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高校英語・基礎-語法-接続副詞- however

まず次の英語を見てみましょう

I want a cat, but my husband doesn't like any pets.
私は猫が欲しい[→ 飼いたい]、でも[しかし]夫はペットが全く好きでない。
→ 私は猫を飼いたい、夫はペットが全く好きでない。

中学程度の英語ですから楽勝ですね。

この文は、コンマで区切られています

では、次のように、ピリオドで区切った文はどうでしょう?

1. a. I want a cat. But my hauband doesn't like any pets.
1. a. 私は猫が欲しい[→ 飼いたい]、しかし[でも]夫はペットが全く好きでない。

口語英語ではこれも立派な英語です。
中学英語の時点では、これで十分です。

ところが、一旦文を完結させ、その文を受けて But で始めるのは、正式な文書やスピーチでは避けられます

では何を使えばいいのでしょうか?



中学3年の3学期か高校1年で however という単語を学習します。

howeverbut より形式ばった[formal]表現で、少し文語調の、しかしながらと和訳が定番です。

1. b. I want a cat. However. my husband doesn't like any pets.
1. b. 私は猫が飼いたい。しかしながら、夫はペットが全く好きでない。

but接続詞ですが、however(接続)副詞なので、文頭に置く場合は後にコンマを置きます

副詞なので、文頭だけでなく、文中、短い文なら文末にも置くことができます。

1. c. I want a cat. My husband, however, doesn't like any pets.

1. d. I want a cat. My husband doesn't like any pets, however.

文末however は、前文[I want a cat.]を受けているので、注意しましょう。

ちなみに、ピリオドではなくセミコロン = ;で区切った文もよく見かけます。
耳で聞くとわかりませんけど…

[参] I want a cat; however, my husband doesn't like any pets.



例文をまとめると、

1. 私は猫が飼いたい。 しかし(ながら)夫はペットが好きでない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1. a. I want a cat. But my husband doesn't like any pets. (口語)
1. b. I want a cat. However. my husband doesn't like any pets. (文語)
1. c. I want a cat. My husband, however, doesn't like any pets.(文語)
1. d. I want a cat. My husband doesn't like any pets, however.(文語)

正式な[formal]メール文書スピーチの場合は、but ではなく、ぜひ however も使うようにしましょう。

口語英語なのに、but ではなく わざと however を使う場合もありますが、ちょっと使い分けが微妙で難しいので今回は割愛します。又機会があれば解説します。 m(__)m


複合関係詞としての however の用法はこちらを参考にしてください。


次回-学校では教えてくれない英語-会話の返答に使う微妙な whatever


2016/02/06 11:33 [edit]

category: 高校英語・基礎

thread: 英語・英会話学習 - janre: 学校・教育

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学校では教えてくれない英語-会話の返答に使う微妙な whatever

これまで、whateverwhenever などの複合関係詞を解説して来ました。

複合関係詞-初めに(序文) + 目次

今回は、文でなく単独で返答に使う whatever を説明したいと思います。

まず、whatever の通常の用法を復習してきてください。

whatever の用法

復習できましたか?

whatever の基本イメージ何でも

でしたね。



この基本イメージ通りの素直な whatever を使った会話文の例を挙げましょう。

1. What do you wanna eat tonight? / Whatever.
1. wanna [ナ] = want to の会話体
1. 今晩何が食べたい? / 何でもいいよ。

2. Coffee or tea? / Whatever.
2. コーヒーがいいそれともお茶? / 何でもいいよ。

ここまでは基本イメージそのままですね。

ただし、Whatever. とだけ答えると、ちょっとぶっきらぼう[愛想が無い]ですね。
Anything is OK. のように答える方がいいかもしれません。



相手の言うことに同意しかねるが[不服だが]譲歩して[あきらめて]、Whatever. と答えることもあります。

3. How about eating out tonight? / Whatever.
3. eat out : 外食する
3. 今晩は外で食事をしようよ? / うーん、いいよ。

I don't feel like eating out tonight, but I'll do whatever you say.
(本当は)今晩は外食する気分ではないが、(譲歩して)君の言うことは何でもしよう。
feel like Ving : Vしたい気がする、Vする気分だ

という意味が Whatever. の一言にこめられています。



相手の言うことを聞き流して Whatever. と答えることもあります。

4. I'm going out tonight. / Whatever.
4. 今晩外出します。 / どうぞ。

Do whatever you like.
何でも好きなことをしなさい → どうぞお好きなように。

という意味が、Whatever. の一言にこめられています。

5. I'll marry a doctor in the future. / Whatever.
5. あたし将来お医者さんと結婚するの。 / ふーん[あ、そう]。

これも、Do whatever you like. (何でも好きなことをしなさい → 何でもお好きなように) という意味が Whatever. 一語の中に含まれています。



相手の言うことを無視して Whatever. と答えることもあります。

この Whatever. が最近頻繁に使われています。
年長の方はこの表現を嫌うかもしれませんが、相当浸透している表現で映画やドラマでも頻繁に耳にするので、覚えておいて損はないと思います。
ただし、外国人の私達は、使わない方が賢明でしょうね
(でも、使わなくても知っておくことは大切です。)

6. I'm tired and hungry. / Whatever, hurry up.
6. 疲れているし腹も減った。 / はいはい、何でもいいから早くして。

I don't care whatever you say. Just hurry up.
君が何を言っても私の知ったことじゃない。早くしてくれ。

といったような意味合いが Whatever. の一言に含まれています。

7. Why don't you see a doctor? / Whatever.
7. 医者に行ったらどうなんだい? / はいはい。

これが無視の度合いが一番ひどいですね。
相手がアドバイスをしているのに無視しています。

Say whatever you want (to say). But whatever you say, I won't do it.
何でも言いたいことを言いなさい。でも、あなたが何を言おうが、私はそれをしませんよ。

という風な意味が Whatever. に含まれています。



一語の文として使われる Whatever. は微妙で説明し難いです。
上記の説明で Whatever. の感じがつかめたらいいのですが……

Well, whatever ! (ま、いいか!) (;´▽`A``


次回-学校では教えてくれない英語-damn と fuck (近日作成予定)


2016/02/11 18:12 [edit]

category: 学校では教えてくれない英語

thread: 英語・英会話学習 - janre: 学校・教育

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分詞の副詞的用法[分詞構文]-その1 (入門・初級向け)-口語用法

分詞の副詞的用法[分詞構文]の全目次を見に行く。



まず太線部に注意して次の英文を見てみましょう

He waited for a bus patiently.
彼は辛抱強くバスを待った。
He waited for a bus quietly.
彼は静かにバスを待った。

副詞
patiently [イシェントリ] (辛抱強く)
quietly [クワイアットリ] (静かに)
が、動詞waited (待った) を修飾していますね。

では現在分詞[Ving]を含む次の文はどうでしょう

He waited for a bus reading a comic book.
彼は漫画の本を読みながらバスを待った。
He waited for a bus standing in line.
彼は列に並んでバスを待った。
stand in line : 列の中に立つ → 列に並ぶ

現在分詞[Ving]
reading a comic book (漫画の本を読みながら)
standing in line (列に並んで)
が、動詞waited (待った) を修飾していますね。

つまり、現在分詞[Ving]reading a comic book / standing in line は、副詞patiently / quietly代わりをしているわけです。



次の文も太線部に注意して見てみましょう

He was sitting on the sofa silently.
彼は黙ってソファに座っていた。
He was sitting on the sofa nervously.
彼は緊張してソファに座っていた。

副詞
silently [イレントリ] (黙って)
nervously [ーバスリ] (緊張して)
が、動詞was sitting (座っていた) を修飾していますね。

では、次の文はどうでしょう

He was sitting on the sofa surrounded by his children.
彼は自分の子供たちに囲まれてソファに座っていた。
He was sitting on the sofa supported by his wife.
彼は妻に支えられてソファに座っていた。
surround O [サウンド] : Oを取り囲む
support O [サート] : Oを支える

今度は、過去分詞[Vpp]の
surrounded by his children (自分の子供たちに囲まれて)
supported by his wife (妻に支えられて)
が、動詞was sitting (座っていた) を修飾していますね。

つまり、過去分詞[Vpp]の surrounded by his children / supported by his wife は、副詞silently / nervously代わりをしているわけです。



このような用法を 分詞の副詞的用法[=分詞構文] と呼びます。

一般の参考書は「分詞構文」というおおげさな文法用語を使っていますが、ここではあえて「分詞の副詞的用法」と呼んでおきます。

今回は「入門・初級向け」ですので、口語英語でもよく使われる一番基本的な用法同時に行われている動作・状況を付加する用法)のみ解説することにします。

主に文語でよく使われる発展的な詳しい用法は別ページで解説します



それでは、すでに紹介した例文を頭にインプットしていただきます。
分詞の手前にコンマが付いていることもあるので、かっこで書いておきます。

次の日本語を英語にしなさい。

1. 彼は漫画の本を読みながらバスを待った。
2. 彼は列に並んでバスを待った。
3. 彼は自分の子供たちに囲まれてソファに座っていた。
4. 彼は妻に支えられてソファに座っていた。

1. He waited for a bus(,) reading a comic book.
2. He waited for a bus(,) standing in line.
3. He was sitting on the sofa(,) surrounded by his children.
4. He was sitting on the sofa(,) supported by his wife.



《質問》

I was sitting on the sofa … ではなくて、I sat on the sofa … ではだめでしょうか?

参考書の例文でよく見かけるのですが…

《答え》

それでも構いませんが、文語になります

今回は口語英語で使われる用法だけを紹介しているので、was sitting で覚えましょう

ちなみに、 was[were] standing も、文語では進行形を使わないで stood になることがあります。



暗記できましたか?

左側waitedwas sitting主[メイン]
右側現在[過去]分詞[Ving / Vpp] が副[サブ]
と言う訳です。

のようなイメージで理解しましょう

現在分詞[Ving]の副詞的用法Vしている状態で (~する)
過去分詞[Vpp]の副詞的用法Vされた状態で (~する)

え?日本語に訳さないとよくわからない?
では、日本語訳で説明すると

現在分詞[Ving]の副詞的用法Vしながら(~する)、Vして(~する)
過去分詞[Vpp]の副詞的用法Vされて(~する)



では、練習問題です。

次の二つの文を一文にして、和訳してください

(副)と書かれた方の主語とbe動詞を省いて分詞のみにして、それを(主)と書かれた方の文の後ろに付け足せばOKです。

コンマは付けても付けなくてもどちらでも構いません

5. I always eat dinner. ()
5. 私はいつも夕食を食べる。
5. I am watching TV. ()
5. 私はテレビを見ている。
6. The dog was lying on the ground. ()
6. lie [イ] - lay [イ] - lain [イン] - lying [イイング] : 横たわる
6. その犬は地面に寝そべっていた。
6. It was tied to the tree. ()
6. tie O to ~ [イ] : ~にOつなぐ be tied to ~ : ~につながれている
6. それは木につながれていた。
7. Mike was writing a report. ()
7. マイクはレポートを書いていた。
7. He was using a PC. ()
7. 彼はパソコンを使っていた。
8. My son came home. ()
8. 私の息子は家に帰って来た。
8. He was covered with mud. ()
8. cover O with ~ : ~でOをおおう be covered with ~ : ~でおおわれている
8. 彼は泥まみれだった。
9. The girls came into the classroom. ()
9. 女の子達は教室に入って来た。
9. They were chatting loudly. ()
9. chat [チャット] : おしゃべりする
9. loudly [ウドリ] : 大声で
9. 彼女達は大声でおしゃべりをしていた。
10. The boy went to the police station. ()
10. その少年は警察署へ行った。
10. He was accompanied by his mother. ()
10. accompany O [アムパニ] : Oに付きそう
10 彼は母親に付き添われていた。

解答

5. I always eat dinner(,) watching TV.
1. 私はいつもテレビを見ながら夕食を食べます。
6. The dog was lying on the ground(,) tied to the tree.
2. その犬は木につながれて地面の上に寝そべっていた。
7. Mike was writing a report(,) using a PC.
3. マイクはパソコンを使ってレポートを書いていた。
8. My son came home(,) covered with mud.
4. 私の息子は泥におおわれて(→ 泥まみれになって)家に帰って来た。
9. The girls came into the classroom(,)chatting loudly.
5. 女の子たちは大声でおしゃべりしながら教室に入って来た。
10. The boy went to the police station(,) accomanied by his mother.
10. その男の子は母親に付き添われて警察署へ行った。

最後に、この英語も覚えてしまいましょう

英語にしなさい。(解答は上記)

5. 私はいつもテレビを見ながら夕食を食べます。
6. その犬は木につながれて地面の上に寝そべっていた。
7. マイクはパソコンを使ってレポートを書いていた。
8. 私の息子は泥におおわれて(→ 泥まみれになって)家に帰って来た
9. 女の子たちは大声でおしゃべりしながら教室に入って来た。
10. その男の子は母親に付き添われて警察署へ行った。



《補講-ちょっと応用

今までの解説を、記号化すると次のようになります

(S) + V1(,) V2ing
(Sは)V2しながら[V2して]V1する

(S) + V1(,)V2pp
(Sは)V2されてV1する

V2ingV2pp は、S + V1 ではなく、V1 だけを後ろから修飾しているのですから、S必ずしも必要ありません

ということは次のような文も可能です。

It is not good to eat watching TV.
テレビを見ながら食事をするのはよくない。

My grandfather loves chatting surrounded by his grandchildren.
私の祖父は孫に囲まれておしゃべりをするのが大好きだ。

watching TV は、不定詞 to eateat修飾しています。

surrounded by his grandchildren は、動名詞 chattingchat修飾しています。

私が、「分詞構文」という用語を嫌って、「分詞の副詞的用法」という用語を好んで使うのは、上記のような場合もあるからです。



どうです?「分詞の副詞的用法(分詞構文」の感覚がつかめましたか?

英語を聞き、話し、メールや手紙を書く程度ならこの「一番基本的な用法同時に行われている動作・状況を付加する用法」で十分です。

でも、本や新聞やネットの情報を読む場合にはこれだけでは足りないので、現在分詞・過去分詞の副詞的用法[=分詞構文]-その2 に進みましょう。



次回-分詞の副詞的用法[分詞構文]-その2


分詞の副詞的用法[分詞構文]目次

その1-口語英語で使われる用法だけの解説 (入門・初級向け)

その2-基本用法-意味別による解説

その3-基本用法-分詞の位置別による解説

その4-基本用法-暗誦例文のまとめ

その5-基本用法-練習問題

その6-完了分詞

その7-否定

その8-意味上の主語が付いている場合=独立分詞構文

その9-慣用表現(1)

その10-慣用表現(2)

その11-慣用表現のまとめ(暗誦例文)


2016/02/13 10:10 [edit]

category: 高校英語・基礎

thread: 英語・英会話学習 - janre: 学校・教育

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分詞の副詞的用法[分詞構文]-その2-基本用法・意味別解説

分詞の副詞的用法[分詞構文]の全目次を見に行く。



まず前回の復習をしましょう。

分詞の副詞的用法[分詞構文]-その1 (入門・初級向け)

前回は次の一番基本的な用法だけを学習しました。



1. 同時動作・状況

ある行為と同時に行われている動作や状況を付加する用法です。

現在分詞の場合
(S) + V1(,) V2ing
(Sは)2しながら1する
(Sは)2して1する

過去分詞の場合
(S) + V1(,) V2pp
(Sは)2されて1する

この用法は前回の入門・初級向けのページで詳しく解説しました。
例文を転載しますから、覚えているかどうかテストしてみましょう

01. 彼は漫画の本を読みながらバスを待った。
02. 彼は列に並んでバスを待った。
03. 彼は自分の子供たちに囲まれてソファに座っていた。
04. 彼は妻に支えられてソファに座っていた。
05. 私はいつもテレビを見ながら夕食を食べます。
06. その犬は木につながれて地面の上に寝そべっていた。
07. マイクはパソコンを使ってレポートを書いていた。
08. 私の息子は泥におおわれて[→ 泥まみれになって]家に帰って来た
09. 女の子たちは大声でおしゃべりしながら教室に入って来た。
10. その男の子は母親に付き添われて警察署へ行った。
11. テレビを見ながら食事をするのはよくない。
12. 私の祖父は孫に囲まれておしゃべりをするのが大好きだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

01. He waited for a bus(,) reading a comic book.
02. He waited for a bus(,) standing in line.
03. He was sitting on the sofa(,) surrounded by his children.
04. He was sitting on the sofa(,) supported by his wife.
05. I always eat dinner(,) watching TV.
06. The dog was lying on the ground(,) tied to the tree.
07. Mike was writing a report(,) using a PC.
08. My son came home(,) covered with mud.
09. The girls came into the classroom(,)chatting loudly.
10. The boy went to the police station(,) accomanied by his mother.
11. It is not good to eat watching TV.
12. My grandfather loves chatting surrounded by his grandchildren.

できましたか?
この用法が、現在分詞・過去分詞の副詞的用法[=分詞構文]の基本です。

よくわからない人は、必ず次のページに戻って復習してください
そのまま次に進むと、理解できなくなります。

現在分詞・過去分詞の副詞的用法[=分詞構文]-その1 (入門・初級向け)



《質問》

1. の例文の和訳

He waited for a bus(,) reading a comic book.
彼は漫画の本を読みながらバスを待った

「彼はバスを待って漫画を読んでいた

前後逆に訳してもよろしいでしょうか


《答え》

確かにそういう風に逆に訳している参考書や辞書が多いですね。
もちろんその和訳でも十分通用します。
でも、私はお勧めしません。
そんなことをすると次の文の区別がつかなくなります。

A. He waited for a bus(,) reading a comic book.
A. 私は漫画を読みながら[読んで]バスを待っていた

B. I was reading a comic book(,) waiting for a bus.
B. 私はバスを待ちながら[待って]漫画を読んでいた

A.reading a comic book副[サブ]waited for a bus主[メイン]
B.waiting for a bus副[サブ]was reading a comic book主[メイン]

になります。

逆に訳すと、どちらがどちらかわからなくなるのでお勧めしません



《質問》

学校の教科書で次のような英文を見ました。

You look smart wearing glasses..

眼鏡をかけながら」や「眼鏡をかけて」はうまく訳せないのですが…??

《答え》

この例文の場合は、通例、次のように和訳しますね。

You look smart wearing glasses.
君は眼鏡をかけていると賢く見える。

Vしていると~に見える」という和訳は、「Vしていないと~に見えない」という意味を暗示させます
話し方[抑揚]によってはそのような含みを持たせることもできますが、そこまでの裏の意味は含んでいない場合は、素直に、「君は眼鏡をかけて賢そうに見えるね。」ぐらいの訳でもいいかもしれません。

次の例文も、同様です。

She looked pretty wearing a kimono.
彼女は着物を着てかわいく見えた。
彼女は着物を着ているとかわいく見えた。



この「同時動作・状況を付加する」用法は、修飾する行為よりも後に置くのが基本です。

しかし、同時とはいっても微妙に時間的に先に動作が行われているような感覚がある場合は、修飾する動作よりも先に、すなわち、文頭、文中(主語の後に挿入)に置かれていることもあります

例えば 9. の例文は、女の子たちが教室に入ってくるよりも先に話し声が聞こえてくるような感覚があるので、次のように先に置いてもかまいません

9. Chatting loudly, the girls came into the classroom.
9. 大声でおしゃべりしながら、女の子たちは教室に入って来た。
9. The girls, chatting loudly, came into the classroom.
9. 女の子たちは、大声でおしゃべりしながら、教室に入って来た。

10. の例文も同様に、母親に付き添われているのが、微妙に先行しているような感覚があるので、次のように先に置いてもかまいません

10. Accompanied by his mother, the boy went to the police station.
10. 母親に付き添われて、その男の子は警察署へ行った。
10, The boy, accompanied by his mother, went to the police station.
10. その男の子は、母親に付き添われて、警察署へ行った。

結局、9.10. の例文は、次の2番目の用法、「先行動作・状況」限りなく近いということになります。



2. 先行動作・状況

ある行為に先行して行われる動作や状況を付加する用法です。

1. の用法は、口語・文語共に使えますが、2. のこの用法は文語です。
主に、物語風の英文によく出てきます
センター試験でも、以前は一番最後の英文が回想録のような物語調の英文が多かったので、この用法をよく見かけましたが、今は論説文が主体なので、大学受験の英語ではあまり見かけなくなりましたね。
でも、受験英語がすべてではないのですから、この用法も覚えておきましょう。

この用法は当然修飾する行為よりも先に付加します。つまり、文頭か文中(主語の後ろ)に置かれます

現在分詞の場合
V2ing, S + V1
S, V2ing, + V1
2していて、SはV1する [Sは、2していて、V1する]
2していると、SはV1する [Sは、2していると、V1する]
2して、SはV1する [Sは、2して、V1する]
2すると、SはV1する [Sは、2すると、V1する]

過去分詞の場合
V2pp, S + V1
S, V2pp, + V1
2されて、SはV1する [Sは、2されて、V1する]
2されると、SはV1する [Sは、2されると、V1する]

和訳あいまいだと思っていませんか?

分詞の副詞的用法[分詞構文]もともとあいまいな表現なので、あいまいな和訳がぴったりなのです。

2している時に / 2した時」になどはっきり和訳すると、せっかく分詞の副詞的用法[分詞構文]のあいまいが消えてしまいます



例文です

13. Walking in the grass, Mr. Frog was bitten by a snake.
13. Mr. Frog, walking in the grass, was bitten by a snake.
13. 草の中を歩いていて[歩いていると]、フロッグさんは蛇にかまれた。
13. フロッグさんは、草の中を歩いていて、蛇にかまれた。

14. Seeing a police officer, the robber ran away.
14. The robber, seeing a police officer, ran away.
14. 警察官を見て[見ると]、その強盗は逃げ去った。
13. その強盗は、警察官を見て[見ると]、逃げ去った。

15. Picking up a stone, the boy threw it at the dog.
15. The boy, picking up a stone, threw it at the dog.
15. 石を拾って[拾うと]、その少年はそれを犬めがけて投げつけた。
15. その少年は、石を拾って[拾うと]、それを犬めがけて投げつけた。

16. Shot by a machine gun, the police officer fell on(to])the ground.
16. The police officer, shot by a machine gun, fell on(to) the ground.
16. マシンガン[機関銃]で撃たれて、その警官は地面に倒れた。
16. その警官は、マシンガン[機関銃]で撃たれて、地面に倒れた。

17. Seen from the plane, the island looked like an egg.
17. The island, seen from the plane, looked like an egg.
17. 飛行機から見られると[→ 見ると]、その島は卵のように見えた。
17. その島は、飛行機から見られると[→ 見ると]、卵のように見えた。

13 の例文は、進行中(V2している)の意味が残っているので、1. の「同時動作・状況」に限りなく近いです。
14. 15. の例文は、状況(=状態)ではなく動作なので進行中(V2している)の意味は無くなっています



《質問》

17. の例文についてですが、

Seen from the plane, the island looked like an egg.
飛行機から見ると、その島は卵のように見えた。

ではなく、

Seeing from the plane, the island looked like an egg.

としてはいけないのでしょうか?

《答え》

それは入門・初級者がよく陥る間違いです。
「飛行機から見ると」という日本語にだまされてはいけません。

このことは接続詞を使って書き換えるとよくわかります。

When it was seen from the plane, the island looked like an egg.

「飛行機から見られると」が直訳で、日本語が不自然だから「飛行機から見ると」と意訳しているだけです。

Seeing にすると、Seeing の意味上の主語[= 人]と、英文の主語[= the island]が一致しなくなります。
つまり、次の英文を強引に「分詞の副詞的用法=分詞構文」にしていることになります。

When we[I] saw it from the plane, the island looked like an egg.

When 内の主語が we[I] 、主節の主語が the island主語が一致していません
おまけに saw itit も消えていますから、明らかに文法的に間違っていますね。

もっとも、英語が母語の人でも、時々このような文法的には間違った用法を使うこともあるようですが… (-。-;)

次の英文は、分詞の意味上の主語と、文の主語が一致している正しい用法です。

Looking out (of) the plane window, I saw an egg-shaped island.
飛行機の窓から外を見ると、卵型の島が見えた。



前述したように、この用法は文語あいまいな表現ですです。

口語英語では、接続詞を使って次のように表現すればいいでしょう

13. While (he was) walking in the grass, Mr. Frog was bitten by a snake.
13. Mr. Frog ,while (he was) walking in the grass, was bitten by a snake.
13. Mr. Frog was bitten by a snake while (he was) walking in the grass.
13. 草の中を歩いている時[← いる間に]、フロッグさんは蛇にかまれた。
13. フロッグさんは、草の中を歩いている時、蛇にかまれた。

(he was) は通例省略されます。

14. When the robber saw a police officer, he ran away.
14. The robber ran away when he saw a police officer..
14. その強盗は警察官を見た時[見ると]逃げ去った。

15. The boy picked up a stone and threw it at the dog.
15. その少年は石を拾ってそれを犬めがけて投げつけた。

16. The police officer was shot by a machine gun and fell on[to] the ground.
16. その警官はマシンガン[機関銃]で撃たれて地面に倒れた。

17. When (it was) seen from the plane, the island looked like an egg.
17. The island, when (it was) seen from the plane, looked like an egg.
17. The island looked like an egg when (it was) seen from the plane.
17. 飛行機から見られると[→ 見ると]、その島は卵のように見えた。
17. その島は、飛行機から見られると[→ 見ると]、卵のように見えた。

(it was) はよく省略されます。



3. 理由・動機

ある行為の理由・動機となる動作や状況を付加する用法です。

1.「同時動作・状況」と、2.「先行動作・状況」の用法が、たまたま「理由・動機」にも解釈できるというあいまいな用法です。

1.「同時動作・状況」2.「先行動作・状況」にも訳せるが、同時に、3.「理由・動機」にも訳せるというケースがほとんどです。

2. と同じく、現在分詞の場合、進行中(Vしている)の意味は薄れています

分詞の位置2. と同じく、文頭文中(主語の後ろ)普通です。

現在分詞の場合
V2ing, S + V1
S, V2ing, + V1

2して、SはV1する [Sは、2して、V1する]
2するので、SはV1する [Sは、2するので、V1する]

過去分詞の場合
V2pp, S + V1
S, V2pp, + V1
2されて[されていて]、SはV1する [Sは、2されて[されていて]、V1する]
2された[されている]ので、SはV1する [Sは、2された[されている]ので、V1する]



例文です。

18. Thinking that it might rain, Mr. Amano took an umbrella with him.
18. Mr. Amano, thinking that it might rain, took an umbrella with him.
18. 雨が降るかもしれないと思って[思ったので]、天野さんは傘を持って行った。
18. 天野さんは、雨が降るかもしれないと思って[思ったので]、傘を持って行った。

19. Believing that Juliet was dead, Romeo killed himself.
19. Romeo, believing that Juliet was dead, killed himself.
19, ジュリエットが死んだと信じて[信じたので]、ロメオは自殺した。
19, ロメオは、ジュリエットが死んだと信じて[信じたので]、自殺した。

20. (Being) very kind to other people, Ms. Friend is liked by everyone.
20. Ms. Friend, (being) very kind to other people, is liked by everyone.
20. 他人に非常に親切で[なので]、フレンドさんは皆に好かれている。
20. フレンドさんは、他人に非常に親切で[なので]、皆に好かれている。

being はよく省略されます

21. Satisfied with the result of the exam, the student started studying harder and harder.
21. The student, satisfied with the result of the exam, started studying harder and harder.
21. 試験の結果に満足させられて[→ 満足して] / 満足させられたので[→ 満足したので]、その学生はますます一生懸命勉強し始めた。
21. その学生は、試験の結果に満足させられて[→ 満足して] / 満足させられたので[→ 満足したので]、ますます一生懸命勉強し始めた。

22. Surprised at the news, Mr Speed rushed home.
22. Mr Speed, surprised at the news, rushed home.
22. rush to ~ : ~へ急いで行く
22. rush home : 急いで家に帰る (home は副詞なので to は不要)
22. その知らせに驚かされて[→ 驚いて] / 驚かされたので[→ 驚いたので]、スピードさんは家に急いで帰った。
22. スピードさんは、その知らせに驚かされて[→ 驚いて] / 驚かされたので[→ 驚いたので]、家に急いで帰った。

意味的に 1. の「同時動作・状況」の意味合いが強い場合は、次のように後置されることもあります

18. Mr. Amano took an umbrella with him, thinking that it might rain.
18. 天野さんは、雨が降るかもしれないと思って、傘を持って行った。
19. Romeo killed himself, believing that Juliet was dead.
19. ロメオは、ジュリエットが死んだと信じて、自殺した。



分詞の副詞的用法=分詞構文は何度も言うようにあいまいな表現です。
はっきり理由を述べたい場合は、接続詞becausesinceas を使います。

18. Because Mr. Amano thought that it might rain, he took an umbrella with him.
18. 天野さんは、雨が降るかもしれないと思ったので、傘を持って行った。

19. Because Romeo believed that Juliet was dead, he killed himself.
19, ロメオは、ジュリエットが死んだと信じたので、自殺した。

20. Since Ms. Friend is very kind, she is liked by everyone.
20. Ms. Friend, (being) very kind to other people, is liked by everyone.
20. フレンドさんは、他人に非常に親切なので、皆に好かれている。

21. As the student was satisfied with the result of the exam, he started studying harder and harder.
21. その学生は、試験の結果に満足させられたので[→ 満足したので]、ますます一生懸命勉強し始めた。

22. Because Mr Speed was surprised at the news, he rushed home.
22. スピードさんは、その知らせに驚かされたので[→ 驚いたので]、家に急いで帰った。



4. 連続動作・状況

ある行為の後に連続して行われた動作や状況や結果を付加する用法です。

現在分詞の場合
S + V1, V2ing
SはV1して、2する

過去分詞の場合
S + V1, V2pp
SはV1して、2される

この用法は、修飾する動作よりも当然後に置かれます
2.3. の用法と同じく、進行中の意味は無くなっています

23. The typhoon hit the Kansai area, causing great damage.
23. その台風は関西地方を襲って、甚大な被害を与えた。

24. His novel became a best seller, making him very famous.
24. 彼の小説はベストセラーになって、彼をとても有名にした。

23. の場合、台風が襲っている最中に被害を与えているので、微妙に「同時動作・状況」に近いのですが、結果的に被害が残るので「連続動作・状況]」になります。

25. Ken jumped in first, followed by Tom.
25. ケンが最初に飛びこみ、トムがその後に続いた[← トムによって後に続かれた]。



この用法も文語です。
口語では次のように and を用いて表現するのがよいでしょう。

23. The typhoon hit the Kansai area and caused great damage.
23. その台風は関西地方を襲って、甚大な被害を与えた。

24. His novel became a best seller and made him very famous.
24. 彼の小説はベストセラーになって、彼をとても有名にした。

25. Ken jumped in first and Tom followed (him).
25. ケンが最初に飛びこみ、トムがその後に続いた。

25. は、分詞の副詞的用=分詞構文だと、主語を一致させなければならないので、過去分詞[受け身]を使いますが、and を使う場合はその制約がないので、普通に Tom を主語にすればいいでしょう。



条件(~すれば)」「譲歩(~だけれども)」を表す分詞の副詞的用法(分詞構文)もありますが、決まり切った慣用句以外はきわめてまれなので割愛します。

決まり切った慣用句は後ほど紹介しますので、そこで覚えてください。



《補講》

分詞の副詞的用法(分詞構文)分詞の補足説明用法

以前に次の項目の解説をしました。

現在分詞・過去分詞による名詞の補足説明用法[非限定用法]

上記の解説から例文を二つ抜粋します。

26. My family, living in the country, has three cars.
26. 私の家族は、田舎に住んでいて[いるが]、3台車を持っている。
26. 田舎に住んでいる私の家族は3台車を持っている。
My family, who is living in the country, has three cars.

27. Mt. White, always covered with snow, is very beautiful.
27. ホワイト山は、いつも雪で覆われていて[いるが]、とても美しい。
27. いつも雪で覆われているホワイト山はとても美しい。
Mt. White, which is always covered with snow, is very beautiful.

これらの現在分詞・過去分詞は、一応、主語の補足説明だと解釈できます。

しかし、次のように分詞を文頭に置くこともできますから、分詞の副詞的用法(分詞構文)とも解釈できます。
(これらの例文の場合は、理由・動機)

26. My family, living in the country, has three cars.
26. = Living in the country, my family has three cars.
26. 私の家族は、田舎に住んでいて[住んでいるので]、3台車を持っている。
26. 田舎に住んでいて[住んでいるので]、私の家族は3台車を持っている。

27. Mt. White, always covered with snow, is very beautiful.
27. = Always covered with snow, Mt. White is very beautiful.
27. ホワイト山は、いつも雪で覆われていて[覆われているので]、とても美しい。
27. いつも雪で覆われていて[覆われているので]、ホワイト山はとても美しい。

文頭に分詞が置かれている場合も、主語の補足説明用法に解釈して、

26. 田舎に住んでいる私の家族は3台車を持っています。
27. いつも雪で覆われているホワイト山はとても美しい。

と訳しても、英文の意味はきちんと伝わると思います。
実際、私もこの訳し方をよく使います



ようやく「現在分詞・過去分詞の副詞的用法(分詞構文)」基本的な用法の解説が終わりました。

長かったですね。 (;´▽`A``

次回は、分詞の位置(前・中・後)の観点から、同じ例文を使って解説しようと思います。

お疲れ様でした。 "(@´▽`@)ノ"""


次回-分詞の副詞的用法[分詞構文]-その3


分詞の副詞的用法[分詞構文]目次

その1-口語英語で使われる用法だけの解説 (入門・初級向け)

その2-基本用法-意味別による解説

その3-基本用法-分詞の位置別による解説

その4-基本用法-暗誦例文のまとめ

その5-基本用法-練習問題

その6-完了分詞

その7-否定

その8-意味上の主語が付いている場合=独立分詞構文

その9-慣用表現(1)

その10-慣用表現(2)

その11-慣用表現のまとめ(暗誦例文)


2016/02/19 10:06 [edit]

category: 高校英語・基礎

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