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if を使った未来の条件文-その8 (if S were to V)  
if を使った未来の条件文-その8 (if S were to V)
⇒ if を使った条件文 - 導入 - 目次
まず、以前説明した、S be to V の用法の次の箇所に目を通してください。
⇒ if S be to V
この用法は、時々見かけますが、一般にはあまり認められた用法とは言えないようです。
辞書や参考書類にも載せられていませんので、通俗的な用法かもしれません。
この be to を仮定叙想]法過去形の were to にすると、受験英語でもお馴染みの立派な(?)正用法になります。
1. If you were to give one piece of advice to yourself, what would it be?
1. もし仮に自分に1つ助言をするとしたら、それは何でしょうか?
2. Even if I were to die, somebody would remember me.
2. たとえ仮に私が死ぬようなことになっても、誰かが私のことを覚えていてくれるだろう。
用法をまとめてみます。
If S1 were to V1, S2 would V2.
If S1 were to V1, S2 might V2.
If S1 were to V1, S2 could V2.
・・・・・・・・・・・・・・・・・
もし仮に S1 が V1 するようなことがあれば、
S2 は V2 するだろう。
S2 は V2 するかもしれない。
S2 は V2 できるだろう / V2 するかもしれない。
仮の話の前提として用いられます。
実現の可能性がかなり高い場合もあれば、非常に低い場合もあります。
また、口語英語では、were の代わりに was も用いられます。
Even if I was to die …
《余談》
この表現は、私が高校生の時は、次のように教えられました。
「If S were to V は、実現の可能性が全くないか極めて低い場合に用いられる。」
3. (Even) If the sun were to rise in the west, she would never change her mind.
3. たとえ仮に太陽が西から昇るようなことがあっても、彼女は決して気持ちを変えないだろう。
「実現の可能性が全くない場合には、「万一~なら」の should は使ってはいけない。
(×) (Even) If the sun should rise in the west ….
ほぼこの内容で合っているのですが、問題は、「実現の可能性が全くないか極めて低い場合に用いられる。」です。
これは間違いです。
この表現は、実現の可能性の高低とはかかわりなく使われます。
3. は可能性がゼロですが、2. は人はいつ死ぬかわからないし、1. も十分あり得る話です。
次の例も、可能性は十分にあります。
4, If I were[was] to offer you the job, would you say yes?
4. もし仮に君にその仕事を提供したら、君ははいと言ってくれるだろうか。
4. → もし君にその仕事を頼んだら、引き受けてもらえるだろうか。
また、次のように、遠回しな依頼にも使えます。
5. If you were to move over a little, we could all sit down.
5. move over : (席などを) 詰める
5. もう少し詰めていただいたら、全員座れるのですが。
この文は、
Could you move over a little so we can all sit down?
so (that) S can V : SがVできるように(目的)
全員座れるように少し詰めていただけませんか。
という疑問文を遠回しに表現した、非常にていねいな依頼文になります。
では、例文を覚えてしまいましょう。
1. もし仮に自分に1つ助言をするとしたら、それは何でしょうか?
2. たとえ仮に私が死ぬようなことになっても、誰かが私のことを覚えていてくれるだろう。
3. たとえ仮に太陽が西から昇るようなことがあっても、彼女は決して気持ちを変えないだろう。
4. もし仮に君にその仕事を提供したら、君ははいと言ってくれるだろうか。
4. → もし君にその仕事を頼んだら、引き受けてもらえるだろうか。
5. もう少し詰めていただいたら、全員座れるのですが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. If you were to give one piece of advice to yourself, what would it be?
2. (Even) If I were[was] to die, somebody would remember me.
3. (Even) If the sun were[was] to rise in the west, she would never change her mind.
4. If I were[was] to offer you the job, would you say yes?
5. If you were to move over a little, we could all sit down.
《質問》
5. の例文を、If S were to V を使わないで、ただの仮定[叙想]法過去形を使って、次のように言っても構いませんか?
If you moved over a little, we could all sit down.
《答え》
もちろん構いません。.
それでも十分にていねいな表現です。
If you were to move over a little,
If yuu would move over a little,
If you could move over a little,
のように、意図を表す be to 、依頼を表す will / can の仮定[叙想]法過去形、were to / would / could を加えると、さらに遠回しでていねいな表現になるだけです。
ちなみに、2. 3. 4. の例文も、ただの仮定[叙想]法過去形を使ってもよいと思います。
2. Even if I died, somebody would remember me.
3. Even if the sun rose in the west, she would never change her mind.
4. If I offered you the job, would you say yes?
次回-「直説[叙実]法現在・過去形」 と 「仮定[叙想]法現在・過去形」 の説明
⇒ if を使った条件文 - 導入 - 目次
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「直説[叙実]法現在・過去形」 と 「仮定[叙想]法現在・過去形」 の説明 
「直説[叙実]法現在・過去形」 と 「仮定[叙想]法現在・過去形」 の説明
⇒ if を使った条件文 - 導入 - 目次
これまでは、「if を使った未来の条件文」 を学習してきました。
基本的には、
if + S + V(s) (現在形) ⇒ (未来に) SがVすれば (可能性大)
If you study harder, you will [would] pass the exam.
もしもっと一生懸命勉強すれば、その試験に受かるだろう。
If + S + Vp (過去形) ⇒ (未来に) SがVしたら (可能性小)
If you studied harder, you would pass the exam.
もしもっと一生懸命勉強すれば、その試験に受かるだろう(に).
の2つを覚えておけば、とりあえずは間に合います。
「現在形は現在の行為を表す」とか「過去形は過去の行為を表す」のような固定観念はこの際キッパリ忘れてしまいましょう!
中学の時習った動詞の変化表を見てみましょう。
原形-go / 現在形-go(es) / 過去形-went / 過去分詞形-gone / ing 形 [現在分詞形][動名詞]-going
原形-be / 現在形-am is are / 過去形-was were / 過去分詞形-been / ing 形 [現在分詞形][動名詞]-being
英語の動詞には、この5つの形しかありません。
このうち、過去分詞形 と ing 形 は、
S + be + 過去分詞形 (受身)
He is liked by everyone.
彼は皆に好かれている。
S + have[has][had] + 過去分詞形 (完了形)
I have already eaten lunch.
私はもうお昼御飯を食べてしまいました。
S + be + ing形 (進行形)
My son is sleeping now.
私の息子は今寝ています。
の形式で使われます。
次のように、主語の次に単独で使われることはありません。
He liked by everyone. (×)
I already eaten lunch. (×)
My son sleeping now. (×)
※ 正しい英文ではありませんが、片言英語としては十分相手に意味が通じます… (;゚Д゚)
しかもよく考えると、完了形の have has は、どう見ても現在形ですし、had は過去形です。
受身と進行形の be 動詞も、am is are は現在形、was were は過去形です。
原形も主語の後に使う時は、まれな場合を除いて 、基本的には
S + 助動詞 + 原形
S + 助動詞の代用語句 + 原形
の形で使われます。
He will come tomorrow.
彼は明日(きっと)来るだろう。(と話し手は今思っている)
He has to do it.
彼はそれをしなければならない。(と話し手は今思っている)
He might come tomorrow.
彼は明日(ひょっとしたら)来るかもしれない。(と話し手は今思っている)
come tomorrow (明日来る) は未来を表していますが、will 自体は現時点での話し手の推量を表しているので、現在形です。
to do it 未来にそれをすべきこと) を、今 has 持っている、のですから、これも現在形です。、
might も現時点の推量を表していて、形は過去形です。
ということは、主語の次に単独で使われるのは、
S + 原形 (まれ)
S + 現在形
S + 過去形
のいずれかということになります。
S + 原形 は、いわば古い英語の残骸で、次のような特殊な場合しか使われません。
[祈願文]
God bless you. [ブレス]
神があなたをお守りしますように!→ 神の御加護がありますように!
God damn it. [ダム]
神がそれを呪いますように!→ くそっ!畜生!
[提案・要求・主張などを表す that 節]
I insist (that) your son see a doctor.
私は君の息子が医者に診てもらうことを主張する。
→ 君の息子は医者に診てもらわなくてはいけない。
It is necessary (that) your son see a doctor.
君の息子は医者に診てもらう必要がある。
※ これらの原形は、「仮定法現在形」と呼ばれる古い英語の残骸で、未来・現在の可能性の高い仮定・想像を表しています。別ページで詳説します。
という訳で、英語は主語の次に来る動詞の形は、基本的に、
S + 現在形
S + 過去形
の2つしかないということになります。
しかも、この2つ = 現在形と過去形で、全ての時 = 現在・未来・過去を表さなければいけません。
このことが分かっていなければ、なぜ未来の仮定に現在形や過去形が使われているのか理解できません。
ところで、現在形と過去形には、次の2つの形があります。
直説法[叙実法]-事実を述べる動詞の形
仮定法[叙想法]-頭の中で仮定・想像したことを述べる動詞の形
それぞれ一つづつ説明していきましょう。
[直説[叙実]法現在形]
中学1年生で学習した普通の現在形
現在の事実や習慣を表す。
時 = 現在
I am a cat.
吾輩は猫である。
My brother usually walks to school.
私の弟は普段は歩いて通学している。
下記の仮定[叙想]法現在形の代用として使われている場合は、時 = 現在・未来
If it is rainy tomorrow, the hiking will be canceled. [キャンスル]
もし明日雨なら、ハイキングは中止されるだろう[されます]。
If he knows my phone number, he may[might] call me.
もし彼が私の電話番号を知っていれば、私に電話してくるかもしれないね。
[仮定[叙想]法現在形]
形は皆さんが知っている原形と同形。
現在・未来の可能性の十分ある仮定・想像を表す。
⇒ 上記の例文を参考
古い形式の英語で、現代英語では、助動詞 + 原形 や 直説[叙実]法現在形 で代用されることが多い。
時 = 現在・未来
If it be rainy tomorow, the hiking will be canceled. (古い)
→ If it is rainy tomorrow, the hiking will be canceled. (代用)
もし明日雨なら、ハイキングは中止されるだろう[されます]。
If he know my phone number, he may[might] call me. (古い)
→ If he knows my phone number, he may[might] call me. (代用)
もし彼が私の電話番号を知っていれば、私に電話してくるかもしれないね。
He is studying hard so that he pass the exam. (古い)
so that S V : SがVするように[するために] (目的を表す)
→ He is studying hard so that he will pass the exam. (代用)
→ He is studying hard so that he can pass the exam. (代用)
→ He is studying hard so that he passes the exam. (代用)
彼はその試験に合格するように[できるように][するために]一生懸命勉強している。
※ 仮定[叙想]法現在形 については、後で別ページで詳説する予定です。
[直説[叙実]法過去形]
中学1年生(昔は2年生)で学習した普通の過去形。
過去の事実や習慣を表す。
時 = 過去
I was once a teacher.
私は昔教師だった。
When I was a child, my mother got up at five every day.
私が子供の頃、母は毎日5時に起きていた。
[仮定[叙想]法過去形]
一般動詞は直説[叙実]法過去形と同形。
be 動詞は基本的に were のみ。口語英語では was も使われる。
未来の可能性の低い仮定・想像、現在の事実の反対の仮定・想像を表す。
時 = 現在・未来
If it rained tomorow, the game might be canceled.
もし明日雨が降ったら、試合は中止されるかもしれない。
If I were [was] you, I wouldn't do that.
もし私があなただったら、そんなことはしないだろう。
という訳で。最初に復習した、
if + S + V(s) (現在形)
if + S + Vp (過去形)
は、正確に言うと、
if + S + V(s) (仮定[叙想]法現在形の代用の直説[叙実]法現在形)
if + S + Vp (仮定[叙想]法過去形)
で、現在だけでなく未来の条件文にも使えるのです。
次回-if を使った現在の条件文-その1 ( If + S + V(s)[現在形])
⇒ if を使った条件文 - 導入 - 目次
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