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高校英語・基礎-動詞の文型-副詞(相当語句)の消去 
高校英語・基礎-動詞の文型-副詞(相当語句)の消去
前のページで「soon」「quickly」「next year」「on the bed」は「あってもなくてもよい余分な要素」だと説明しました。
ここでは、その「あってもなくてもよい余分な要素」を取り除く方法を説明します。
動詞が完全自動詞か完全他動詞か判別するには、その前にまず不要な(余分な)要素を取り除かなければいけません。
副詞と副詞相当語句は動詞には不要な(余分な)要素なので消去します。
副詞は1語、副詞相当語句は2語以上で副詞と同じ働きをする語句のことです。
中学校の教科書が巻末に単語の日本語訳の索引を載せているせいもあって、中学生時代に辞書を引く習慣を身につけていない高校生は、必ずと言っていいほど「副詞って何ですか?」と聞いてきます。
言葉で説明してもなかなかわからないので、中学1年生程度の英文で例をあげます。太字部分が副詞です。
1. He can run fast.
彼は速く走ることができる。
2. He came early.
彼は早く来た。
3. He studied English hard.
彼は一生懸命英語を勉強した。
4. He was walking slowly.
彼はゆっくり歩いていた。
5. He listend carefully.
彼は注意深く聞いた。
6. He played the guitar well.
彼は上手にギターを弾いた。
動詞を後ろから修飾する単語は副詞です。
速く走るの「速く」、早く来るの「早く」、一生懸命英語を勉強するの「一生懸命」、ゆっくり歩くの「ゆっくり」、注意深く聞くの「注意深く」、上手にギターを弾くの「上手に」は余分な要素なので取り除きます。
残った部分を見て動詞だけ残っていれば完全自動詞、
動詞+名詞(目的語)が残っていれば完全他動詞ということになります。
1. He can run fast.
fast を消すと run だけ残るので完全自動詞
run : 走る
2. He came early.
early を消すと came だけ残るので完全自動詞
come : 来る
3. He studied English hard.
hard を消すと studied English が残り、English は動詞の目的語なので完全他動詞
study O : Oを勉強する
4. He was walking slowly.
slowly を消すと was walking だけが残るので完全自動詞
walk : 歩く
5. He listend carefully.
carefully を消すと listened だけが残るので完全自動詞
listen : 聞く
6. He played the guitar well.
well を消すと played the guitar が残り、the guitar は動詞の目的語なので完全他動詞
play O(楽器) : O(楽器)を演奏する
動詞を後ろから修飾する2語以上の語句は副詞相当語句です。
特に「前置詞+名詞」は副詞相当語句の代表選手みたいなものです。
次の例文の太字部分は副詞(相当語句)です。
7. I went to the park yesterday.
私は昨日公園に行きました。
to the park と yesterday を消すと went だけ残るので完全自動詞
go : 行く
8. I put the book into the bag this morning.
私は今朝かばんの中にその本を入れました。
into the bag と this morning を消すと put the book が残り、the book は動詞の目的語なので完全他動詞
put O : Oを置く
9. I watched TV after dinner.
私は夕食後テレビを見ました。
after dinner を消すと watched TV が残り、TV は動詞の目的語なので完全他動詞
watch O : Oを見る
10. I lived in Tokyo when I was a child.
私は子供のころ東京に住んでいました。
in Tokyo と when I was a child を消すと lived だけが残るので完全自動詞
live : 住んでいる
11. I arrived in Tokyo at seven in the morning.
私は朝の7時に東京に着きました。
in Tokyo と at seven と in the morning を消すと arrived だけが残るので完全自動詞
arrive 到着する 着く
12. I reached Tokyo at seven in the morning.
私は朝の7時に東京に着きました。
at seven と in the morning を消すと reached Tokyo が残り、Tokyo は動詞の目的語なので完全他動詞
reach O : Oに到着する Oに着く
11. と 12. の違いに注意しましょう。
11. arrived in Tokyo の in Tokyo は「前置詞+名詞=副詞相当語句」なので消せます。
しかし、12. reached Tokyo の Tokyo は reached の直後に前置詞なしで直結しているので動詞の目的語になり消すことができません。
同じ意味でも自動詞と他動詞とでは使い方が違うので注意しましょう。
《質問コーナー》
I looked at him. (私は彼を見た) を「look : 見る」ではなく「look at O : Oを見る」とまとめてもよろしいか?
《答え》
一応構いません。
これまでやってきたのは辞書を素早く引くために「自動詞」か「他動詞」か判定する練習です。
at him が副詞相当語句で消去でき、look が完全自動詞だとわかれさえすれば「look at O : Oを見る」と実戦的にまとめても構いません。
実際、辞書も熟語の欄にそのように書いてあることが多いです。
ただし、「Oを」という日本語に惑わされて「他動詞」と勘違いするといけないので、「O」は動詞の目的語だけに使い、前置詞の目的語(前置詞+名詞の名詞のこと)のほうは「~」にして「look at ~ : ~を見る」とまとめたほうが誤解がなくてよいかもしれません。
私はそうしています。
ちなみに7. と 8. と 10. と 11. も次のようにまとめるほうが実戦的です。
07. go to ~ : ~へ行く
08. put O into ~ : ~の中にOを入れる
10. live in ~ : ~に住む
11. arrive in ~ : ~に到着する
● まとめ ●
完全自動詞と完全他動詞の判定方法
1. 動詞の右側を見て1語の副詞、2語以上の副詞相当語句、特に「前置詞+名詞」を消去します。
2. 動詞だけが残ったら完全自動詞なので、辞書の[自]と書かれた箇所で意味を探します。
3. 動詞+名詞が残ったら、完全他動詞+目的語です。辞書の[他]と書かれた箇所で意味を探します。
単語の意味のまとめかた
1. 完全自動詞であれば、基本的に次のようにまとめます。
[例] look : 見る live : 住む
ただし、文法的には消去可能な副詞(相当語句)でも、それに重要な意味があって消去し難い場合は、
look around : あたりを見回す live in ~ : ~に住む
のように副詞(相当語句)も含めてまとめるほうが実戦的です。
2. 完全他動詞であれば、基本的に次のようにまとめます。
[例] put O : Oを置く leave O : Oを出発する
ただし、文法的には消去可能な副詞(相当語句)でも、それに重要な意味があって消去し難い場合は
、
put O into ~ : ~にOを入れる leave O for ~ : ~に向けてOを出発する
のように副詞(相当語句)も含めてまとめるほうが実戦的です。
《質問コーナー》
重ねて質問しますが、「leave A for B : Bに向けてAを出発する」のようにまとめてもよろしいか。
《答え》
Aが動詞の目的語、Bが前置詞の目的語であるとわかっていれば、もちろん構いません。多くの熟語集、辞書が実際そのように表記しています。私も授業では生徒の便宜上そのように教えることもよくあります。leave O1 for O2 と表記している辞書もありますが、O1が動詞の目的語、O2が前置詞の目的語だとわかっていれば同じことです。
最後に、例文を頭にインプットしましょう。
01. 彼は速く走ることができる。
02. 彼は早く来た。
03. 彼は一生懸命英語を勉強した。
04. 彼はゆっくり歩いていた。
05. 彼は注意深く聞いた。
06. 彼は上手にギターを弾いた。
07. 私は昨日公園に行きました。
08. 私は今朝かばんの中にその本を入れました。
09. 私は夕食後テレビを見ました。
10. 私は子供のころ東京に住んでいました。
11. 私は朝の7時に東京に着きました。
12. 私は朝の7時に東京に着きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
01. He can run fast.
02. He came early.
03. He studied English hard.
04. He was walking slowly.
05. He listend carefully.
06. He played the guitar well.
07. I went to the park yesterday.
08. I put the book into the bag this morning.
09. I watched TV after dinner.
10. I lived in Tokyo when I was a child.
11. I arrived in Tokyo at seven in the morning.
12. I reached Tokyo at seven in the morning.
次回-間違えやすい(完全)自動詞と(完全)他動詞
復習テストはこちら
前のページで「soon」「quickly」「next year」「on the bed」は「あってもなくてもよい余分な要素」だと説明しました。
ここでは、その「あってもなくてもよい余分な要素」を取り除く方法を説明します。
動詞が完全自動詞か完全他動詞か判別するには、その前にまず不要な(余分な)要素を取り除かなければいけません。
副詞と副詞相当語句は動詞には不要な(余分な)要素なので消去します。
副詞は1語、副詞相当語句は2語以上で副詞と同じ働きをする語句のことです。
中学校の教科書が巻末に単語の日本語訳の索引を載せているせいもあって、中学生時代に辞書を引く習慣を身につけていない高校生は、必ずと言っていいほど「副詞って何ですか?」と聞いてきます。
言葉で説明してもなかなかわからないので、中学1年生程度の英文で例をあげます。太字部分が副詞です。
1. He can run fast.
彼は速く走ることができる。
2. He came early.
彼は早く来た。
3. He studied English hard.
彼は一生懸命英語を勉強した。
4. He was walking slowly.
彼はゆっくり歩いていた。
5. He listend carefully.
彼は注意深く聞いた。
6. He played the guitar well.
彼は上手にギターを弾いた。
動詞を後ろから修飾する単語は副詞です。
速く走るの「速く」、早く来るの「早く」、一生懸命英語を勉強するの「一生懸命」、ゆっくり歩くの「ゆっくり」、注意深く聞くの「注意深く」、上手にギターを弾くの「上手に」は余分な要素なので取り除きます。
残った部分を見て動詞だけ残っていれば完全自動詞、
動詞+名詞(目的語)が残っていれば完全他動詞ということになります。
1. He can run fast.
fast を消すと run だけ残るので完全自動詞
run : 走る
2. He came early.
early を消すと came だけ残るので完全自動詞
come : 来る
3. He studied English hard.
hard を消すと studied English が残り、English は動詞の目的語なので完全他動詞
study O : Oを勉強する
4. He was walking slowly.
slowly を消すと was walking だけが残るので完全自動詞
walk : 歩く
5. He listend carefully.
carefully を消すと listened だけが残るので完全自動詞
listen : 聞く
6. He played the guitar well.
well を消すと played the guitar が残り、the guitar は動詞の目的語なので完全他動詞
play O(楽器) : O(楽器)を演奏する
動詞を後ろから修飾する2語以上の語句は副詞相当語句です。
特に「前置詞+名詞」は副詞相当語句の代表選手みたいなものです。
次の例文の太字部分は副詞(相当語句)です。
7. I went to the park yesterday.
私は昨日公園に行きました。
to the park と yesterday を消すと went だけ残るので完全自動詞
go : 行く
8. I put the book into the bag this morning.
私は今朝かばんの中にその本を入れました。
into the bag と this morning を消すと put the book が残り、the book は動詞の目的語なので完全他動詞
put O : Oを置く
9. I watched TV after dinner.
私は夕食後テレビを見ました。
after dinner を消すと watched TV が残り、TV は動詞の目的語なので完全他動詞
watch O : Oを見る
10. I lived in Tokyo when I was a child.
私は子供のころ東京に住んでいました。
in Tokyo と when I was a child を消すと lived だけが残るので完全自動詞
live : 住んでいる
11. I arrived in Tokyo at seven in the morning.
私は朝の7時に東京に着きました。
in Tokyo と at seven と in the morning を消すと arrived だけが残るので完全自動詞
arrive 到着する 着く
12. I reached Tokyo at seven in the morning.
私は朝の7時に東京に着きました。
at seven と in the morning を消すと reached Tokyo が残り、Tokyo は動詞の目的語なので完全他動詞
reach O : Oに到着する Oに着く
11. と 12. の違いに注意しましょう。
11. arrived in Tokyo の in Tokyo は「前置詞+名詞=副詞相当語句」なので消せます。
しかし、12. reached Tokyo の Tokyo は reached の直後に前置詞なしで直結しているので動詞の目的語になり消すことができません。
同じ意味でも自動詞と他動詞とでは使い方が違うので注意しましょう。
《質問コーナー》
I looked at him. (私は彼を見た) を「look : 見る」ではなく「look at O : Oを見る」とまとめてもよろしいか?
《答え》
一応構いません。
これまでやってきたのは辞書を素早く引くために「自動詞」か「他動詞」か判定する練習です。
at him が副詞相当語句で消去でき、look が完全自動詞だとわかれさえすれば「look at O : Oを見る」と実戦的にまとめても構いません。
実際、辞書も熟語の欄にそのように書いてあることが多いです。
ただし、「Oを」という日本語に惑わされて「他動詞」と勘違いするといけないので、「O」は動詞の目的語だけに使い、前置詞の目的語(前置詞+名詞の名詞のこと)のほうは「~」にして「look at ~ : ~を見る」とまとめたほうが誤解がなくてよいかもしれません。
私はそうしています。
ちなみに7. と 8. と 10. と 11. も次のようにまとめるほうが実戦的です。
07. go to ~ : ~へ行く
08. put O into ~ : ~の中にOを入れる
10. live in ~ : ~に住む
11. arrive in ~ : ~に到着する
● まとめ ●
完全自動詞と完全他動詞の判定方法
1. 動詞の右側を見て1語の副詞、2語以上の副詞相当語句、特に「前置詞+名詞」を消去します。
2. 動詞だけが残ったら完全自動詞なので、辞書の[自]と書かれた箇所で意味を探します。
3. 動詞+名詞が残ったら、完全他動詞+目的語です。辞書の[他]と書かれた箇所で意味を探します。
単語の意味のまとめかた
1. 完全自動詞であれば、基本的に次のようにまとめます。
[例] look : 見る live : 住む
ただし、文法的には消去可能な副詞(相当語句)でも、それに重要な意味があって消去し難い場合は、
look around : あたりを見回す live in ~ : ~に住む
のように副詞(相当語句)も含めてまとめるほうが実戦的です。
2. 完全他動詞であれば、基本的に次のようにまとめます。
[例] put O : Oを置く leave O : Oを出発する
ただし、文法的には消去可能な副詞(相当語句)でも、それに重要な意味があって消去し難い場合は
、
put O into ~ : ~にOを入れる leave O for ~ : ~に向けてOを出発する
のように副詞(相当語句)も含めてまとめるほうが実戦的です。
《質問コーナー》
重ねて質問しますが、「leave A for B : Bに向けてAを出発する」のようにまとめてもよろしいか。
《答え》
Aが動詞の目的語、Bが前置詞の目的語であるとわかっていれば、もちろん構いません。多くの熟語集、辞書が実際そのように表記しています。私も授業では生徒の便宜上そのように教えることもよくあります。leave O1 for O2 と表記している辞書もありますが、O1が動詞の目的語、O2が前置詞の目的語だとわかっていれば同じことです。
最後に、例文を頭にインプットしましょう。
01. 彼は速く走ることができる。
02. 彼は早く来た。
03. 彼は一生懸命英語を勉強した。
04. 彼はゆっくり歩いていた。
05. 彼は注意深く聞いた。
06. 彼は上手にギターを弾いた。
07. 私は昨日公園に行きました。
08. 私は今朝かばんの中にその本を入れました。
09. 私は夕食後テレビを見ました。
10. 私は子供のころ東京に住んでいました。
11. 私は朝の7時に東京に着きました。
12. 私は朝の7時に東京に着きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
01. He can run fast.
02. He came early.
03. He studied English hard.
04. He was walking slowly.
05. He listend carefully.
06. He played the guitar well.
07. I went to the park yesterday.
08. I put the book into the bag this morning.
09. I watched TV after dinner.
10. I lived in Tokyo when I was a child.
11. I arrived in Tokyo at seven in the morning.
12. I reached Tokyo at seven in the morning.
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