Tue.
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その2  
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その2
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
前回から、全用法の to 不定詞 [to + V] の表す「時」を総点検しています。
少し時間がかかりそうですが、復習のつもりで気長にお付き合いください。 (^-^)
[副詞的用法]
[目的]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-目的
4. a. I am studying very hard to pass the exam for Todai.
4. a. 私は東大の試験に合格するために一生懸命勉強しています。
4. b. I got up early to catch the first train.
4. b. 私は始発電車に間に合うように早く起きた。
4. c. Ken came to see me this morning.
4. c. 今朝、ケンが私に会いに来た。
[目的] を表す to V の 「時」 は、明らかに 「未来」 ですね。
[感情の原因]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-感情の原因
5. a. I am glad to meet you.
5. a. (私は)あなたにお会いできてうれしいです。
5. b. She looked sad to hear the story.
5. b. 彼女はその話を聞いて悲しそうに見えた。
Vすることに到達して、それが原因で喜んだり悲しんだりするのですから、「Vする行為は直前に終わっている」 か 「同時」 かどちらかですから、ほぼ 「同時」 と言えます。
さらに詳しい説明は、次のページの 「補講 2」 を参考にしてください。
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-感情の原因-補講 2
[形容詞限定]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-形容詞限定 その1
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-形容詞限定 その2
6. a. This book is easy to read.
6. a. この本は読むのが簡単だ[読み易い]。
6. b. This river is dangerous to swim in.
6. b. この川は泳ぐと危険です。
6. c. This flower is beautiful to look at.
6. c. この花は見るには[見て]美しい。
この用法の to V の 「時」 は微妙ですねえ・・・ (・_・;)
例えば b. は、「泳いだ時点で危険だ」 と解釈すれば 「同時」 ですが、「もし泳いだら危険だ」 と解釈した場合は to swim 自体は 「未来」 とも考えれますし・・・
結局、[形容詞限定] の to V は、「形容詞の意味の範囲を限定」 するだけで、「時の観念」 を意識する必要はないのかもしれません。
[判断の根拠]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-判断の根拠 その1
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-判断の根拠 その2
7. a. Ken was kind to give his seat to the elderly woman.
7. a. = It was kind of Ken to give his seat to the elderly woman.
7. a. その年配の女性に席を譲るとは[譲るなんて]ケンは親切だった。
7. b. You were careless to leave your umbrella on the train.
7. b. = It was careless of you to leave your umbrella on the train.
7. b. 電車に傘を置き忘れるとは[なんて]君も不注意だったね。
「Vすることに到達るとは[するなんて」、「親切だった」「不注意だった」 と判断しているのですから、「Vする行為はすでに終わっている」 か 「ほぼ同時」 かのどちらかです。
文脈で十分判断できるので、「すでに終わっている行為」 でも、単なる to V で十分ですが、次のように 「完了不定詞 = to have Vpp」 を使って、すでに終わっている行為を明示する場合もたまにあります。
c. I was foolish to have bought such a car.
c. = It is foolish of me to have bought such a car.
c. そんな車を買ったなんて私は馬鹿だった。
c. I was foolish to buy such a car.
c. = It is foolish of me to buy such a car.
c. そんな車を買うなんて私は馬鹿だった。
[結果]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-結果
8. a. He grew up to be a great scientist.
8. a. 彼は成長して立派な科学者になった。
8. b. I woke up one morning to find myself famous.
8. b. 私はある朝目を覚ますと(その結果)自分が有名になっているのがわかった。
8. b. → 私はある朝目を覚ますと有名になっていた。
8. c. I ran to the station(,) only to miss the last train.
8. c. 私は駅まで走って行ったが(その結果)最終電車に乗り遅れただけだった。
例えば、 8. a. は、「立派な科学者になること[という結果]に向かって成長した」 又は 「成長して(その結果)立派な科学者になることに到達した」 と解釈できます。
どちらに解釈しても to V の 「時」 は、述語動詞の 「時」 より 「後」 = 「未来」 です。
[条件]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-条件
9. a. To hear him sing, you would take him for a girl.
9. a. 彼が歌うのを聞いたら、君は彼を女の子だと思うだろう。
9. b. My grandfather in America would be glad to hear the news.
9. b. アメリカにいる私の祖父がその知らせを聞いたら喜ぶだろうな。
文全体としては、仮定の文なので 「未来」 のように感じられます。
しかし、「彼が歌を歌うのを聞いて」 → 「彼を女の子と思う」、「その知らせを聞いて」 → 「喜ぶ」 のですから、「直前」 か 「ほぼ同時」 と解釈してもいいかと思われます。
次回-to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その3
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
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Wed.
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その3 
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その3
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
前々回から、全用法の to 不定詞 [to + V] の表す「時」を点検しています。
少し時間がかかりそうですが、復習のつもりで気長にお付き合いください。 (^-^)
体調を崩して、この1週間、暇さえあれば寝ていました。
仕事は簡単には休めないのでつらいです。( ノД`)
そういう訳で、ブログの更新を怠っていました。m(__)m m(__)m
[be 形容詞 to V の文型(慣用表現)]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-be 形容詞 to V の文型(慣用表現) その1
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-be 形容詞 to V の文型(慣用表現) その2
上記のリンクで紹介した be 形容詞 to V の文型の 「時」 を、復習も兼ねて総点検してみましょう。
be able to V [エイブル]
Vすることができる
I was able to pass the exam.
私はその試験に合格することができた。
be unable to V [アネイブル]
Vすることができない
I was unable to pass the exam.
私はその試験に合格することができなかった。
be の 「時」 と 「同時」 を表していると考えられます。
be likely to V [ライクリー]
Vする可能性が高い
Ken is likely to win.
= It is likely that Ken will win.
ケンは勝つ可能性が高い。
→ ケンは勝ちそうだ。
→ おそらくケンは勝つだろう。
be unlikely to V [アンライクリー]
Vする可能性が低い
Ken is unlikely to win.
= It is unlikely that Ken will win.
ケンは勝つ可能性が低い。
→ ケンは勝ちそうにない。
→ おそらくケンは勝たないだろう。
通例、 be の 「時」 より 「未来」 を表します。
しかし、必ず 「未来志向」 という訳ではなく、時々 「同時」 「完了」 「過去」 を表していることもあるので注意が必要です。
詳しくは、次のページを参考にしてください。
⇒ It is likely that S + V と S is likely to V
be sure to V [シュア]
きっと[必ず]Vする
be certain to V [サートゥン]
きっと[必ず]Vする
be bound to V [バウンド]
きっと[必ず]Vする
Ken is sure[certain][bound] to win.
ケンはきっと[必ず]勝つ。
これらは基本的に 「未来志向」 です。
しかし likely / unlikely と同じように、これらも時々 「同時」 「完了」 「過去」 を表していることがありますから、上級者は注意しましょう。
Ken is sure[certain][bound] to come here every day.
ケンはきっと毎日ここに来ているに違いない。(現在の習慣)
Ken is sure[certain][bound] to have already come.
ケンはきっともう来ているに違いない。(完了)
Ken is sure[certain][bound] to have come here yesterday.
ケンはきっと昨日ここに来たに違いない。(過去)
「完了」 「過去」 の 「時」 は、to have Vpp[過去分詞] で表します。
次のページも参考にしてください。
⇒ It is certain that S + V と S is certain to V
be willing to V [ウィリング]
Vするのは厭[いと]わない、Vしても構[かま]わない (← Vする意思がある)
If you accompany me, I'm willing to go.
accompany 人 [アカンパニ] : 人に同伴[同行]する、人と一緒に行く
もしあなたが同行してくれるのであれば、行っても構わないですよ。
be unwilling to V [アンウィリング]
Vするのをいやに思う、Vするのは気が進まない (← Vする意思がない)
I was unwilling to go, but I had to (go).
私は行くのは気が進まなかったがそうせざるを得なかった。
be reluctant to V [リラクタント]
Vするのをいやに思う、Vするのは気が進まない
I was reluctant to go, but I had to (go).
私は行くのは気が進まなかったがそうせざるを得なかった。
これらは明らかに 「未来志向」 です。
be eager to V [イーガー:]
Vすることを熱望している、しきりにVしたがっている
He was eager to see her.
彼はしきりに彼女に会いたがっていた。
be anxious to V [アンクシャス]
Vすることを切望している、しきりにVしたがっている
He was anxious to see her.
彼はしきりに彼女に会いたがっていた。
これらも明らかに 「未来志向」 です。
be ready to V
(= be prepared to V [プリペアド])
Vする準備[用意]ができている
→ いつでもVできる[する]
→ 喜んでVする
→ まさにVしようとしている
→ すぐVする
→ Vする覚悟ができている
例文は、下記のリンクを参考にkしてください。
⇒ be ready to V
これも 「未来志向」 ですね。
be apt to V [アプト]
Vしがちである、Vしやすい、Vする傾向性がある
He is apt to forget people's names.
彼は人の名前を忘れがちだ。
be liable to V [ライアブル]
Vしがちである、Vしやすい、Vする傾向性がある
He is liable to get angry.
彼は怒りやすい[→ 怒りっぽい]。
(通例、望ましくないことに用いる)
これらは、主語の傾向性を表しています。
「Vする傾向性があるから、Vするかもしれない」 と考えれば、「未来」 だと解釈できますし、「Vする傾向性を持っている」 と考えれば、「同時」 とも解釈できます。
will [would] be glad to V
will [would] be happy to V
will [would] be pleased to V [プリーズド]
will [would] be delighted to V [ディライティド]
喜んでVする
I'll [I'd] be glad[happy][pleased][delighted] to help you with your homework.
喜んで君の宿題を手伝ってあげましょう。
文全体の 「時」 は 「未来」 ですけど、「Vすると、それが原因で気分がうれしくなりそうだから、Vする」 と解釈できますから、「ほぼ同時」 です。
be free to V
自由にVできる、自由にVしてよい
You are free to use my bike.
あなたは自由に私の自転車を使ってもよい。
→ どうぞご自由に私の自転車をお使いください。
これは明らかに 「未来」 です。
be afraid to V [アフレイド]
(未来に)Vするのが怖い
→ 怖くてVできない[したくない]
I am afraid to speak to him.
私は彼に話しかけるのが怖い
→ 私は怖くて彼に話しかけることができない。
be ashamed to V [アシェイムド]
(未来に)Vするのが恥ずかしい
→ 恥ずかしくてVできない[したくない]
I am ashamed to speak to him.
私は彼に話しかけるのが恥ずかしい。
→ 私は恥ずかしくて彼に話しかけることができない。
これらも明らかに 「未来」 です。
be quick to V
Vするのが早い
すぐVする
He is quick to understand.
彼は理解するのが早い。
He was quick to answer my questions.
彼はすぐに私の質問に答えてくれた。
be slow to V
Vするのが遅い
なかなかVしない
He is slow to understand.
彼は理解するのが遅い。
He was slow to answer my questions.
彼はなかなか私の質問に答えてくれなかった。
これは 「同時」 ですね。
be fortunate to V
be lucky to V
Vするとは[Vして]運がよい[幸運だ]
→ 運よく[幸運にも]Vする
I was fortunate[lucky] to pass the exam.
その試験に受かるとは[受かって]私は運が良かった[幸運だった]。
私は運よく[幸運にも]その試験に合格した。
be unfortunate to V
be unlucky to V
Vするとは運が悪い[不運だ]
→ 運悪く[不運にも]Vする
I was unfortunate[unlucky] to fail the exam.
その試験に落ちるとは私は運が悪かった[不運だった]。
私は運悪く[不運にも]その試験に落ちた
これは 「同時」 です。
次回- to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その4
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
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Mon.
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その4  
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その4
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
やっと高校入試と大学入試が全部終わりました。
やれやれです。 (^-^;
少し時間の余裕ができて、ブログの書き込みが進みそうです。
前々々回から、全用法の to 不定詞 [to + V] の表す「時」を点検しています。
少し時間がかかりそうですが、復習のつもりで気長にお付き合いください。 (^-^)
[too ~ to V]
⇒ 中学英語・ちょっと復習-too ~ to V の構文
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-too ~ to V
She is too young to get married.
彼女は結婚するには(あまりにも)若すぎる。
→ 彼女はとても若いので結婚することはできない。
This book is too difficult for my son to understand.
この本は私の息子が理解するには(あまりにも)難しすぎる。
→ この本はとても難しいので私の息子には理解できない。
うーん ((+_+)) 微妙ですねー。
「もし未来にVするとしても、それをするにはあまりに~すぎる」 と取れば、一応 「未来」 に解釈できます。
This book is so difficult that my son can't read it.
この本はとても難しいので私の息子には理解できない。
と書き換えれば、「同時」 とも解釈できます。
[~ enough to V]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-~ enough to V その1
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-~ enough to V その2
She is old enough to get married.
彼女は結婚するのに十分年齢がいっている。
→ 彼女は結婚できる年齢だ。
This book is easy enough for my son to understand.
この本は私の息子が理解できるほど[くらい]簡単だ。
→ この本はとても簡単なので私の息子は理解できる。
この場合も微妙ですね。
「もし未来にVするとしたら、それをするのに十分~だ」 と解釈すると、一応 「未来」 です。
This book is so easy that my son can read it.
この本は私の息子が理解できるほど[くらい]簡単だ。
と書き換えれば、「同時」 とも解釈できます。
[so ~ as to V / such ~ as toV ]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-so ~ as to V / such ~ as toV
I am so young as to climb Mt Fuji.
私は富士山に登れるほど若い。
→ 私はとても若いので富士山に登ることができる。
He is not such a foolish person as to believe that story.
彼はその話を信じるほど馬鹿な人ではない。
やはり、これも to V が表す 「時」 は微妙です。
「未来」 とも解釈できますし 「同時」 とも解釈できます。
結局のところ、
too ~ to V
~ enough to V
so ~ as to V / such ~ as to V
の to V は、「程度」 を表していて、「時」 を意識してもあまり意味がないように思われます。
次回- to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その5
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
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Wed.
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その5 
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その5
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
前々々々回から、全用法の to 不定詞 [to + V] の表す「時」を点検しています。
少し時間がかかりそうですが、復習のつもりで気長にお付き合いください。 (^-^)
[独立用法(慣用表現)]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-副詞的用法-独立用法(慣用表現)
[前置型]
例文は上記のリンクを参考にしてください。
ここでは、前置きの部分だけを列挙します。
To be honest (with you), ・・・.
正直に言えば、・・・。
To be frank (with you), ・・・.
率直に言えば、・・・。
To be brief[short], ・・・.
手短に言えば[要するに]、・・・。
To make[cut] a long story short, ・・・.
かいつまんで言えば[早い話が]、・・・。
To tell (you) the truth, ・・・.
本当のことを言えば、・・・。
To be (more) exact[precise], ・・・.
(もっと)正確に言えば、・・・。
To do 人 justice, ・・・.
人を公平に評すれば、・・・。
To begin[start] with, ・・・.
まず第一に、・・・。
To put it clearly, ・・・.
はっきり言えば、・・・。
To conclude, ・・・.
最後に、・・・。
To return to the subject, ・・・.
本題に戻るが、・・・。
To change the subject, ・・・.
話は変わるが、・・・。
Strange to say, ・・・.
奇妙なことに、・・・。
Needless to say, ・・・.
言うまでもなく、・・・。
次の例文も一種の [前置型] です。
It was very cold, and to make matters worse, it began to snow.
とても寒かった、そしてさらに悪いことには雪が降り始めた。
You were rude to her, to say the least (of it).
= To say the least (of it), you were rude to her.
控えめに言っても、君は彼女に対して無作法だった。
たくさん紹介しましたね。 (^-^;
でも、これぐらいは全部覚えておかなければ実戦では役に立ちません。
がんばって覚えましょう。
さて、文の前置きになっているのですから、これらの to V の 「時」 は 「同時」 を表していると考えられます。
[後置型]
He can speak French, to say nothing of English.
= He can speak French, not to speak of English.
= He can speak French, not to mention English.
彼は英語は言うまでもなく、フランス語も話す。
It is very warm, not ot say hot.
暑いとは言え[わ]ないまでも、とても暖かい。
これらも 「同時」 ですね。
[挿入型]
He is, so to speak, a book worm.
彼はいわば本の虫だ。
She's not clever, to be sure, but she's very pretty.
確かに彼女は賢くないが、とてもかわいい。
(挿入というよりは後置かもしれません?)
これらも 「同時」 ですね。
独立用法(慣用表現)の場合は、どうも 「未来志向」 ではなく 「同時」 のようです。
次回- to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その6
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
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Sat.
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その6 
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その6
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
前々々々々回から、全用法の to 不定詞 [to + V] の表す「時」を点検しています。
少し時間がかかりそうですが、復習のつもりで気長にお付き合いください。 (^-^)
[名詞的用法]
⇒ to 不定詞 [to V] の用法-名詞的用法-導入
⇒ 中学英語・ちょっと復習-to V (to不定詞) の用法-名詞的用法
⇒ 中学英語・ちょっと復習-to V [to不定詞]の名詞的用法 と Ving [動名詞]
[主語]
To drive this car is easy. (△ まれ)
= It is easy to drive this car. (〇)
この車を運転することは簡単だ。
この文は動名詞[Ving]を使って
Driving this car is easy. (〇)
と書き換えることができます。
to drive this car は 「未来志向 = 未来に運転する行為を想像して」 、「この車を運転したら簡単だよ。」 というイメージ、
driving this car は 「現実志向 = 実際に運転している行為を想像して」 で、「この車を運転するのは簡単だよ。」 とというイメージ、
でとらえることができますが、現実的にはどちらを使っても同じような気がします。
結局、 to V の表す 「時」 は、「未来」志向 とも解釈できますし、 「一般的にVすること」 という意味で、「時間的に中立」 とも解釈できます。
[be 動詞の補語]
My dream is to become a doctor. (○)
= My dream is becoming a doctor. (△)
私の夢は医者になることです。
One of my hobbies is to play tennis. (△)
= One of my hobbies is playing tennis. (○)
私の趣味の一つはテニスをすることです。
Your job is to sell cars. (○)
君の仕事は車を売ることだ。
My job is selling cars. (○)
私の仕事は車を売ることだ。
一応、to V も Ving もどちらも使えますが、
これからする 「未来」 の「Vすること」 は → 「to V」
現にやっている 「Vすること」 は→ 「Ving」
が好まれます。
でも、英語を書く時はいざ知らず、英語を話す時は、正確さよりスムーズさを優先して、どちらでもいいからさっと発信してしまうほうが得策です。
All you have to do is (to) go there.
君がしなければならない全てはそこに行くことだ。
→ 君はそこに行きさえすればよい。
All I can do is (to) give you some advice.
私ができる全ては君にアドバイスをすることだ。
→ 私は君にアドバイスをすることしかできない。
このような場合には、to V だけが使われ、動名詞[Ving] は使われません。
結局、補語に使われている to V の表す 「時」 は、基本的には 「未来志向」 寄りと言ってもよろしいかと思われます。
もちろん、「一般的にVすること」 と言っている場合は、「時間的に中立」 だと考えられますが。
[他動詞の目的語]
中学程度の例で検証してみましょう。
want to V
Vすることを望む → Vしたい、Vしたがっている
would like to V
Vすることを望む → Vしたいと思っている
(want to V の丁寧形)
hope to V
Vすることを望む → Vしたいと望む
need to V
Vすることを必要とする → Vする必要がある
try to V
Vすることを努力する → Vしようと(努力)する、Vするよう(に)努める
promise to V
Vすることを約束する → Vすると約束する
decide to V
Vすることを決意する、Vしようと決心する
これらの例の他動詞は、すべて 「未来」 を志向していますから、当然 to V も 「未来」 を志向しています。。
like to V = like Ving
Vすることが好きだ
love to V = love Ving
Vすることが大好きだ
begin to V = begin Ving
Vすることを始める → Vし始める
start to V = start Ving
Vすることを始める → Vし始める
continue to V = continue Ving
Vすることを続ける → Vし続ける
微妙な違いはあっても、to V と Ving の両方を目的語に取れるのですから、意味から考えても 「同時」志向 ですね。
like to V = like Ving や love to V = love Ving は、「一般的にVすることが好き」 と言っている場合は、「時間的に中立」 とも考えられます。
learn to V
Vすることを習得する → Vできるようになる
これは明らかに 「同時」 です。
今回は中学生程度の例で検証してみました。
次回は、「他動詞 + to V」 と 「自動詞 + to V」 の両方の垣根を取り払って、「動詞 + to V」 の文型として扱い、その to V の表す 「時」 を徹底的に総点検します。
to have Vpp [完了不定詞] も詳しく説明する予定です。
次回- to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その7
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
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Wed.
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その7 
to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その7
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
前々々々々々回から、全用法の to 不定詞 [to + V] の表す「時」を点検しています。
少し時間がかかりそうですが、復習のつもりで気長にお付き合いください。 (^-^)
[動詞 + to V の文型]
⇒ 動詞 + to V = 動詞 + Ving の文型
⇒ 動詞 + to V の文型
⇒ 動詞 + to V≠ 動詞 + Ving の文型 その1
⇒ 動詞 + to V≠ 動詞 + Ving の文型 その2
詳しい用法と例文は、上記のリンクを参考にしてください。
ここでは to V の表す 「時」 別に分類することにします。
まず最初に、明らかに 「未来志向」 の文型を列挙します。
たくさんありますね。復習のつもりでチェックしてください。
want to V [ウォント]
Vすることを願う → Vしたいと思う
hope to V [ホウプ]
Vすることを願う → Vしたいと思う
wish to V [ウィシュ]
Vすることを願う → Vしたいと思う
care to V [ケア]
Vすることを願う → Vしたいと思う
long to V [ロン(グ)]
Vすることを切望[せつぼう]する → Vすることを待ち望む
would like to V [ウド ライク]
Vしたいと思う
would love to V [ウド ラヴ]
Vしたいと思う
would prefer to V [ウド プリファー]
(~するよりむしろ) Vしたいと思う
would care to V [ウド ケア]
Vしたいと思う (care to V よりていねい)
would hate to V [ウド ヘイ(ト)]
Vしたくない
decide to V [ディサイド]
Vしようと決心する、Vすることに決める
determine to V [ディターミン]
Vしようと決心する、Vすることに決める
choose to V [チューズ]
Vすることを選ぶ → Vすることに決める
promise to V [プロミス]
Vすることを約束する、Vすると約束する
offer to V [オファー]
Vしようと申し出る
agree to V [アグリー]
Vすることに同意する
refuse to V [リフューズ]
Vすることを断る
aim to V [エイム]
Vすることを目指す
demand to V [ ディマンド]
Vすることを要求する
plan to V [プラン]
Vする予定[計画]だ → Vするつもりだ
intend to V = intend Ving (まれ) [インテン(ド)]
Vすることを意図する → Vするつもりだ
expect to V [イクスペクト]
Vすることを予期している → Vするつもりだ
mean to V [ミーン]
Vすることを意図する → Vするつもりだ
try to V [トライ]
Vしようと(努力)する、Vするよう(に)努める
attempt to V = attempt Ving (まれ) [アテムプ(ト)]
Vしようと企てる
seek to V [スィーク]
Vすることを求める → Vしようと努力する
endeavo(u)r to V [インデヴァー]
Vしようと(真剣に)努力する
strive to V [ストライヴ]
Vしようと奮闘[努力]する
struggle to V [ストラグル]
Vしようと奮闘[努力]する
need to V [ニー(ド)]
Vする必要がある
remember to V [リメムバー]
(未来に)Vすることを覚えておく → 忘れずVする
(can) afford to V [アフォード]
Vする余裕がある
上記に列挙した 動詞 + to V 型の文型は、明らかに 「未来志向」 とわかります。
hesitate to V [ヘジテイト]
Vすることを躊躇[ちゅうちょ]する、遠慮する
forget to V [フォゲッ(ト)]
Vすることを忘れる → Vし忘れる
fail to V [フェイル]
Vしない、Vできない、Vすることを怠[おこた]る
omit to V = omit Ving (まれ) [オミッ(ト)]
(故意に) Vするのを怠る、(うっかり)Vし忘れる
neglect to V = neglect Ving (まれ) [ニグレク(ト)]
(怠慢・不注意から) Vするのを怠る、Vし忘れる
この5例は微妙です。
Please don't hesitate to call me.
私に電話するのを遠慮しないでください。
→ どうぞ遠慮なく私に電話してきてください。
Don't forget to lock the door.
ドアに鍵をかけるのを忘れてはいけません。
→ 忘れずドアに鍵をかけなさい。
Don't fail to come to the party.
パーティーに来るのを怠ってはいけません。
→ 必ずパーティーに来なさい。
のような否定文ならば、to V の行為が未来に行われることを暗示させるので、「未来志向」 と言ってもよいでしょうが、
I hesitated to call her..
私は彼女に電話するのをちゅうちょした[ためらった]。
I forgot to lock the door.
私はドアに鍵をかけるのを忘れた[かけ忘れた]。
He failed to come to the party.
彼はパーティーに来るのを怠った。
→ 彼はパーティーに来なかった。
のような肯定文は、実際に to V の行為をしていないので、「時」 を決定し難いです。
「未来にVする予定だったがしなかった」 と解釈すれば、広い意味で 「未来志向」 になるのでしょうかね?
like to V = like Ving [ライク]
Vすることが好きだ
love to V = love Ving [ラヴ]
Vすることが大好きだ
hate to V = hate Ving [ヘイ(ト)]
Vすることが嫌い[いや]だ
prefer to V = prefer Ving [プリファー]
Vするほうが好きだ
好き嫌いを表す動詞 + to V は、たいてい Ving と入れ換え可能です。
たいていの文法書によると、
Ving は、一般的・習慣的な好き嫌いについて使う
to V は、特定の場合の好き嫌い(つまり欲求に近い)について使う
例えば、
I like watching movies.
私は映画を見るのが好きだ。(= 私の趣味は映画観賞だ)
I like to watch movies.
私は映画を見るのが好きだ(= だから映画を見たい)
ということになり、to watch は 「未来志向」 である、というのが通説です。
現実にはそこまで厳密に使い分けられているわけではなくて、to V / Ving どちらを使っても、「一般的・習慣的な好き嫌い」のほうに解釈するのが普通です。
特定の場合の好み = 欲求 を言いたければ、はっきりと
I want to watch a movie や I'd like to watch a movie を使うほうがいいと思います。
というわけで、上記の文型の to V が表す 「時」 は、通例、「一般的・習慣的にVすること」 = 「時間的に中立」 ということになります。
start to V = start Ving [スター(ト)]
begin to V = begin Ving [ビギン]
Vし始める
continue to V = continue Ving [コンティニュー]
Vし続ける
cease to V = cease Ving [スィース]
(次第に)Vしなくなる
これらの文型の to V は、明らかに 「未来志向」 ではありませんね。
一応、「同時」 を表していると解釈するのが妥当でしょう。
pretend to V [プリテンド]
Vするふりをする
tend to V [テンド]
Vする傾向(性)がある
manage to V [マニジ]
なんとか[どうにかして]Vする[できる]
come to V (状態動詞) [カム]
= get to V (状態動詞) [ゲト]
= grow to V (状態動詞) [グロウ]
Vするようになる
learn to V (状態動詞・動作動詞) [ラーン]
Vすることを習得する
→ Vする[できる]ようになる
get to V (動作動詞)
Vする機会・許可を得る
→ V(することが)できる
これらの文型の to V も 「未来志向」 ではなく 「同時」 を表していると考えられます。
prove to V (状態動詞) [プルーヴ]
= turn out to V (状態動詞) [ターナウト]
Vであることがわかる、結局Vである
happen to V (動作動詞 + 状態動詞) [ハプン]
たまたま[偶然]Vする
seem to V (状態動詞) [スィーム]
Vであるように思われる[であるようだ]
appear to V (状態動詞) [アピア]
Vであるように見える、思われる
これらの文型の to V も、V が原形の場合は 「同時」 を表しています。
to V が to have Vpp[過去分詞] になると、「完了」 や 「過去」 を表すので、それは次回に説明します。
次回- to 不定詞 [to + V] の表す時 (中・上級者向け) -その8-to have Vpp [完了不定詞]
⇒ to 不定詞 [to + V] の用法-総合目次
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