞=受け身です。
~ly speaking ほど一般的ではありませんが、時々出て来るので覚えておきましょう。
simply put - 簡単に言えば[←言われれば]
roughly put - おおざっぱに言えば[←言われれば]
honestly put - 正直に言えば[←言われれば] [オネストリー]
shortly put - 手短に言えば[←言われれば]
~ly が put の後ろに置かれて
put simply / put roughly / put honestly / put shortly
のような形を取ることもあります。
Simply put, it's a difference of opinion.
簡単に言えば、それは意見の相違だ。
この慣用句は、to不定詞を使って to put it ~ly という方が一般的です。
To put it simply, it's a difference of opinion.
[3] judging from[by] ~
[3] ~から判断すれば
原形は judge [ジャジ] です。
Judging from[by] his accent, he must be Australian.
訛り[なまり]から判断すれば、彼はオーストラリア人に違いない。
[4] compared with[to] ~
[4] ~と比較すると[← 比較されると]
compared が過去分詞で本来は受け身の意味であることを忘れないようにしましょう。
Compared with[to]Tom, Jerry is much smarter.
Jerry is much smarter campared with[to] Tom.
トムと比較すると[← されると]、ジェリーの方がずっと頭がいい。
as compared with[to] ~ と言うこともあります。
合わせて覚えておきましょう。
[5] depending on ~
[5] ~によって(は)、~次第で、~に応じて
Prices change depending on the season.
価格は季節によって変わります。
ちなみに、この慣用句の元の表現は、
depend on ~ : ~に依る、~次第だ、~によって決まる
Prices depend on the season.
価格は季節に依ります。
です。
[6] speaking of ~ = talking of ~
[6] ~と言えば
Speaking[Talking] of fruits, I like grapes very much.
フルーツと言えば、私はブドウが大好きです。
of は たまに about のこともありますが、意味は同じです。
[7] provided (that) … = providing (that) …
[7] … という条件で、もし … ならば
過去分詞の provided 、現在分詞の provinding のどちらでも構いません。
なぜこんな意味になるか不思議に思う人もいるかと思います。
provide [プロヴァイド] は give の類義語です。
直訳を付けると、それぞれ
… ということ[条件]が与えられたら
… ということ[条件]を与えたら[与えてくれたら]
という意味になります。
I'll go(,) provided[providing] (that) the weather is clear.
= Provided[Providing] (that) the weather is clear, I'll go.
clear : (雲が無くて)晴れの
天気が晴れれば[よければ]行きます。
直訳すると
天気が晴れということ[条件]が与えられたら、私は行きます。
天気が晴れということ[条件]を与えてくれたら、私は行きます。
となります。
ちなみに、provided / providing は共に辞書では接続詞相当語句として扱われています。
条件を後に付け足す場合が結構多いです。
「行きますよ。天気が晴れたら(という条件が与えられたら)ね。」というイメージです。
各種試験では provided の方が圧倒的に出題率が高いので、しっかり覚えておきましょう。
[8] given (that) …(文)
[8] … ということを考慮すると
[8] … だと仮定すると、もし … なら
[8] given ~(名詞)
[8] ~ を考慮すると
[8] ~ があると仮定すると、もし ~ があれば
provided / providing とは違い、過去分詞の given だけです。
現在分詞の giving は使われないのでご注意を!
辞書では、 given (that) … は接続詞相当語句、 given ~ は前置詞相当語句として扱われています。
ちょっとこじつけっぽいかも知れませんが、覚えやすいように直訳すると、
given (that) …
… という考慮が与えられたら
→ … ということを考慮すると
… という条件が与えられたら
→ … だと仮定すると、もし … なら
given ~
~ という考慮が与えられたら
→ ~ を考慮すると
~ という条件が与えられたら
→ ~ があると仮定すると、もし ~ があれば
Given (that) she is old[young], she is doing well.
年を取っていること[若いこと]を考慮すると、彼女はよくやっている。
Given her age, she is doing well.
年齢を考慮すると、彼女はよくやっている。
Given (that) you are in good health, you can do anything.
もし健康であれば、何でもすることができる。
Given good health, you can do anything.
もし健康であれば、何でもすることができる。
考慮と仮定、どちらに解釈するかは文脈によります。
[9] supposing (that) …
[9] … だと仮定すれば、もし … ならば
suppose ~ [サポゥズ] は、「~を仮定する、想像する」という意味の動詞なので、この表現は理解しやすいですね。
ただし、過去分詞の supposed は使えませんので注意してください。
Supposing (that) you won a lottery, what would you buy?
lottery [ロタリ] : 宝くじ
もし宝くじが当たったら、君は何を買うでしょうか。
命令文を使った、
Suppose (that) you won a lottery, what would you do?
宝くじに当たったと想像[仮定]してごらんなさい、君は何を買うでしょうかね。
→ もし宝くじに当たったら、君はなのを買うでしょうか。
もよく使われています。
こちらの方が口語的です。
辞書では、supposing (that) … / suppose (that) … 共に、接続詞相当語句として扱われています。
[10] assuming (that) …
[10] … だと仮定すれば、もし … ならば
assume ~ [アシューム] も、suppose と似ていて、「~を仮定する、想定する、憶測する」という意味の動詞なので、理解しやすいですね。
これも、過去分詞の assumed は使えませんので注意してください。
Assuming (that) the rumor is true, what should we do?
rumor [ルーマー] : うわさ
もしそのうわさが本当なら、どうしましょう。
命令文を使った、
Assume (that) the rumor is true, what should we do?
そのうわさが本当だと想定[仮定]してごらんなさい、私達はどうすればいいでしょう。
→ もしそのうわさが本当なら、どうしましょう。
も使われます。
辞書では、assuming (that) … / assume (that) … 共に、接続詞相当語句として扱われています。
[11] granted (that) … (文) = granting (that) … (文)
[11] … であるのは認めるが、たとえ … だとしても
[11] granted ~ (名詞) = granting ~ (名詞)
[11] ~は認めるが
provide の場合と同様、過去分詞の granteded 、現在分詞の grantinging のどちらでも構いません。
grant ~ [グラント] の原義は「~を認める」です。
直訳を付けると、それぞれ
… であることは認められるが / … であることは認めるが
~ は認められるが / ~ は認めるが
という意味になります。
Granted[Granting] (that) she is beautiful, I still don't like her.
彼女が美しいのは認めるが、それでも私は彼女が好きでない。
Granted[Granting] her beauty, I still don't like her.
彼女の美しさは認めるが、それでも私は彼女が好きでない。
辞書では、granted[granting] (that) … は接続詞相当語句、granted[granting] ~ は前置詞相当語句として扱われているようです。
類似表現に、
admitting (that) … : … であるのは認めるが
admitting ~ : ~ は認めるが
というのもありますが、あまり辞書に慣用句として載せられていないので、紹介だけに留めておきます。
[12] considering (that) … (文)
[12] … であることを考慮すると[考えると]、… である割には
[12] considering ~ (名詞)
[12] ~ を考慮すると[考えると]、~ の割には
前出の [8] の given (that) … / given ~ によく似ていますね。
でも、given と違って、過去分詞の considered は使われません。
Considering (that) she is old[young], she is doing well.
She is doing well, considering (that) she is old[young].
年を取っている[若い]ことを考えると、彼女はよくやっている。
年を取っている[若い]割には、彼女はよくやっている。
Considering her age, she is doing well.
She is doing well considering her age.
年を考えると彼女はよくやっている。
年の割には彼女はよくやっている。
辞書では、considering (that) … は接続詞相当語句、considering ~ は前置詞相当語句として扱われています。
[7] ~ [12] まで、似たような意味・用法が続きました。
● 現在分詞・過去分詞の両方
● 現在分詞だけ
● 過去分詞だけ
の3つのパターンと
● 接続詞相当語句
● 前置詞相当語句
の2つのパターンがあり、頭が混乱してきたのではないでしょうか?
最終的には、一つ一つ例文をインプットして慣れるしかありませんが、参考までにここにちょっと一覧表を作っておきます。
現在分詞・過去分詞の両方
[7] provided (that) … = providing (that) … (接)
[7] … という条件で、もし … ならば
[11] granted (that) … = granting (that) … (接)
[11] … であることは認めるが、たとえ … だとしても
[11] granted ~ = granting ~ (前)
[11] ~は認めるが
現在分詞だけ
[9] supposing (that) … (接)
[9] … だと仮定すれば、もし … ならば
[9] = suppose (that) …
[10] assuming (that) … (接)
[10] … だと仮定すれば、もし … ならば
[10]= assume (that) …
[12] considering (that) … (接)
[12] … であることを考慮すると[考えると]、… である割には
[12] considering ~ (前)
[12] ~ を考慮すると[考えると]、~ の割には
過去分詞だけ
[8] given (that) … (接)
[8] … ということを考慮すると
[8] … だと仮定すると、もし … なら
[8] given ~ (前)
[8] ~ を考慮すると
[8] ~ があると仮定すると、もし ~ があれば
ちょっと記事が長すぎて、エディターが重くなってきました。
残りは次のページに回します。 (・_・;)
次回-分詞の副詞的用法[分詞構文]-その10-慣用表現(2)
分詞の副詞的用法[分詞構文]-目次
その1-口語英語で使われる用法だけの解説 (入門・初級向け)
その2-基本用法-意味別による解説
その3-基本用法-分詞の位置別による解説
その4-基本用法-暗誦例文のまとめ
その5-基本用法-練習問題
その6-完了分詞
その7-否定
その8-意味上の主語が付いている場合=独立分詞構文
その9-慣用表現(1)
その10-慣用表現(2)
その11-慣用表現のまとめ(暗誦例文)
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