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分詞の副詞的用法[分詞構文]-その6-完了分詞 
分詞の副詞的用法[分詞構文]-その6-完了分詞
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まずは復習しましょう。
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その1 (入門・初級向け)
⇒ (口語英語で使われる用法だけの解説)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その2
⇒ (基本用法-意味別による解説)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その3
⇒ (基本用法-分詞の位置別による解説)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その4
⇒ (基本用法-暗誦例文のまとめ)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その5
⇒ (基本用法-練習問題)
今回は前回の練習問題風に解説していきます。
次の[副]・[主]の2文を、分詞の副詞的用法[分詞構文]を使って一文にしてみましょう。
1. I have already finished all my homework. [副]
1. (私はもうすでに宿題を全部終わらせた。)
1. I have nothing to do. [主]
1. (私は何もすることがない。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[主]の文は現在で、[副]の文の動作は現時点でもうすでに完了しています[現在完了]。
そいうう場合は、 having Vpp[過去分詞] を使って、
Having already finished all my homework, I have nothing to do.
(もうすでに宿題を全部終わらせて[たので]、することが何もない。
先行動作 / 理由・動機
この having Vpp を「完了分詞」と呼びます。
《質問》
次の英語に違いがありますか?
A. Finishing my homework, I went to bed.
B. Having finished my homework, I went to bed.
《答え》
述べている内容はほぼ同じですが、微妙に違いますね。
A. は寝る動作をする前の「先行する動作」を表しています。
B. は寝る動作をする前の「先行する完了動作」を表しています。
和訳で示すと、
A. 宿題を終えて私は寝た。
B. 宿題を終えてしまって[たので]私は寝た。
もっとも、分詞の副詞的用法[分詞構文]は文語なので、私だったら after Ving[動名詞] : Vした後 を使って次のように言います。
After finishing my homework, I went to bed.
= I went to bed after finishing my homework.
どうしても動作の完了の意を加えたい場合は、完了動名詞にして
After having finished my homework, I went to bed.
= I went to bed after having finished my homework.
とも言えますが、after finishing … で十分だと思います。
※ 完了分詞と完了動名詞は見た目は同じ having Vpp です。
2. He has been to Japan many times. [副]
2. have been to ~ : ~へ行った[来た]ことがある[← ~へ到達したことがある]
2. (彼は何度も日本に行った[来た]ことがある。)
2. He knows a lot about kyoto. {主}
2. (彼は京都についてよく知っている。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[主]の文は現在で、[副]の文は現在までの経験を表しています[現在完了]。
この場合も、havin Vpp を使い、
Having been to Japan many times, he knows a lot about Kyoto.
(何度も日本に行った[来た]ことがあるので、彼は京都についてよく知っている。)
理由・動機
3. My son has lived in Australia for 10 years. [副]
3. fluent [フルーエント] : 流暢[りゅうちょう]な
3. (私の息子は10年オーストラリアに住んでいる。)
3. He speaks fluent English. [主]
3. (彼は流暢な英語を話す。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[主]の文は現在で、[副]の文は現在までの継続を表しています[現在完了]。
この場合も、 having Vpp を使って、
Having lived in Australia for 10 years, my son speaks fluent English.
My son, having lived in Australia for 10 years, speaks fluent English.
(私の息子は10年オーストラリアに住んでいいるので流暢な英語を話す。)
理由・動機
(10年オーストラリアに住んでいる私の息子は流暢な英語を話す。)
主語の補足説明
4. My grandfather lived in Australia when he was a child. [副]
4. (私の祖父は子供の時オーストラリアに住んでいた。)
4. He speaks a little English.[主]
4. (彼は少し英語を話す。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[主]の文は現在で、[副]の文は過去です。
上記の例文は、3例とも 現在完了[副]+現在[主] の組み合わせでした。
過去[副]+現在[主] の組み合わせも having Vpp を使います。
Having lived in Australia when he was a child, my grandfather speaks a little English.
My grandfather, having lived in Australia when he was a child, speaks a little English.
(私の祖父は子供の頃オーストラリアに住んでいたので少し英語を話す。)
理由・動機
(子供の頃オーストラリアに住んでいた私の祖父は、少し英語を話す。)
主語の補足説明
5. He was once a science teacher. [副]
5. (彼は昔は理科の教師だった。)
5. He knows a lot about insects. [主]
5. insect [インセクト] : 昆虫
5. (彼は昆虫についてよく知っている。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[副]の文は過去で、[主]の文は現在です。
この場合も、 4. と同様に havin Vpp を使います。
Having once been a science teacher, he knows a lot about insects.
(昔は理科の教師だったので、彼は昆虫についてよく知っている。)
理由・動機
6. My grandfather was born and brought up in London. [副]
6. bring O up / bring up O : Oを育てる
6. be brought up : 育てられる → 育つ = grow up
6. be born and brought up : 生まれ育つ
6. (私の祖父はロンドンで生まれ育った。)
6. He speaks fluent English. [主]
6. (彼は流暢な英語を話す。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[副]の文は過去で[主]の文は現在ですから、この場合も having Vpp を使って Having been born and brought up になるはずですが、通例 having been は省略して、Born and brought up にします。
Born and brought up in London, my grandfather speaks fluent English.
My grandfather, born and brought up in London, speaks fluent English.
(ロンドンで生まれ育ったので、私の祖父は流暢な英語を話す。)
理由・動機
(ロンドンで生まれ育った私の祖父は流暢な英語を話す。)
主語の補足説明
7. I had already finished all my homework. [副]
7. (私はもうすでに宿題を全部終わらせていた。)
7. I had nothing to do. [主]
7. (私は何もすることがなかった。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回は、1. の文を過去にスライドさせたものです。
つまり、[副]の文が現在完了から過去完了に、[主]の文が現在から過去にスライドしています。
この場合も having Vpp を使って、
Having already finished all my homework, I had nothing to do.
(もうすでに宿題を全部終わらせて[いたので]、することが何もなかった。
理由・動機
8. My grandfather lived in Australia when he was a child. [副]
8. (私の祖父は子供の時オーストラリアに住んでいた。)
8. He spoke a little English.[主]
8. (彼は少し英語を話した。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回は、 4. の文を過去にスライドさせたものです。
lived も spoke も同じ過去形に見えますが、実は[副]は過去の過去[大過去]で、[主]は過去です。
したがってこの場合も時制がずれているので having Vpp を使い、
Having lived in Australia when he was a child, my grandfather spoke a little English.
My grandfather, having lived in Australia when he was a child, spoke a little English.
(私の祖父は子供の頃オーストラリアに住んでいたので少し英語を話した。)
理由・動機
(子供の頃オーストラリアに住んでいた私の祖父は、少し英語を話した。)
主語の補足説明
9. My grandfather was born and brought up in London. [副]
6. (私の祖父はロンドンで生まれ育った。)
6. He spoke fluent English. [主]
6. (彼は流暢な英語を話した。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは、 6. の文を過去にスライドさせたものです。
[副]の文は過去の過去[大過去]で、[主]の文は過去です。
時制がずれているのでこれも having been born and brought up in London となるはずですが、6. と同様 having been は通例省略されます。
Born and brought up in London, my grandfather spoke fluent English.
My grandfather, born and brought up in London, spoke fluent English.
(ロンドンで生まれ育ったので、私の祖父は流暢な英語を話した。)
理由・動機
(ロンドンで生まれ育った私の祖父は流暢な英語を話した。)
主語の補足説明
まとめると、
次のように時制がずれている場合、
[副]-現在完了/過去 + [主]-現在
[副]-過去完了/過去の過去 + [主]-過去
[副]の文を havin Vpp にします。
分詞の位置は、
文頭 / 主語の後ろに挿入 のどちらかです。
文末に置くのはまれです。
意味は、
直前に完了した動作の場合だけ、先行動作的ですが、それ以外は理由・動機に解釈するのが普通です。
主語の後ろに挿入されている場合は、主語の補足説明とも解釈できます。
では例文を暗記しましょう。
1. 私はもうすでに宿題を全部終わらせて[たので]、することが何もない。
2. 私はもうすでに宿題を全部終わらせて[いたので]、することが何もなかった。
3. 何度も日本に行った[来た]ことがあるので、彼は京都についてよく知っている。
4. 私の息子は10年オーストラリアに住んでいいるので流暢な英語を話す。)
4. 10年オーストラリアに住んでいる私の息子は流暢な英語を話す。
5. 私の祖父は子供の頃オーストラリアに住んでいたので少し英語を話す。
5. 子供の頃オーストラリアに住んでいた私の祖父は、少し英語を話す。
6. 私の祖父は子供の頃オーストラリアに住んでいたので少し英語を話した。
6. 子供の頃オーストラリアに住んでいた私の祖父は、少し英語を話した。
7. 昔は理科の教師だったので、彼は昆虫についてよく知っている。
8. ロンドンで生まれ育ったので、私の祖父は流暢な英語を話す。
8. ロンドンで生まれ育った私の祖父は流暢な英語を話す。
9. ロンドンで生まれ育ったので、私の祖父は流暢な英語を話した。
9. ロンドンで生まれ育った私の祖父は流暢な英語を話した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. Having already finished all my homework, I have nothing to do.
2. Having already finished all my homework, I had nothing to do.
3. Having been to Japan many times, he knows a lot about Kyoto.
4. Having lived in Australia for 10 years, my son speaks fluent English.
4. My son, having lived in Australia for 10 years, speaks fluent English.
5. Having lived in Australia when he was a child, my grandfather speaks a little English.
5. My grandfather, having lived in Australia when he was a child, speaks a little English.
6. Having lived in Australia when he was a child, my grandfather spoke a little English.
6. My grandfather, having lived in Australia when he was a child, spoke a little English.
7. Having once been a science teacher, he knows a lot about insects.
8. Born and brought up in London, my grandfather speaks fluent English.
8. My grandfather, born and brought up in London, speaks fluent English.
9. Born and brought up in London, my grandfather spoke fluent English.
9. My grandfather, born and brought up in London, spoke fluent English.
次回-分詞の副詞的用法[分詞構文]-否定
分詞の副詞的用法[分詞構文]-目次
その1-口語英語で使われる用法だけの解説 (入門・初級向け)
その2-基本用法-意味別による解説
その3-基本用法-分詞の位置別による解説
その4-基本用法-暗誦例文のまとめ
その5-基本用法-練習問題
その6-完了分詞
その7-否定
その8-意味上の主語が付いている場合=独立分詞構文
その9-慣用表現(1)
その10-慣用表現(2)
その11-慣用表現のまとめ(暗誦例文)
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