Mon.
動名詞の用法その14-動詞的動名詞と名詞的動名詞 
動名詞の用法その14-動詞的動名詞と名詞的動名詞
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
⇒ 動名詞 [Ving] の用法-総合目次
まず、次の英文を見てください。
He refused the offer suddenly.
refuse O [リフューズ] : Oを断る
offer [オーファ] : 申し出
彼は突然その申し出を断った。
では、この英文を、動名詞に圧縮してみましょう。
まず最初に、文の文の主語の he を、動名詞の意味上の主語 = 所有格か目的格[通格]の his [him] に変えます。
⇒ 動名詞の意味上の主語
次に、述語動詞の refused を refusing に変えます。
his [him] refusing the offer suddenly
彼が突然その申し出を断った[断る]こと
次の例文のように、
I was surprised at[by] his[him] refusing the offer suddenly.
私は彼が突然その申し出を断ったことに驚かされた[驚いた]。 (過去の過去)
Is there any possiblity of his[him] refusing the offer suddenly?
彼が突然その申し出を断る可能性はあるだろうか? (未来)
⇒ 動名詞が表す「時」
単純な動名詞は文脈に依って「時」が左右されるので、もうすでに終わった行為を言う場合には、完了動名詞[having Vpp] を使います。
his [him] having refused the offer suddenly
彼が突然そのの申し出を断ったこと
⇒ 完了動名詞
I was surprised at[by] his[him] having refused the offer suddenly.
私は彼が突然その申し出を断ったことに驚かされた[驚いた]。
動詞 refuse には、refusal [リフューザル] という名詞形がありますから、今度はそれを使って上記の英文を名詞に圧縮してみましょう。
文の主語を所有格の his に変え、副詞の suddenly を形容詞の sudden に変えて名詞の前に移動させ、refuse の目的語の the offer を of で後ろに連結して、
his sudden refusal of the offer
彼の突然のその申し出の拒絶[辞退]
→ 彼が突然そのの申し出を断ったこと
I was surprised at[by] his sudden refusal of the offer.
私は彼の突然のその申し出の拒絶[辞退]に驚かされた[驚いた]。
→ 私は彼が突然その申し出を断ったことに驚かされた[驚いた]。
これらの動名詞と動作名詞の中間的な表現に、次のようなものがあります。
his sudden refusing of the offer
彼の突然のその申し出の断り
→ 彼が突然そのの申し出を断ったこと
I was surprised at[by] his sudden refusing of the offer.
私は彼の突然のその申し出の断りに驚かされた[驚いた]。
→ 私は彼が突然その申し出を断ったことに驚かされた[驚いた]。
形は動名詞と同じ refusing ですが、使い方は名詞の refusal と全く同じですね。
このような動名詞を 「名詞的動名詞」 と言います。
それに対して、これまで学習してきた普通の動名詞を 「動詞的動名詞」 と言います。
「名詞的動名詞」 は少し古めかしい文語表現ですが、今でも時々使われるので受信用英語として覚えておく必要があります。
refuse に対する refusal のように、「動詞の名詞形」がある場合は、「動詞的動名詞」や「名詞的動名詞」よりも「動詞の名詞形」が優先されて使われます。
(もちろん、that 節 = that + 文 が使える場合は、そちらの方がさらに優先されます。)
that 節 か 動作名詞 > 動詞的動名詞 > 名詞的動名詞
I was surprised (that) he had refused the offer suddenly. (◎)
I was surprised at[by] his sudden refusal of the offer. (〇)
I was surprised at[by] his[him] refusing the offer suddenly. (△)
= I was surprised at[by] his[him] having refused the offer suddenly. (△)
I was surprised at[by] his sudden refusing of the offer. (△)
「名詞的動名詞」 は、比較的マイナーな表現ですが、大学入試の英文にも時々出てくるので、受信用の英語として少し練習しておきましょう。
次の「動詞的動名詞」を「名詞的動名詞」に変換してみましょう。
1. my wife('s) buying too many clothes
1. clothes [クロウズ] : 服
1. 私の妻がたくさん服を買いすぎること
1. → my wife's buying of too many clothes
2. buying too many clothes
2. たくさん服を買いすぎること
2. → the buying of too many clothes
意味上の主語がなく、一般的に「Vすること」という意味にしたい場合は、通例、「名詞的動名詞」に the を付けます。
3. hunting foxes illegally
3. hunt O [ハント] : Oを狩る
3. fox [ファクス] : キツネ
3. illegally [イリーガリ] : 違法に、不法に
3. 違法にキツネを狩ること
3. → the illegal hunting of foxes
3, illegal [イリーガル] : 違法な、不法の
副詞の illegally を、形容詞の illegal に変えて前置します。
illegal fox hunting (違法なキツネ狩り) とも言えますが、その場合は完全に名詞化しているので、the は不要です。
次のような Ving は、「名詞的動名詞」 というよりは、完全な 「名詞」 とみなした方がよさそうです。
1. skiing (スキー) や driving (運転) や swimming (水泳) など、一語で完全に名詞化したもの。
1. his careless driving (彼の不注意な運転) も、「名詞的動名詞」というよりは「名詞」に近いです。
2. a(n) や 数詞を伴うもの、複数形にできるもの
2. a liking for ~ (~に対する好み) / make a living (生計を立てる) / two killings (二件の殺人事件) / savings (貯金)
3. fox hunting (キツネ狩り) bird(-)watching (野鳥観察) / kite-flying (凧あげ) のような「複合語」
4. 所有格にできるもの
4. for living's sake [セイク] (生きるために[生活のために])
最後に、
名詞 > 動詞的動名詞 > 名詞的動名詞
という優先順位を忘れないようにしましょう。(^-^)
次回-英語 (A XXX B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1
⇒ 動名詞 [Ving] の用法-総合目次
tb: -- cm: 0
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1 (A as well as B)
いきなり、意味の分からない変なタイトルの記事で申し訳ありません。m(__)m
順番に記事を読んでいけば意味が分かりますから、しばらく辛抱してください。
まず最初に、太線部に注意して次の英文を和訳してみましょう。
1. She was very kind.
2. She gave us some money as well as food.
『えーと、「A as well as B」 は 「Bと同様にAも」「BだけでなくAも」という意味の慣用句だから、「彼女はとても親切だった。食べ物だけでなくお金もくれた。」と和訳すればいいじゃないですか?』
正解です。真面目に英語を勉強していれば、高校1年生でもこれ位の和訳は楽勝ですね。
では、次の英文はどうでしょう?
2. An American friend of mine really loves sports. .
1. He likes baseball, basketball, football, as well as soccer.
1. football : ここでは、association [アソシエイション] football = サッカーではなく、 米語の American football = アメリカンフットボール = アメフト(通称) という意味
1. soccer [サカ] : サッカー
『同じじゃないんですか?「私のあるアメリカ人の友達は本当にスポーツが好きです。サッカーだけでなく野球もバスケットボールもアメフトも好きです。」 あれ? … (?_?) … なんか変ですね?この英語、順番がおかしくないですか?』
正解の和訳は、「野球もバスケットボールもアメフトも、それにサッカーも好きなんです。」 です。
『そんな前から後ろに流す訳し方、学校で習わなかったですよー。手元の辞書や参考書にも載ってないしー。(# ゚Д゚) 』
確かにそうですね。
たいでいの辞書や学習参考書には A as well as B = Bと同様Aも、BだけでなくAも、BはもちろんAも としか書かれていませんね。
ごく一部の辞書や参考書類にしかまだ書かれていませんが、 A(,) as well as B には、前から順送りに和訳しないと文意が通らない場合が多々あるのです。
オンラインの辞書、英辞郎 で as well as を調べてみると次のように書かれています。
《A as well as》 AもBも、AおよびB、BだけでなくAも、BはもちろんAも
興味深いですね。前から順送りする和訳の方を先に紹介して、後ろから訳す従来の和訳を後回しにしています。
別のオンライン辞書 Weblio (研究社英和中辞典) には、A as well as B の語法の解説のコラムで、
(2) 時には A と B が意味上対等な重みで並置されることがある
(2) In theory as well as in practice, the idea was unsound.
(2) 理論的にも実際面でもその考えはしっかりしたものではなかった.
辞書類は保守的ですから、A と B の 「並置・並列訳」 = 「AもBも」「AおよびBも」 しか載せられていないようです。
ところが、実際の英文では、A と B が逆転した 「AだけでなくBも」「「AはもちろんBも」と解釈しなければ文意が通じない場合が多々出てきます。
手元にある辞書では、ウィズダム英和辞典(第3版)だけが、「AだけでなくBも、と訳したほうが適切な場合もある」 という注意書きを付けています。
Longman Dictionary of Contemporary English Online には、
as well as something/somebody
in addition to something or someone else
何か他のもの、誰か他の人に加えて
という定義が書かれています。
この定義からすると、「Bに加えてAも」 → 「BだけでなくAも」 と訳すのが正しそうに見えるのですが、その下に書かれている例文は、
They own a house in France as well as a villa in Spain.
彼らはスペインの別荘に加えて[だけでなく]フランスに家も持っている。(・・?
どう考えても逆ですね。
ウィズダム英和の注意書き通り、「彼らはフランスに家を持っているだけでなく、スペインに別荘も持っている。」 と訳す方が適切です。
まとめます。
A(,) as well as B
1. BだけでなくAも、BはもちろんAも
1. (意味上の重点は A にあり、後ろから訳し上げる。)
2. AもBも、AそれにBも
2. (意味上の重点は A B 同等で、前から後ろに順送りに訳す。)
3. AだけでなくBも、AはもちろんBも
3. (意味の重点は B にあり、前から後ろに順送りに訳す。)
どの意味になるかは、文脈で決まる。
となります。
一番最初に挙げた例文は、文脈によって次の3つに解釈できます。
She gave us some money as well as food.
1. 彼女は食べ物だけでなくお金もくれた。
2. 彼女はお金も(それに)食べ物もくれた。
3. 彼女はお金だけでなく食べ物もくれた。
『1. や 2. はともかく、3. のような特殊な訳し方、私達高校生には必要ないんじゃないですか?』
いや、必要です!
大学入試や検定教科書の英語にも出てきますから、高校生や受験生も覚えておく必要があります。
次回から、もう少し踏み込んで、この A と B の逆転現象について書いていこうと思います。
また、このような現象が起きている他の表現も紹介していきます。
次回-英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その2 (A as well as B)
tb: -- cm: 0
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その2 (A as well as B)
お知らせ - 前回の記事(その1)を少し加筆訂正しました。
前回、高校生も受験生も、A as well as B の3つ目の意味、 「AだけでなくBも」 も覚えておく必要がある、と断言しました。
先ほど、センター試験の過去の問題集をパラッと開くと、いきなり as well as が目に飛び込んできました。
8行の短文ですから、全文を語句の注と和訳付きで掲載します。
2018年度 本試験 B - 問 1
Students in Japan are now engaging more in practical activities and less in memorization of facts in class.
engage in ~ [インゲイジ] : ~に従事する、~を行う
practical activity : (理論ではなく)実際に行う実体験的活動 → (本文の場合は)実習、実技
memorization of facts [メマライゼイション] : 知識の暗記
日本の学生は、最近授業で、実習を以前よりも多く行い、知識の暗記はあまり行わないようになってきている。
Students are learning scientific principles through actual experience.
actual [アクチュアル] : 実際の
principle [プリンサプル] : 原理、基本
学生は、実体験を通して、科学的原理を学んでいる。
They build electric motors using everyday goods, such as wire, magnets, and paper clips.
electric motor [イレクトリク・モウタ] : 電気モーター
everyday goods : 日用品
magnet [マグナト] : 磁石
彼らは、ワイヤーや磁石や書類止めクリップのような日用品を使って、電気モーターを作る。
They make ice cream by hand with salt and ice.
by hand : 手で
salt [ソールト] : 塩
彼らは、塩と氷でアイスクリームを手作りする。
Students say that they like new studying style because it is practical as well as enjoyable and educational.
enjoyable [エンジョイアブル] : 楽しい
educational [エジュケイショナル] : 教育的な、ためになる
学生は、実体験できるだけでなく楽しくてためにもなるので、その新しい勉強方法が気に入っていると言っている。
It is hoped that this new method will encourage students to become more interested in science.
method [メサド] : 方法、手段
encourage 人 to V [インカーラジ] : 人をVするように励ます[促す]
この新しい方法が、科学にもっと興味を持つように学生たちを促すことが望まれる。
→ この新しい方法で、学生が科学にもっと興味を持つようになることが望まれている。
because it is practical as well as enjoyable and educational
最初の文で、「practical activities (実習) を以前よりも多く行っている」 と言っているのですから、practical は 「旧情報」 で enjoyable and educational が 「新情報」 になります。
ですから、「実体験できるだけでなく楽しくてためにもなるので」 と前から順送りに和訳するのが妥当だと思います。
もう1つ実例を挙げます。
次に挙げる英文は、大学受験を終えた高校生に、口語英語の入門用に勧めている 「アメリカ口語教本-中級用最新改訂版」 Lesson 1 の(A as well as B 入りの)英文です。
長文なので、スマホで見ている人はちょっと見にくいかもしれません。
次のリンクに、英文を分割説明しているページがありますから、参考にしてください。
⇒ 詳しい解説と和訳はこちら。
DIY _ DO IT YOURSELF
These days, DIY shops are popping up all over the place. DIY, stands for "do it yourself." These stores offer the chance for common people who prefer to make their own tables, desks, bookshelves, and whatnot. Making your own things gives you a lot of satisfaction and a sense of pride. Some people may tell you it's difficult to make your own furniture, but it's not as hard as you might think. Most of the products sold in DIY shops come in kits. It's a bit like putting together a plastic model. Almost all of these kits can be assembled quickly and easily with the simplest of tools, a screw driver, some wrenches and maybe a hammer. However, making furniture from raw materials requires more tools and talents. You have to measure and cut the wood, sand, and paint the piece as well as create your own design. Designing your furniture is both fun and practical. You can make furniture that fits your apartment and your taste. Though DIY seems to be a new trend, you might be surprised to know that it has been around a long time in Japan. These shops are called "Nichiyoudaiku" shops. DIY shops remind me of an old saying; "If you want something done well, you should do it yourself."
A as well as B の A と B のどちらに重点があるかは、文脈によって決まるので、全文和訳を載せておきます。
最近、DIY ショップがあちこちにできている。 DIY は do it yourself (自分でそれをやれ → 自分でやろう) の略である。 これらの店は自分でテーブルや机や本棚などを作りたいと思っている普通の人によい機会を提供してくれる。 自分で物を作れば多くの満足とプライドが得られる。 自分で家具を作るのは難しいと言う人もいるかもしれないが、それはあなたが思っているほど難しくはない。 DIY の店で売られている製品のほとんどは組み立て式部品セットで手に入る。 それはプラモデルを組み立てるのに少し似ている。 このような組み立て式部品セットはたいていがドライバーとレンチ[スパナ]とたぶんハンマーのようなごく簡単な道具ですぐ簡単に組み立てることができる。 しかしながら、加工していない材料で家具を作るにはさらに多くの道具と才能が必要だ。 材木の長さを測って切り出し、紙やすりをかけ、部品にペンキを塗るだけでなく、自分でデザインも考えなければいけない。 家具をデザインするのは楽しく又実用的である。 あなたのマンションや好みに合った家具を作ることができる。 DIY は最近の流行のように思えるけれども、ずいぶん昔から日本にあるものだと知ったら驚くかもしれない。 このような店は日曜大工店と呼ばれている。 DIY ショップで私は古いことわざを思い出す。「何か良い物が欲しければ、自分で作りなさい。」
訳者注 :
原文は sand の後にコンマが入っていますが、私はそれを消して、
You have to (measure and cut the wood), (sand and paint the piece) as well as (create your own design).
材木の長さを測って切り出し、部品に紙やすりをかけペンキを塗るだけでなく、自分でデザインも考えなければいけない。
のほうがベターだと考えています。
sand の目的語も the piece だと思います。
国語に強い人はもうおわかりでしょう。 (^-^)
太線部分の直前の文で、「組み立て式のセットではなく、加工されていない生の材料で作るのは多くの道具と才能が必要だ」と前置きします。
太線部分では、直前の文の内容を受けて、「測定・切り出し・やすりがけ・ペンキ塗りが必要だ」 と続け、さらにそれに加えて 「デザインも自分で考える必要がある」 と追加します。
そして、その後の文で、「自分でデザインすれば、実用的で楽しく、自分の好みの家具を作ることができる」 と結びます。
この文脈では、前の記事で紹介した3番目の、
3. AだけでなくBも、AはもちろんBも
3. (意味の重点は B にあり、前から後ろに順送りに訳す。)
に解釈せざるを得ません。
私見ですが、この英文のように、もうすでに A の部分に and を使っている場合や、複数の A を列挙した後に as well as B を置く場合は、前から順送りに訳すことが多いような気がします。
現時点では、3つの用法が混在しているので、文脈で判断するしかないでしょうね。 ( ノД`)
次回は、A(,) as well as B と同じ、「A と B の逆転現象」 が起きている、A, not to mention B を扱います。
《質問》
頭が混乱してきましたよー!
as well as の使い方を、わかりやすく最初からもう1度まとめ直しててください。
《答え》
わかりました。 (^-^)
ただし、as well as の全用法は、長くなりそうなので、ここではなく、別ページで説明します。
⇒ as well as の用法-その1(導入)
⇒ as well as の用法-その2(基本用法)
⇒ as well as の用法-その3(発展用法)(作成中、しばらくお待ちください、m(__)m )
前回-英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1 (A as well as B)
次回-英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その3 (A not to mention B)
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Sun.
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その1(導入) 
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その1(導入)
今回は、英文中に出てくる、さまざまな as well as を理解する練習です。
ちょっと長くなりそうですが、最後までお付き合いください。 (^-^)
次の英文は、 副詞の well を使った、中学レベルの英語です。
Ken plays the piano very well.
ケンはとても上手にピアノを演奏する。
この英文を、比較をする文に書き換えてみましょう。
a. Ken plays the piano as well as you do.
b. Ken plays the piano better than you do.
c. Ken plays the piano (the) best in my class.
a. do : play the piano を受ける代動詞
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
a. ケンは君と同じくらい上手にピアノを演奏します。
b. ケンは君より上手にピアノを演奏します。
c. ケンは私のクラスで一番上手にピアノを演奏します。
a. の as well as ~ は、 「~と同じくらい上手に」 という意味の 「同等比較」 ですね。
次に、a. の英文を否定文にしてみましょう。
a. Ken doesn't play the piano as well as you do.
a. ケンは君ほど上手にピアノを演奏しない。
同等比較の否定文では、 not as well as ~ で、 「~ほど上手に…ない」」 という意味になります。
well には、「上手に、うまく」 という意味だけでなく、「よく」 という意味もありましたから、その意味の well も使った例文も挙げておきます。
I know Ken as well as you do.
私はあなたと同じくらい[あなた同様]よくケンを知っています。
I can't sleep as well as I used to.
used to V [ユースト] : 以前はVした(ものだった)
私は以前ほどよく眠れません。
さて、ここまで説明したことをまとめてみましょう。
as well as ~
~と同じくらい上手に[よく]
not as well as ~
~ほど上手に[よく]…ない
[暗誦例文]
1. Ken plays the piano as well as you do.
2. Ken doesn't play the piano as well as you do.
3. I know Ken as well as you do.
4. I can't sleep as well as I used to.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. ケンは君と同じくらい上手にピアノを演奏します。
4. ケンは君ほど上手にピアノを演奏しない。
3. 私はあなたと同じくらい[あなた同様]よくケンを知っています。
4. 私は以前ほどよく眠れません。
ここまでは理解できましたか?
では、次に進みます。 (^-^)
次の英文は、一見すると、これまでと同じ同等比較の英文です。
Ken plays the piano as well as the guitar.
ケンはギターと同じくらい上手にピアノも演奏します。
実は、この英文は、文脈によっては、次のような意味にもなります。
Ken plays the piano as well as the guitar.
ケンはギターだけでなくピアノも演奏します。
暗誦例文の 1. の英文も、最後の do を消すと、
Ken plays the piano as well as you.
あなただけでなくケンもピアノを演奏する。
と誤解されかねません。
これらの英文の場合、well (上手に、よく) の意味が消えて、次のような意味の慣用句になっています。
A(,) as well as B
Bと同様にAも
BだけでなくAも
BはもちろんAも
次回(as well as - その2)は、この A(,) as well as B の基本用法を詳しく練習します。
次次回(as well as - その3)で、A(,) as well as B の発展用法を紹介します。
次回 - 高校英語・基礎 - as well as の用法 - その2(基本用法)
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英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その3 (A not to mention B)
お知らせ - 前回の記事(その2)を少し加筆訂正しました。
私が高校生時代に学習した not to mention ~ の意味と例文は次のようなものでした。
not to mention ~
= not to speak of ~
= to say nothing of ~
~は言うまでもなく
He can speak French, not to mention English.
彼は英語は言うまでもなくフランス語も話せる。
今でも大部分の受験参考書は同じような意味と例文を載せています。
ところが、前々回と前回に紹介した A(,) as well as B と同じように、 A, not to mention B にも、A と B の逆転現象が静々と進行しているようです。
ジーニアス英和辞典 第5版(最新版)で as well as を引いても相変わらず従来と同じ説明しか載せられていませんでしたが(ちょっとがっかりしました (-_-) )、 not to mention と to say nothing of に関しては、旧版の第4版でもうすでに次のように説明されています。
not to mention O 《略式》
…は言うまでもなく(さらに重要なことには)、…はさておき
[先行文を受けて] それに(加えて)、それにまた、さらに (to say nothing of)
《話し手の発言内容を強調し、Oには先行文の中心語と関係のある語句がくる》
She's a former judge, not to mention an attaractive blonde.
彼女は判事をしていたことがあり、それにまた魅力的な金髪の女性でもあるんだ。
to say nothing of O [肯定・否定文で]
…は言うまでもなく
[先行文を受けて] それに(加えて)、それにまた、さらに
《話し手の発言内容を強調し、Oには先行文の中心語と関係のある語句がくる》
《not to mention と異なり、通例「よくないこと」の用いられる》
The garden is a mess, to say nothing of the house.
家は言うまでもなく、庭もひどいものだった。
It was a complete waste of time, to say nothing of the expense.
それは完全な時間の浪費だった。さらにその費用も大きかった。
not to speak of O
…は言うまでもなく
She is fluent in three languages, not to speak of her mother language.
彼女は自分の母語はもちろんのこと、3か国語が流暢だ。
最新版の第5版を見ると、ほぼ同じ内容で、to say nothing of O の 「通例よくないことに用いられる」が削られているているだけでした。
ジーニアス英和の記述をまとめると大体次のようになります。
A, not to mention B
= A, to say nothing of B
1. Bは言うまでもなく、A(も)
2. A、それにまた[さらに] Bも
A, not to speak of B
Bは言うまでもなA(も)
あくまで、原意である 1, の意味を優先しています。
次に、海外の英英辞典の定義と例文をを見てみましょう。
Cambridge Dictionary Online (CDO) では、
not to mention (英語)
[定] used when you want to emphasize something that you are adding to a list:
[定] 一覧に加えようとしているものを強調したい時に使われる
[例] He's one of the kindest and most intelligent, not to mention handsome, men I know.
[例] 彼は私が知っている最も親切で最も頭が良くてさらにハンサムな男の人の一人だ。
not to mention (someone/something) (米語)
[定] and something else, even more than the first thing:
[定] そして、最初のものよりもさらに一層(程度が大きな)何か他のもの
[例] Bananas were scarce, not to mention mangoes.
[例] バナナが不足していた、そしてさらにマンゴーも不足していた。
to say nothing of …
[定] and in addition there is …
[定] そしてさらに…がある
[例] It would be an enormous amount of work, to say nothing of the cost.
[例] それはものすごい量の仕事になるだろう、そしてさらに費用もかかるだろう。
not to speak of 記述なし
Oxford Advanced Leaner's Dictionary Online (OALDO) では、
not to mention
[定] used to introduce extra information and emphasize what you are saying
[定] 追加の情報を提示し述べていることを強調するために使われる
[例] He has two big houses in this country, not to mention his villa in France.
[例] 彼はこの国に大きな家を2軒持っているだけでなくさらにフランスに別荘も持っている。
to say nothing of something
[定] used to introduce a further fact or thing in addition to those already mentioned
[定] 既に述べられたものに加えてさらに追加の事実や物事を提示するために使われる
[例] It was too expensive, to say nothing of the time it wasted.
[例] それはコストが高すぎたし時間も無駄だった。
not to speak of 記述なし
Longman Dictionary of Contemporary English Online (LDCEO) では、
not to mention something
[定] used to introduce an additional thing that makes a situation even more difficult, surprising, interesting etc
[定] 状況をさらにもっと困難、驚くべき、興味深い、等の状態にする追加の物事を提示するために使われる
[例] Pollution has a negative effect on the health of everyone living in the city, not to mention the damage to the environment.
[例] 汚染[公害]はその都市に住んでいる人全てに悪影響を及ぼしている、そしてさらに環境にも被害も与えている。
[例] It’s too far to walk, not to mention the fact that it’ll probably be closed by now anyway.
[例] 歩いて行くにはあまりにも遠すぎるし、それにどうせ今頃はおそらく閉まっているだろうしね。
to say nothing of something
[定] used to mention another thing involved in what you have just been talking about
[定] ずっと話していることに関連した別の事柄を述べるために使われる
[例] It wasn’t much for three years’ work, to say nothing of the money it had cost.
[例] それは3年間の労力の割には大したことはなかったし、またかかった費用の割にも大したことはなかった。
not to speak of 記述なし
まず第1に、海外の英英辞典には、 not to speak of は載せられていないようです。
したがって、そんなまれな表現は、皆さんは覚える必要がないように思えます。
第2に、ジーニアスで先に書かれていた「B は言うまでもなく、A(も)」 の定義がありませんね?
すべて、「A、それに加えて[さらに] B」 という定義ばかりです。
では、私見で (;'∀') まとめてみます、
A, not to mention B
= A, to say nothing of B
= A, not to speak of B (まれ)
1. A、それに加えて [さらに] B も
1. (B に重点があり、前から順送りに訳す)
2. B は言うまでもなく A も
2. (A に重点があり、後ろから訳す)
※ 2. 方が本来の意味だが、1. の方が圧倒的によく使われているようだ。
※ 1. と 2. のどちらに解釈するかは文脈による。
※ B は、基本的に名詞になる。
※ to say nothing of は、「よくないこと」に使われる傾向性が高いようだ。
※ not to speak of はまれな表現なので、覚えなくてもよい。
となります。
上記の例文を少し覚えやすいように改作して、暗誦例文も付けておきます。
1. I have a house in Tokyo, not to mention a villa in Karuizawa.
1. = I not only have a house in Tokyo, but also (have) a villa in Karuizawa.
1. villa [ヴィラ] : (大)別荘、別邸
2. The restaurant is too far to walk (to), not to mention[to say nothing of] the fact that it's raining..
3. = The restaurant is too far to walk (to); and also it's raining.
3. walk to ~ : ~まで歩いて行く
3. too ~ to V : Vするには~すぎる、~すぎてVできない
3. It was a complete waste of time, not to mention[to say nothing of] the money it had cost.
2. complete [カムプリート] : 完全な、全くの
2. waste [ウェイスト] : 無駄、浪費
2. cost 金 [コスト] : 金がかかる cost - cost - cost
4. He speaks three languages, not to mention his mother language.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 私は東京に家を1軒持ってるだけでなく、軽井沢に別荘も持っている。
2. そのレストランは歩いて行くには遠すぎる、それに雨も降っているしね。
3. それは全くの時間の無駄だったし、その上かかったお金も無駄だった。
2. かかったお金は言うまでもなく、それは全くの時間の無駄だった。(別解)
4. 彼は母語は言うまでもなく3か国語を話す。
3. は2重に解釈できてあいまいです。
発信用英語としては、not to mention のほうを使えばいいと思います。
次回は、A と B がほぼ逆転し終わっている、A, not to say B についてです。
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1 (A as well as B)
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その2 (A as well as B)
次回-英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その4 (A, not to say B)
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Fri.
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その2(基本用法)  
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その2(基本用法)
前回は、 as well as の well (上手に、よく) の意味が消えて、次のような意味の慣用句になっているところまで説明しました。。
A(,) as well as B
= not only B but also A
Bと同様にAも
BだけでなくAも
BはもちろんAも
元々は as ~ as … (… 同じくらい~) という同等比較から発展した慣用句ですから、well の意味がなくなっても、訳す順番は同じです。
後ろから、「A と同様に[だけでなく][はもちろん] B も」 と訳すのが基本で、B のほうに重点が置かれています。
(その3の発展用法では、A と B の逆転現象が発生しますが … (;'∀'))
A と B には、文法的に同等な語句が使われるのが基本です。
具体的に言えば、名詞と名詞、形容詞と形容詞、前置詞 + 名詞と前置詞 + 名詞、動詞と動詞、等となります。
ただし、文と文を結ぶことはできません。
例文で理解しましょう。
1. He speaks French as well as English.
1. = He speaks not only English but also French.
2. She was a mother of three children as well as a good teacher.
2. = She was not only a good teacher but also a mother of three children.
3. She is intelligent as well as beautiful.
3. = She is not only beautiful but also intelligent.
4. intelligent [インテラジェント] : 頭がいい
4. He is famous in the world as well as in Japan.
4. = He is famous not only in Japan but also in the world.
5. I love him as well as respect him.
5. = I not only respect him but also love him.
6. I have to wash the dishes as well as (to) cook dinner.
6. wash the dishes = do the dishes : 皿洗いをする
6. = I not only have to wash the dishes but also (have to) cook dinner.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 彼は英語だけでなくフランス語も話す。
2. 彼女は良い教師であるだけでなく、3人の子供の母親でもあった。
3. 彼女は美しいだけでなく頭もよい。
4. 彼は日本だけでなく世界でも有名である。
5. 私は彼を尊敬してるだけでなく愛してもいる。
6. 私は皿洗いをするだけでなく晩御飯も作らなければいけない。
1. は、名詞と名詞
2. は、名詞 と 名詞
3. は、形容詞と形容詞
4. は、前置詞 + 名詞 と 前置詞 + 名詞
5. は、動詞と動詞
6. は、to + 動詞の原形と to + 動詞の原形(ただし、to は通例省略されます)
A as well as B が主語に使われる場合は、重点が置かれている A の人称と数に述語動詞を合わせます。
6. I, as well as you, am responsible for that.
6. = I am responsible for that as well as you.
6. = Not only you but also I am responsible for that.
6. be responsible for ~ [リスパンサブル] : ~に対して責任がある
6. 君だけでなく私にもそれに対して責任がある。
高校生が学校で使っている副教材に、この文法事項を試す問題が良く載せられています。(はっきり言って、愚問です!)
Tom as well as I (is、am、are) respomsible.
正答はもちろん 重点がある Tom に合わせて is になっています。
はたして、実際の英語はどうなんでしょうか?
Tom, as well as I, is responsible.
のように、コンマがあれば、一応、意味がはっきりしていますから、 is が正解です。
実は、コンマがない場合は、次に説明する発展用法に解釈でき、
(Tom as well as I) are responsible.
トムにも私にも(両方)責任がある。
という風に、are が使われることも多いのです。
(下手をすれば、コンマがあっても are が使われることがあるくらいです。)
したがって、主語に as well as を使うのはあいまいです。
皆さんは次のような表現を使ってください。
Not only I but also Tom is responsible.
私だけでなくトムにも責任がある。
Both Tom and I are responsible.
トムと私の両方に責任がある。
as well as B が、in addition to B (Bに加えて) と同意の 前置詞(相当語)句 とみなされ、B の部分に動名詞が使われることがよくあります。
上記の例文の 2. と 3. と 5. は。
2. She was a mother of three children(,) as well as being a good teacher.
3. She is intelligent(,) as well as being beautiful.
5. I love him(,) as well as respecting him.
とも言えます。
6. は、I have to wash the dishes(,) as well as cooking dinner. と言う人もいますが、元々 have to V の (to) V なので、避けた方が無難です。
文と文をつなぐことはできないので、次のような文は不可です。
(×) She was a mother of three children, as well as she was a good teacher.
As well as B, A. (A は文)
Bだけでなく[はもちろん]、Aでもある。
のように文頭に as well as B を前置することもできます。
その場合、Bには 名詞 か 動名詞[Ving] が来ます。
1. As well as English, he speaks French.
2. As well as being a good teacher, she was a mother of three children.
3. As well as being beautiful, she is intelligent.
5. As well as respecting him. I love him.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 英語だけでなく、彼はフランス語も話す。
2. 良い教師であるだけでなく、彼女は3人の子供の母親でもあった。
3. 美しいだけでなく、彼女は頭もよい。
5. 彼を尊敬しているだけでなく、私は愛してもいる。
前文(A)を受ける、as well as that (その上、それに加えて) という慣用句もあります。
A. As well as that, B. (A と B は文)
Aである。その上 B でもある。
2. She was a good teacher. As well as that, she was a mother of three children.
2. 彼女は良い教師であった。その上、彼女は3人の子供の母親でもあった。
この場合の as well as that は、文と文をつなぐ つなぎ語 = 接続詞(句) 接続副詞(句) で、次のような同意語があります。
in addition (to that) [アディション] = besides (that) [ビサイズ] = on top of that = not only that = what is more = also = plus = furthermore [ファーザーモア] = moreover = additionally [アディショナリ]
「え~! そんなにたくさんあるの~!」という悲鳴が聞こえますが、あきらめてください。センター試験の英語程度でも、すべて既出です。
特に、in addition besides moreover furthermore は常識です。
がんばって覚えましょう。 (^-^)
A as well as B の A as well が分離して使われることがあります。
その場合、 as well は (,) too や also とほぼ同意です。
1. He speaks English and French as well.
1. = He speaks English and French(,) too.
1. = He speaks English and also French.
1. He speaks English. He speaks French as well.
1. = He speaks English. He speaks French(,) too.
1. = He speaks English. He also speaks French.
1. He speaks not only English but French as well.
1. = He speaks not only English but French(,) too.
1. = He speaks not only English but also French.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 彼は英語とそれにフランス語も話す。
1. 彼は英語を話す。彼は又フランス語も話す。
1. 彼は英語だけでなくフランス語も話す。
この (,) too や also と同意の as well は、多用されますので、しっかり覚えておきましょう。
かなり長い説明になりましたね。 m(__)m
最後に、最低限の暗誦例文を付けておきます。
1. He speaks French as well as English.
1. = He speaks not only English but also French.
2. He is famous in the world as well as in Japan.
2. = He is famous not only in Japan but also in the world.
3. She is intelligent as well as beautiful.
5. = She is intelligent(,) as well as being beautiful.
3. = She is not only beautiful but also intelligent.
4. I love him as well as respect him.
3. = I love him(,) as well as respecting him.
3. = I not only respect him but also love him.
5. I have to wash the dishes as well as (to) cook dinner. (to は、通例省略)
5. = I not only have to wash the dishes but also (have to) cook dinner.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. 彼は英語だけではなくフランス語も話す。
2. 彼は日本だけでなく世界でも有名である。
3. 彼女は美しいだけでなく頭もよい。
4. 私は彼を尊敬してるだけでなく愛してもいる。
5. 私は皿洗いをするだけでなく晩御飯も作らなければいけない。
6. I, as well as you, am responsible for that.
4. = I am responsible for that as well as you.
4. = Not only you but also I am responsible for that.
7. As well as being beautiful, she is intelligent.
8. As well as respecting him. I love him.
9. She was a good teacher. As well as that, she was a mother of three children.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6. あなただけでなく私にもそれに対して責任がある。
7. 美しいだけでなく、彼女は頭もよい。
8. 彼を尊敬しているだけでなく、私は愛してもいる。
9. 彼女は良い教師であった。その上、彼女は3人の子供の母親でもあった。
10. He speaks English and French as well.
11. = He speaks English and French(,) too.
11. He speaks English. He speaks French as well.
12. = He speaks English. He speaks French(,) too.
12. He speaks not only English but French as well.
13. = He speaks not only English but also French.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10. 彼は英語とそれにフランス語も話す。
11. 彼は英語を話す。彼は又フランス語も話す。
12. 彼は英語だけでなくフランス語も話す。
次回は、A as well as B の、A と B が逆転した発展用法を扱います。
前回 - 高校英語・基礎 - as well as の用法 - その1(導入)
次回 - 高校英語・基礎 - as well as の用法 - その3(発展用法)
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英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その4 (A, not to say B)
私が高校生時代に学校で学習した A, not to say B は次のような意味でした。
A, not to say B
Bとは言わないまでもA
It's very warm, not to say hot.
暑いとは言わないまでもとても暖かい。
独立不定詞(不定詞を使った慣用句)を扱ったページに、上記の例文と和訳を入れておいたところ、ある読者から 「AというよりはむしろB、AであるだけでなくB」 という意味では?というコメントと次のリンクを紹介していただきました。
⇒ "... not to say ..."の本当の意味は(その1 その2)
⇒ "... not to say ..."の本当の意味は(その3)
上記のリンクは、帝京大学のクリストファ・バーナード教授の英語で書かれた連載コラムですが、非常に参考になります。
バーナード教授の解説を簡単にまとめると次のようになります。
A not to say B は、いろいろな参考書や辞書に 「Bとは言わないまでもA」 という和訳が挙げられているが、それは正しくない。
「Bとは言わないまでもA」 という意味に相当する英語は次のような文である。
I will not say A, but B.
I will not go so far as to say A, but B.
go as[so] far as to V : Vまで[さえ]する
I will hesitate to say A, but B.
hesitate to V [ヘザテイト] : Vするのをためらう
A not to say B の本当の意味は次の2つである。
[1] A と B が、同系統の意味合いの語句の場合
A ≒ B (A と B は同系統の語句)
A < B (B は A より程度が高い)
A → 遠慮した控えめな意見
B → 本当に言いたいこと(本音)
[和訳] AというよりむしろBだ
[例] She is pretty, not to say beautiful.
[例] 彼女はかわいい、というよりむしろ美しい。
(遠慮して「かわいい」と言っておくが、本当は「美しい」と言いたい。)
[例] I was tired, not to say exhausted.
[例] exhausted [イグゾースティド] : 疲れ果てた、へとへとの、くたくたの
[例] 私は疲れました、というよりむしろもうへとへとです。
(私は疲れました。いや本当のところ、もう疲れ果ててへとへとです。)
[2] A と B が、違う系統の意味合いの語句の場合
A ≠ B (A と B は別系統の語句)
A → 想定内の期待通りの感想
B → 想定外の意外な感想
[和訳] AだけでなくBでもある
[例] The museum was educational, no to say fun.
[例] educational [エジュケイショナル] : 教育的な、ためになる
[例] その博物館はためになっただけでなく面白かった。
(その博物館は期待通り教育的でためになったが、それに加えて意外に面白かった。)
[例] The theme park was fun, not to say educational.
[例] theme park [シーム] : テーマパーク
[例] そのテーマパークは面白いだけでなくためにもなった。
(そのテーマパークは期待通り面白かったが、その上意外にも教育的でためになった。)
要するに、「本当に思っている考え=本音」や「想定外の意外な感想」 を付け加える時に not to say ~ を使う、という訳です。
では、日本の辞書を代表して、ジーニアス英和辞典の第4版と第5版の解説を転載します。
[第4版]
A(,) not to say B
(主に英) B (だ)とは言わないまでも A, A もしかすると B でさえ(ある) 《◆ A と B は文法的に対等なもの ; B は A より程度がはなはだしい内容の語句》 He is inconsiderate, not to say rude. 彼の態度は無礼だとは言わないが配慮に欠ける(いや無礼と言ってもいいくらいだ).
inconsiderate [インカンシダラト] : 思いやり[配慮]がない
rude [ルード] : 無礼な、失礼な、無作法な
先に太字で 「B (だ)とは言わないまでも A」 を挙げ、次に補足的に 「A もしかすると B でさえ(ある)」 を挙げています。
[第5版]
A(,) not to say B
A より B (だ)と言った方が良い : A だが、はっきり言えば B だ 《◆ (1) A と B は通例望ましくない内容の形容詞で、B は A より程度が高い. (2) B とはっきり言いたいが、まず A と言うことで表現を和らげる》 He is inconsiderate, not to say rude. 彼は思いやりがない.はっきり言えば失礼だ.
思い切って、 「B (だ)とは言わないまでも A」 を消しましたね。英断です。(^-^)
バーナード教授の1つ目の解説と同じです。
次に海外の英英辞典を見てみましょう。
[Cambridge Dictionary Online]
and possibly even:
もしかしたら(~)さえ
It would be unwise, not to say stupid, to leave your first job after only six months.
たった6か月で初めての職をやめるのは賢明ではないだろう、もしかしたら愚かでさえあるだろう。
unwise [アンワイズ] : = not wise 賢明でない、愚かな、無分別な
stupid [スチューパド] : 愚かな、バカな、ばかげた
[Oxford Advanced Leaner's Dictionary Online]
used to introduce a stronger way of describing something
何かを表現する程度がより強い方法を導入するために使われる
a difficult, not to say impossible, task
難しいというより不可能と言ってもよい仕事
[Longman Dictionary of Contemporary English Online]
especially British English used when adding a stronger description of something
特にイギリス英語で、何かの程度がより強い表現を付け加える時に使われる
The information is inadequate, not to say misleading.
その情報は不十分と言うよりはむしろ誤解を招きやすい。
その情報は不十分であるだけでなく誤解も招きやすい。
inadequate [イナダクワト] : 不十分な、不適切な
misleading [ミスリーディング] : 人を誤らせる、誤解を招きやすい。紛らわしい
CDO と OALDO の例文は、
unwise ≒ stupid
unwise < stupid
difficult ≒ impossible
difficult < impossible
で、間違いないでしょうが、LDCEO の例文はちょっとあいまいで、
inadequate < misleading
inadequate ≠ misleading
のどちらかよくわからないので、2種類和訳を付けておきました。
さて、結論です。
もうお分かりですね。
「B とは言わないまでも A」 という和訳はもはや過去の神話です。
次のように覚えておけばいいと思います。
A(,) not to say B
1. A ≒ B で A < B の場合
1. A というよりは(実は)むしろ B (とさえ言ってよい)
1. = rather than A, (actually) B = A, or maybe even B
2. A ≠ B
2. A だけでなく Bでもある
2. = not only A but also B
[暗誦例文]
1. It is very warm, not to say hot.
1. = It is very warm, (or) maybe (even) hot.
2. The lecture was educational, not to say very enjoyable..
2. = The lecture was not only educational but also very enjoyable.
2. lecture [レクチャ] : 講義
2. educational [エジュケイショナル] : 教育的な、ためになる、有益な
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. とても暖かいというよりはむしろ暑いです。
1. とても暖かいです、というか、暑いくらいです。
2. その講義は教育的でためになっただけでなくとても楽しかった。
次回は、A, not to say B と同じような意味の A, if not B を扱います。
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1 (A as well as B)
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その2 (A as well as B)
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その3 (A, not to mention B)
次回-英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その5 (A, if not B)
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Mon.
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その3(発展用法) 
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その3(発展用法)
お知らせ-前回の A as well as B を主語に使う場合の説明を少し補充しました。
前回は、A as well as B の基本用法を解説しました。
おそらく、高校の英語の授業では、この基本用法しか教えてもらえないでしょう。
でも、最近の英語には、これから紹介する発展用法も非常によく使われています。
検定教科書、英検、センターテスト、私大入試、新聞、雑誌、論文、等々の英語に、この発展用法が多数出てきます。
だから、現代英語を読むためには、この発展用法は是非とも覚えておかなければいけません。
A as well as B の発展用法に関しては、過去に書いた記事があるので、まずそれに目を通して下さい。
⇒ 英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1 (A as well as B)
上記の記事のまとめをもう一度ここに書きます。
A(,) as well as B
1. 基本用法
1. BだけでなくAも、BはもちろんAも
1. (意味上の重点は A にあり、後ろから訳し上げる。)
2. 発展用法
2. AもBも、AそれにBも、A および B
2. (意味上の重点は A B 同等で、前から後ろに順送りに訳す。)
3. 発展用法
3. AだけでなくBも、AはもちろんBも
3. (意味の重点は B にあり、前から後ろに順送りに訳す。)
どの意味になるかは、文脈で決まる。
次の記事で、A と B が完全に逆転した 3. の発展用法の実例を2つ紹介しました。
⇒ 英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その2 (A as well as B)
文脈がわかるように全文を引用したので長い記事になっていますが、参考にしてください。
では、どうしてこのような A と B の逆転現象が起こったのでしょうか (・・?
私見で (;・∀・) 仮説を立ててみます。
まず、基本用法の A(,) as well as B (B だけでなく A も) の A as well が分離して B(,) and A as well (B、それに A も) と変形されます。
それが誤用で B(,) as well as A (B も A も、B それに A も) = 2. の発展用法のように使われるようになったのではないか?、と私は思っています。
I invited Tom as well as Jerry.
私はジェリーだけでなくトムも招待した。。
↓
I invited Jerry and Tom as well.
私はジェリーとそれにトムも招待した。
↓
I invited Jerry as well as Tom.
私はジェリーもトムも[ジェリーそれにトムも]招待した。
特に、A, B, C(,) and D as well (A と B と C それに D も) のように、and の手前に複数の要素が並んでいる場合に、A, B, C(,) as well as D (A と B と C それに D も) のように使われる傾向性が高いように思われます。
I invited Tom, Jerry, Peter(,) and Sally as well
私トムとジェリーとピーターとそれにサリーも招待した。
↓
I invited Tom, Jerry, Peter(,) as well as Sally.
私トムとジェリーとピーターとそれにサリーも招待した。
さらに、A1 and A2, B, C(,) and D as well. (A1 と A2、B、C、それに D も) のように and が多重構造になっている場合は、 後方の and の代わりに as well as を使う傾向性がさらに高くなるように思われます。。
I invited Tom and his sister, Jerry and his brother, Peter(,) and Sally as well.
私はトムと彼の妹、ジェリーと彼の弟、ピーター、それにサリーも招待した。
↓
I invited Tom and his sister, Jerry and his brother, Peter(,) as well as Sally.
私はトムと彼の妹、ジェリーと彼の弟、ピーター、それにサリーも招待した。
この 2. の発展用法は、私見では、多分 1. の基本用法より多く使われているような気がします。
(あくまで、私個人の感想です。統計を取ったわけではありません。)
英語には、「文末焦点の原則」 という重要な原則があります。
簡単に言えば、「相手に伝えたい重要な情報を文末に置く」 という原則です。
[例] 太線部分が重要な情報
I'll give you my bike.
君に僕の自転車をあげよう。
I gave it to Tom, not you.
私は君じゃなくてトムにそれをあげたんだ。
A as well as B (B だけでなく Aも) のように A に重点を置く基本用法は、この 「文末焦点の原則」 に反しています。
だから、自然と 「文末焦点の原則」 に合わせる形でて A と B が逆転した 2. 3. の発展用法が生まれたのではないかと推測します。
How's your new secretary?
secretary [セクラテーリ] : 秘書
君の新しい秘書はどうだね?
Well, she's beautiful(,) as well as intelligent.
intelligent [インテラジェント] : 頭がいい
そうだね、頭がいいだけでなく美人だよ。 (基本用法)
(秘書だから頭がいいのは当然だが、それに加えて美人だよ。)
↓
(文末焦点の原則に従って、重点が置かれた beautiful が文末に移動する。)
Well, she's intelligent(,) as well as beautiful.
そうだね、頭もいいし美人だよ。(2. の発展用法)
そうだね、頭がいいだけでなく美人だよ。(3. の発展用法)
どの用法に解釈したらいいか迷いますね!
私なりのヒントを紹介しておきます。
[用法判定のヒント]
[要素が単数の場合]
A as well as B
まず最初に、2. の発展用法 の 「A も B も、A そして B も、AおよびB」 に解釈します。
both A and B とほぼ同意ですね。
ひどい場合は、both A as well as B となっている場合も見受けられますが、これはやりすぎでしょう。(-_-;)
この2. の発展用法 でほとんどの場合意味が通ります。
B に関連した話題が先に出て、 A に関連した話題が後に出てきている場合は、1. の基本用法の 「B だけでなく A も」 に解釈します。
A に関連した話題が先に出て、 B に関連した話題が後に出てきている場合は、3. の発展用法の 「A だけでなく B も」 に解釈します。
[複数の要素が前に並んでいる場合]
A, B, C(,) as well as D
A, B(,) and C(,) as well as D = {A, B(,) and C(,)} as well as D
A1 and A2, B, C(,) as well as D = (A1 and A2), B, C(,) as well as D
2. の発展用法 に解釈して、それぞれ、
「A、B、C、そして D も」
「A、B、と C、そして D も」
「A1 と A2、B、C、そして D も」
という意味になる場合が圧倒的に多いです。
as well as = and の意味になっているのです。
明らかに D に関連した話題が先に出て来ている場合は、1. の基本用法の に解釈して、「D だけでなく …も」 と後ろから訳します。
それとは反対に、A, B, C に関連した話題が先行していて、D に関する話題が後に続いている場合は、3. の発展用法 の 「… だけでなく D も」 と解釈します。
頭が混乱してきましたか?
最後の最後に、必殺 (;'∀') のまとめを作っておきます。
A as well as B
1. A も B も、A そして B も、A および B (上記の 2. の発展用法)
1. = (both) A and B
2. B だけでなく A も (上記の 1. の基本用法)
2. = not only B but also A
3. A だけでなく B も (上記の 3. の発展用法)
3. = not only A but also B
1. の意味で解釈してうまくいかない場合のみ 2. か 3. に解釈する。
as well as は意味があいまいなので、発信用の英語としては、意味がはっきりしている言い換え表現の (both) A and B not only B but also A not only A but also B を使うほうが良いと思います。
[例]
She is beautiful(,) as well as intelligent.
彼女は美しいし頭もいい。
これでだめなら ↓
彼女は頭がいいだけでなく美しい。
これでだめなら ↓
彼女は美しいだけでなく頭もよい。
As well as ~ [Ving], … . (1. の基本用法の変型)
= In addition to ~ [Ving], ….
~ [Vする] だけでなく、… である [… する]
文頭に置かれた as well as ~(名詞) / as well as Ving (動名詞) は、意味がはっきりしているので発信用英語として使えます。
[例]
As well as being intelligent, she is beautiful.
頭がいいだけでなく、彼女は美しい。
ただし、In addition to ~ [Ving] のほうが一般的な表現ですが …。
~ as well (1. の基本用法の変型)
= ~(,) too
また~も
これも、意味もはっきりしていて、しかも広く使われているので、発信用英語として是非とも覚えておきましょう。
[例]
She is intelligent(,) and beautiful as well.
彼女は頭がいいしそれにまた美しい。
She is intelligent. She is beautiful as well.
彼女は頭がいい。 彼女はまた美しい。
She is not only intelligent but beautiful as well.
彼女は頭がいいだけでなくまた美しい。
お疲れ様でした。 (^-^)
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その1(導入)
高校英語・基礎 - as well as の用法 - その2(基本用法)
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英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その5 (A, if not B)
次の問題と解説は、私の生徒の高校生が持っていたある副教材の一部です。
Mary is a speedy typist, ( ) an accurate one. (愛知学院大)
1. otherwise 2. if not 3. for example 4. as it were
正解 : 2.
和訳 : メアリは正確ではないにしても、タイプを打つのが早い。
解説 : if not A 「A ではないにしても、Aとは言わないまでも」
解説 : B, if not A 「A ではないにしても B」 の形がねらわれる。
私がはるか昔の高校時代に覚えた用法と全く同じです。
全然進歩していません。 。゚(゚´Д`゚)゚。
前回の A, not to say B と同様に、A, if not B も、帝京大学のクリストファ・バーナード教授の英語で書かれた連載コラムが非常に参考になります。
⇒ "if not the ~est"の本当の意味は?(その1)(その2)
バーナード教授の解説を簡単にまとめると次のようになります。
Newton is a great scientist, if not the greatest.
上の英文は2つの異なる解釈がある。
1. Newton is probably the greatest scientist.
1. ニュートンはおそらく最も偉大な科学者だ。
2. Newton is a great scientist, but perhaps not the greatest.
2. = Newton is a great scientist, even if not the greatest.
2. ニュートンは偉大な科学者だが、多分最も偉大ではない。
2. = ニュートンはたとえ最も偉大でないとしても、偉大な科学者である。
たいていのネイティブスピーカー[英語が母語の人]は、2. よりもむしろ 1. に解釈する。
2. のように、「譲歩」 の意味を表したければ、 if not ~ を前置すればよい。
Newton, if not the greatest scientist, is a great scientist.
= Newton, even if not the greatest scientist, is a great scientist.
ニュートンはたとえ最も偉大科学者でないとしても、偉大な科学者である。
さて、日本の和英辞典を見てみましょう。
辞書によって保守的な辞書と進歩的な辞書がありますが、代表で、研究社のルミナス英和辞典(オンラインで利用可能)の解説を引用します。この辞書の解説はバーナード教授のコラムの解説とほぼ同じですです。
if not … [接]
(1) いや(ひょっとすると) …かもしれない (or maybe even)
(1) 《程度・数量などがもっと大きい可能性があることを示す》.
・ It will be difficult, if not impossible, to cross this river.
・ この川を渡るのは難しいだろう, いや不可能かもしれない.
・ This happens hundreds if not thousands of times a year.
・ これは一年に何百回と, いや何千回も起こっている.
(2) たとえ…でないとしても — だ, …だというのはオーバーだとしても (but not)
(2) 《しばしばオーバーに聞こえる極端な事態を示す》.
・ Her manner was unwelcoming (even) if not downright rude.
・ 彼女の態度はまったく無礼なものといえないとしても冷たいものだった
・ 《★ even がないとき (1) の意味にもとれる》.
【語法】 この意味は語順を変えるとより明確になる:
・ Her manner was, if not downright rude, (at least) unwelcoming.
非常に明解な解説ですね。
多くの保守的な辞書が、2. の意味を先に挙げ、 1. の意味を補足的に付け足しているのに対して、ルミナス英和辞典は実に進歩的です。
次に海外の英英辞典を見てみましょう。
[Oxford Advanced Leaner's Dictionary Online]
used to suggest that something may be even larger, more important, etc. than was first stated
先に述べられたもの[こと]より何かがさらにいっそう大きい、重要、等であることを示唆するために使われる
They cost thousands if not millions of pounds to build.
それらは建設するのに数千ポンド、いや数百万ポンドかかった。
[Longman Dictionary of Contemporary English Online]
used when you are adding that something may be even more, less, better, worse etc than you have just said
ちょうど今言われたばかりのこと[もの]より何かがさらにいっそう程度が大きい、小さい、良い、悪い、等、かもしれないことを付け加える時に使われる
Her needs are just as important as yours, if not more so.
彼女の必要性はあなたの必要性と全く同じくらい重要だ、いやたぶんもっと重要かもしれない。
The snow was now two feet deep, making it difficult, if not impossible, to get the car out.
雪は今や深さが2フィートになっていて、車を出すのは困難、いや多分不可能だった。
ルミナス英和の 《程度・数量などがもっと大きい可能性があることを示す》. という解説とほぼ同じ定義ですね。
以上のことを踏まえてまとめます。
A, if not B
1. A、いや B かもしれない
2. B ではないにしても A
基本的に 1. の意味で解釈するほうが無難。
こちらから 2. の意味を発信したい時は、
A, even if not B
if not B, A
を使うようにする。
[暗誦例文]
1. It will be difficult, if not impossible, to cross this river.
2. Tezuka Osamu is the most famous manga artist in Japan, if not in the world.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. この川を渡るのは困難だろう, いや不可能かもしれない。
2. 手塚 治虫[てずかおさむ]は日本で、いや多分世界で最も有名な漫画家だ。
1. It will be difficult, even if not impossible, to cross this river.
1. = It will be, if not impossible, dificult to cross the river.
1. = If not impossible, it will be difficujlt to cross the river.
2. Tezuka Osamu is the most famous manga artist in Japan, even if not in the world.
2. = Tezuka Osamu, if not the most famous manga artist in the world, is (at least) the most famous in Japan.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1. この川を渡るのは、不可能ではないにしても、困難だろう。
2. 手塚 治虫は、世界で最も有名漫画家ではないにしても、(少なくとも)日本では最も有名だ。
ちなみに、冒頭で紹介した文法問題は、どちらに解釈しても正解は同じなのでご心配なく! (^-^)
最後に 《ちょっとプラス》
まだ、全く認められていませんが = 辞書類に全く記述がありませんが、 A in addition to B (B に加えて A も) にも、A と B の逆転現象が進行しているようです。
In addition to wealth, he has fame.
wealth [ウェルス] : 富
fame [フェイム] : 名声
富に加えて[だけでなく]、彼は名声も持っている。
は、意味が明瞭ですが、
He has fame(,) in addition to wealth. はあいまいで、
1. 彼は富に加えて[だけでなく]名声も持っている。
2. 彼は名声も(それに)富も持っている。
3. 彼は名声に加えて[だけでなく]富も持っている。
の3通りに解釈できます。
まだ、正式には認められていませんが、静かに A と B の逆転現象が進行しているように思えるのですが … (~_~;)
とりあえず、これから見守って行きたいと思います。
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その1 (A as well as B)
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その2 (A as well as B)
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その3 (A, not to mention B)
英語 (A xxx B) : 和訳(B → A) の 和訳 (A → B) への移行 - その4 (A, not to say B)
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Wed.
高校英語・基礎 - if を使った条件文 - 導入 
高校英語・基礎 - if を使った条件文 - 導入
「if を使った条件文」 と言えば、皆さんはきっと 「仮定法過去」 とか 「仮定法過去完了」 を 連想すると思います。
高校生の時、何冊もの参考書で 「仮定法」 の解説を真剣に何度もじっくり読んだのですが、解説の不備もあってか理解しきれませんでした。
文法問題はほぼ間違いなく解けるようになったものの、こちらから英語を発信できるレベルまでには到達できませんでした。
現在市販されている参考書類に目を通すと、私が高校時代に読んでいた参考書より格段に良くなっていて、きちんと理解すれば 「仮定法」 そのものはマスターできると思います。
問題は、学校の授業もそうですが、いきなり 「現在や過去の事実の反対の仮定」 から解説が始まることです。
ちょっと小テストをしてみましょう。
一応、学校で、又は過去に、仮定法を学習しているという前提でのテストです。
仮定法をまだ学習していない、学習したけどわからない、忘れてしまった、という人は、ここは適当に読み飛ばして、次の記事から読んでもらっても結構です。
次の日本語を英語で表現してください。
1. もし明日雨が降ったら、行かなくてもいいのになあ。
2. もし彼女の電話番号を知っていたら、彼女に電話するのだが。
3. もし彼女の電話番号を知っていたのなら、なぜ彼女に電話しなかったの?
4. もし彼女の電話番号を知っていたら、彼女に電話していたのだが。
正解は、
1. If it rained tomorrow, I wouldn't have to go.
2. If I knew her phone number, I would call her.
3. If you knew her phone number, why didn't you call her?
4. If I had known her phone number, I would have called her.
4. phone number [フォウン・ナムバ] : 電話番号
1. は 「仮定法[叙想法]過去形」 を使って 「未来」 のことを仮定しています。
「え、未来のことに過去形を使うの??」 と思う人もいるかと思われますが、別に変な例外的な英語ではなく、ごく普通の日常的な英語です。
「可能性の低い未来の仮定」 には、「仮定法[叙想法]過去形」 が使えるのです。
If I won the lottery, I could buy a Porsche.
lottery [ラタリ] : 宝くじ
Porsche [ポーシュ] : ポルシェ(ドイツ製の高級スポーツカー)
もし宝くじが当たったら、ポルシェを買えるのになあ。
なんて、ごく普通に使う英語です。
2. は、学校で真っ先に習うお馴染みの 「現在の事実の反対を仮定する仮定法[叙想法]過去形」 ですからわかりますよね。
3. は、「仮定法[叙想法]過去形」 ではなく 「直説法[叙実法]過去形] で、本当に 「過去」 のことに言及しています。
4. も 2. と同じく、学校で真っ先に習うお馴染みの 「過去の事実の反対を仮定する仮定法[叙想法]過去完了形」 です。
最初に述べた 「問題提議」 に戻ります。
学校で学習する文法 は、2. と 4. に集中しすぎです。
文法問題もほとんどが 2. と 4. を問う問題ばかりです。
1. の用法も教科書には書かれていますが、文法問題が作りにくく、英作でしか試しようがないので、軽視されがちです。
3. に至っては、一部の参考書を除いては、ほとんど無視されています。
でも、 1. 3. の英語がすっと出てこなくては、コミュニケーションに支障が出るとは思いませんか?
という訳ですから、いきなり 「仮定法」 の形から入るのではなく、いわば 「表現英文法」 という形式で、次のような順序で練習していきたいと思います。
[目次-予定]
1. if を使った未来の条件文の練習
(1) if を使った未来の条件文-その1
(1) If + S + V(s) [現在形] の説明
(2) if を使った未来の条件文-その2
(2) If + S + V(s) [現在形] の練習
(3) if を使った未来の条件文-その3
(3) 文法的補足説明 (マニア向け)
(4) if を使った未来の条件文-その4
(4) if 節中での will V / be going to V / be Ving (マニア向け)
(5) if を使った未来の条件文-その5
(5) 文法的補足説明からの発信用英語の練習
(6) if を使った未来の条件文-その6
(6) 可能性の低い条件文(もし万一~したら)
(7) if を使った未来の条件文-その7
(7) 過去形を使った未来の条件文 (1) (2)
(8) if を使った未来の条件文-その8
(8) if S were to V
● 「直説[叙実]法現在・過去形」 と 「仮定[叙想]法現在・過去形」 の説明
2. if を使った現在の条件文の練習
(1) if を使った現在の条件文-その1
(1) If + S + V(s)[現在形]
(2) if を使った現在の条件文-その2
(2) If + S + have[has] Vpp (現在完了形)
3. if を使った過去の条件文の練習
4. 仮定法[叙想法]現在形の解説とそれを使った表現の練習
5. if 以外の仮定法[叙想法]を使った表現の練習
いつも通り、手抜きなしで全力投球しますから、最後までお付き合いください。 m(__)m
次回-if を使った未来の条件文-その1 (If + S + 現在形-説明)
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