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分詞の副詞的用法[分詞構文]-その3-基本用法・分詞の位置による解説 
分詞の副詞的用法[分詞構文]-その3-基本用法・分詞の位置による解説
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前々回と前回で、分詞の副詞的用法[分詞構文]の基本用法を解説しました。
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その1 (入門・初級向け)
⇒ (口語英語で使われる用法だけの解説)
⇒ 分詞の副詞的用法[分詞構文]-その2
⇒ (意味別による解説)
手抜きなしで徹底的に詳しく解説したので、少し頭が混乱して人もいることでしょう。
前々回と前回は、用法別に解説しました。
1. 同時動作・状況
2. 先行動作・状況
3. 理由・動機
4. 連続動作・状況
5. 主語補足説明用法
今回は分詞の位置順に解説します。
(前回、前々回と同じ例文を使います)
1. 動詞の後にコンマなしで分詞が付加されている場合
この場合はほぼ100%「同時動作・状況」で、ある動作と同時に行なわれている動作・状況を後に付け足します。
現在分詞の場合
(S) + V1 V2ing
(Sは)V2しながらV1する
(Sは)V2してV1する
この二つでほぼ全て訳せます。
1. He waited for a bus reading a comic book.
2. He waited for a bus standing in line.
3. I always eat dinner watching TV.
4. Mike was writing a report using a PC.
5. The girls came into the classroom chatting loudly.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 彼は漫画の本を読みながらバスを待った。
2. 彼は列に並んでバスを待った。
3. 私はいつもテレビを見ながら夕食を食べます。
4. マイクはパソコンを使ってレポートを書いていた。
5. 女の子たちは大声でおしゃべりしながら教室に入って来た。
念のため次の訳も覚えておくと完璧です。
(Sは)V2しているとV1する
6. You look smart wearing glasses..
7. She looked pretty wearing a kimono.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6. 君は眼鏡をかけて賢そうに見える。
6. 君は眼鏡をかけていると賢こそうに見える。
7. 彼女は着物を着てかわいく見えた。
7. 彼女は着物を着ているとかわいく見えた。
過去分詞の場合
(S) + V1 V2pp
(Sは)V2されてV1する
08. He was sitting on the sofa surrounded by his children.
09. He was sitting on the sofa supported by his wife.
10. The dog was lying on the ground tied to the tree.
11. My son came home covered with mud.
12. The boy went to the police station accomanied by his mother.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
08. 彼は自分の子供たちに囲まれてソファに座っていた。
09. 彼は妻に支えられてソファに座っていた。
10. その犬は木につながれて地面の上に寝そべっていた。
11. 私の息子は泥におおわれて[→ 泥まみれになって]家に帰って来た
12. その男の子は母親に付き添われて警察署へ行った。
V2ing / V2pp は、文[S + V1]を修飾しているのではなく、動詞だけ[V1だけ]を修飾しているので、次のような文も可能です。
13. It is not good to eat watching TV.
14. My grandfather loves chatting surrounded by his grandchildren.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13. テレビを見ながら食事をするのはよくない。
14. 私の祖父は孫に囲まれておしゃべりをするのが大好きだ。
念のため書き添えておきますが、もちろん分詞の前にコンマを置いても構いません。
(13. 14 はコンマは付けないほうがいいですが。)
[例]
01. He waited for a bus, reading a comic book.
11. My son came home, covered with mud.
ただし、コンマがある場合は次のように別の用法も候補に挙がって来ます。
2. 文の後にコンマ付きで分詞が付加されている場合
この場合は、次のように複数の用法が考えられます。
第1候補 ⇒ 同時動作・状況
第2候補 ⇒ 連続動作・状況
第3候補 ⇒ 理由・動機
現在分詞の場合
S + V1, V2ing
第1候補 ⇒ 同時動作・状況
SはV2しながらV1する
SはV2してV1する
SはV2しているとV1する
上記の「動詞の後にコンマなしで分詞が付加されている場合」にコンマを付加しただけです。
例文は同じなので割愛します。(1.~7.)
ただし、13. と 14. だけはコンマを付けない方がいいでしょう。
第2候補 ⇒ 連続動作・状況
SはV1して、V2する
ある行為の後に連続して行われた動作や状況や結果を付け足す用法です。
当然、V2 は V1 より後に訳します。
大学入試の英文(論説文)によく見かける用法です。
受験生は特にしっかり覚えておきましょう。
15. The typhoon hit the Kansai area, causing great damage.
16. His novel became a best seller, making him very famous.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15. その台風は関西地方を襲って、甚大な被害を与えた。
16. 彼の小説はベストセラーになって、彼をとても有名にした。
第3候補 ⇒ 理由・動機
V2して、SはV1する
SはV2するのでV1する
「理由・動機」の用法は、前置するのが一般的ですが、後置する場合もあります。
分詞の副詞的用法(分詞構文)はもともとあいまいな用法なので、はっきり「V2するので」と訳すより、あいまいに「V2して」と訳す方がよろしいかと思われます。
17. Mr. Amano took an umbrella with him, thinking that it might rain.
18. Romeo killed himself, believing that Juliet was dead.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17. 天野さんは、雨が降るかもしれないと思って[思ったので]、傘を持って行った。
18. ロメオは、ジュリエットが死んだと信じて[信じたので]、自殺した。
過去分詞の場合
S + V1, V2pp
第1候補 ⇒ 同時動作・状況
SはV2されてV1する
上記の「動詞の後にコンマなしで分詞が付加されている場合」にコンマを付加しただけです。
例文は同じなので割愛します。 (8.~12.)
第2候補 ⇒ 連続動作・状況
SはV1して、V2される
現在分詞ほど例は多くありませんけど、時々見かけます。
19. Ken jumped in first, followed by Tom.
19. ケンが最初に飛びこみ、トムがその後に続いた[← トムによって後に続かれた]。
過去分詞の場合、「理由・動機」の後付けはまれです。
よって例文は割愛します。
3. 文頭に分詞が置かれている場合
この場合も、次のような複数の用法が考えられます。
第1候補 ⇒ 先行動作・状況
第2候補 ⇒ 理由・動機
第3候補 ⇒ 同時動作・状況
現在分詞の場合
V2ing, S + V1
第1候補 ⇒ 先行動作・状況
V2していて、SはV1する
V2していると、SはV1する
V2して、SはV1する
V2すると、SはV1する
物語風の英文によく出てくる用法です。
20. Walking in the grass, Mr. Frog was bitten by a snake.
21. Seeing a police officer, the robber ran away.
22. Picking up a stone, the boy threw it at the dog.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20. 草の中を歩いていて[歩いていると]、フロッグさんは蛇にかまれた。
21. 警察官を見て[見ると]、その強盗は逃げ去った。
22. 石を拾って[拾うと]、その少年はそれを犬めがけて投げつけた。
20. の walking はまだ進行中の意味が残っていますが、 21. 22. は進行中の意味が無くなっています。
第2候補 ⇒ 理由・動機
V2して、SはV1する
V2するので、SはV1する
先ほども説明したように、分詞の副詞的用法(分詞構文)はもともとあいまいな用法なので、はっきり「V2するので」と訳すより、あいまいに「V2して」と訳す方がよろしいかと思われます。
17. Thinking that it might rain, Mr. Amano took an umbrella with him.
18. Believing that Juliet was dead, Romeo killed himself.
23. (Being) very kind to other people, Ms. Friend is liked by everyone.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17. 雨が降るかもしれないと思って[思ったので]、天野さんは傘を持って行った。
18.. ジュリエットが死んだと信じて[信じたので]、ロメオは自殺した。
23. 他人に非常に親切で[なので]、フレンドさんは皆に好かれている。
be 動詞の現在分詞 = being はよく省略されます。
第3候補 ⇒ 同時動作・状況
V2しながら、SはV1する
V2して、SはV1する
「同時動作・状況」は後に付加するのが普通ですが、、同時とはいっても微妙に時間的に先に動作が行われているような感覚がある場合は、修飾する動作よりも先に置かれていることもあります。
5. Chatting loudly, the girls came into the classroom.
5. 大声でおしゃべりしながら、女の子たちは教室に入って来た。
過去分詞の場合
V2pp, S + V1
第1候補 ⇒ 先行動作・状況
V2されて、SはV1する
V2されると、SはV1する
24. Shot by a machine gun, the police officer fell on(to) the ground.
25. Seen from the plane, the island looked like an egg.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24. マシンガン[機関銃]で撃たれて、その警官は地面に倒れた。
25. 飛行機から見られると[→ 見ると]、その島は卵のように見えた。
第2候補 ⇒ 理由・動機
V2されて[されていて]、SはV1する
V2された[されている]ので、SはV1する
はっきり「V2された[されている]ので」と訳すより、あいまいに「V2されて[されていて]」と訳す方がいいかと思われます。
26. Satisfied with the result of the exam, the student started studying harder and harder.
27. Surprised at the news, Mr. Speed rushed home.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26. 試験の結果に満足させられて[→ 満足して]、その学生はますます一生懸命勉強し始めた。
24. 試験の結果に満足させられたので[→ 満足したので]、その学生はますます一生懸命勉強し始めた。
27. その知らせに驚かされて[→ 驚いて]、スピードさんは家に急いで帰った。
25. その知らせに驚かされたので[→ 驚いたので]、スピードさんは家に急いで帰った。
第3候補 ⇒ 同時動作・状況
V2されて、SはV1する
12. Accompanied by his mother, the boy went to the police station.
12. 母親に付き添われて、その男の子は警察署へ行った。
4. 主語の後に分詞が挿入されている場合
文頭に分詞が置かれている用法は、全て主語の後ろに挿入することができます。
さらに、「主語を補足説明する分詞の形容詞的用法」が加わります。
第1候補 ⇒ 主語補足説明用法
第2候補 ⇒ 先行動作・状況
第3候補 ⇒ 理由・動機
第4候補 ⇒ 同時動作・状況
現在分詞の場合
S, V2ing, + V1
第1候補 ⇒ 主語補足説明用法
Sは、V2していて[いるが]、V1する
V2しているSはV1する
28. My family, living in the country, has three cars.
28. 私の家族は、田舎に住んでいて[いるが]、3台車を持っている。
28. 田舎に住んでいる私の家族は3台車を持っている。
この英文は、「理由・動機」にも解釈できる場合もあります。
28. 私の家族は、田舎に住んでいて[住んでいるので]、3台車を持っている。
もちろん分詞を文頭に出すこともできます。
28. Living in the country, my family has three cars.
第2候補 ⇒ 先行動作・状況
Sは、V2していて、V1する
Sは、V2していると、V1する
Sは、V2して、V1する
Sは、V2すると、V1する
第3候補 ⇒ 理由・動機
Sは、V2して、V1する
Sは、V2するので、V1する
第4候補 ⇒ 同時動作・状況
Sは、V2しながらV1する
Sは、V2してV1する
文頭の分詞が主語の後ろに移動しただけです。
例文は全て先ほどと同じです。
20. Mr. Frog, walking in the grass, was bitten by a snake.
21. The robber, seeing a police officer, ran away.
22. The boy, picking up a stone, threw it at the dog.
17. Mr. Amano, thinking that it might rain, took an umbrella with him.
18. Romeo, believing that Juliet was dead, killed himself.
23. Ms. Friend, (being) very kind to other people, is liked by everyone.
05. The girls, chatting loudly, came into the classroom.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20. フロッグさんは、草の中を歩いていて[歩いていると]、蛇にかまれた。
21. その強盗は、警察官を見て[見ると]、逃げ去った。
22. その少年は、石を拾って[拾うと]、それを犬めがけて投げつけた。
17. 天野さんは、雨が降るかもしれないと思って[思ったので]、傘を持って行った。
18.. ロメオは、ジュリエットが死んだと信じて[信じたので]、自殺した。
23. フレンドさんは、他人に非常に親切で[なので]、皆に好かれている。
05. 女の子たちは、大声でおしゃべりしながら、教室に入って来た。
23. の例文は、being が無ければ、「主語の補足説明用法」に解釈して、
23. 他人に非常に親切なフレンドさんは皆に好かれている。
とも訳せます。
過去分詞の場合
S, V2pp, + V1
第1候補 ⇒ 主語補足説明用法
Sは、V2されていて[いるが]、V1する
V2されているSはV1する
29. Mt. White, always covered with snow, is very beautiful.
29. ホワイト山は、いつも雪で覆われていて[いるが]、とても美しい。
29. いつも雪で覆われているホワイト山はとても美しい。
「理由・動機」に解釈して、
29. ホワイト山はいつも雪で覆われていて[ているので]とても美しい。
と訳すこともできます。
分詞を文頭に出した、
29. Always covered with snow, Mt. White is very beautiful.
も可能です。
第2候補 ⇒ 先行動作・状況
Sは、V2されて、V1する
Sは、V2されると、V1する
第3候補 ⇒ 理由・動機
Sは、V2されて[されていて]、V1する
Sは、V2された[されている]ので、V1する
第4候補 ⇒ 同時動作・状況
Sは、V2されてV1する
文頭の分詞が主語の後ろに移動しただけです。
例文は全て先ほどと同じです。
24. The police officer, shot by a machine gun, fell on(to) the ground.
25. The island, seen from the plane, looked like an egg.
26. The student, satisfied with the result of the exam, started studying harder and harder.
27. Mr. Speed, surprised at the news, rushed home.
12. The boy, accompanied by his mother, went to the police station.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24. その警官は、マシンガン[機関銃]で撃たれて、地面に倒れた。
25. その島は、飛行機から見られると[→ 見ると]、卵のように見えた。
26. その学生は、試験の結果に満足させられて[→ 満足して]、ますます一生懸命勉強し始めた。
24. その学生は、試験の結果に満足させられたので[→ 満足したので]、ますます一生懸命勉強し始めた。
27. スピードさんは、その知らせに驚かされて[→ 驚いて]、家に急いで帰った。
25. スピードさんは、その知らせに驚かされたので[→ 驚いたので]、家に急いで帰った。
12. その男の子は、母親に付き添われて、警察署へ行った。
長い説明になってしまいましたね。 m( __ __ )m
前回と全く同じ例文を使って、分詞の位置から説明してみました。
最終的には、1. ~ 29. の例文を全部覚えてください。
これ位覚えておかないと、実戦では役に立たないと思います。
頑張りましょう。
次回-分詞の副詞的用法[分詞構文]-その4-暗誦例文総まとめ
分詞の副詞的用法[分詞構文]-目次
その1-口語英語で使われる用法だけの解説 (入門・初級向け)
その2-基本用法-意味別による解説
その3-基本用法-分詞の位置別による解説
その4-基本用法-暗誦例文のまとめ
その5-基本用法-練習問題
その6-完了分詞
その7-否定
その8-意味上の主語が付いている場合=独立分詞構文
その9-慣用表現(1)
その10-慣用表現(2)
その11-慣用表現のまとめ(暗誦例文)
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